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属人化の解消

属人化とは。原因・リスクと解消の進め方

「あの人がいないと分からない」状態は、意識の問題ではなく仕組みの問題です。属人化が起きる原因とリスクを整理し、業務棚卸しで優先順位を決めて、説明の録音から手順書を作るまでの手順をまとめました。

更新日:執筆・運営:

次のような状態が1つでも当てはまれば、その業務は属人化しています。以下の業務名は架空の例です。

属人化しやすい業務と、よく見られるサイン
業務の例よく見られるサイン
例:月次の締め・請求担当者が休む月は締めが遅れる。手順書はあるが、毎回「いつもの調整」が入る
例:特定の取引先の窓口取引先から担当者の携帯に直接連絡が来る。過去の経緯を知る人が1人だけ
例:社内システムの管理設定の理由を誰も説明できない。管理者のアカウントが個人に紐づいている
例:年に1回の業務前回の担当者に聞かないと始められない。去年のファイルを探すところから始まる
例:Excelのマクロや集計表作った人しか直せない。中身を開くのが怖い

属人化は、誰かが意図して起こすものではありません。忙しい職場で、合理的に仕事を回そうとした結果として起きます。

  • 手順が口頭とOJTだけで伝わっている

    教わった人の頭の中にしか手順がなく、教えた人と教わった人の間で中身が少しずつ変わっていきます。

  • 書く時間がない

    手順書を作る作業は、本来の仕事とは別に発生します。その業務に詳しい人ほど忙しく、後回しになります。

  • 担当が固定されている

    「慣れている人がやるのが早い」状態が続くと、ほかの人が経験を積む機会がなくなります。

  • 例外対応が多い

    取引先ごと、案件ごとの例外が多い業務は、手順書に書ききれず、判断が担当者の経験に頼りがちです。

  • 暗黙知が言葉になっていない

    熟練した人ほど、自分の判断を「当たり前」と感じて説明しません。聞かれないと出てこない知識が残ります。

  • 教えることが評価されない

    自分しかできない仕事を持つほうが評価される職場では、手順を共有する動機が生まれません。

属人化のリスクは、担当者がいる間は見えません。休職や退職、繁忙期など、担当者が対応できなくなったときに一度に表に出ます。

属人化のリスクと、起きることの例
リスク起きることの例影響を受ける人
業務の停止急な休みや退職で、締め切りのある業務が止まる顧客、取引先、後任
品質のばらつき担当者によって対応や判断が変わり、説明が食い違う顧客、チーム
ミスや不正の見逃しほかの人が中身を確認できず、誤りが長く続く会社全体
担当者の負担集中休みが取りにくく、問い合わせが1人に集まる担当者本人
改善が進まないやり方が見えないため、無駄な手順を見直せないチーム、管理職
引き継ぎの失敗退職時に短期間で引き継ごうとして、重要な経緯が抜け落ちる後任、顧客

属人化の解消は、すべての業務を一度に手順書にすることではありません。まず業務を書き出し、「属人化の度合い」と「止まったときの影響」で優先順位を付けます。

業務棚卸しでは、チームの業務を1行に1つずつ書き出し、対応できる人数、手順書の有無、頻度、止まったときの影響を記入します。担当者本人だけでなく、上司や隣の席の人にも見てもらうと、本人が業務と認識していない作業(毎朝の確認、特定の人への連絡など)が見つかります。

下のツールに業務を入力すると、点数と優先度、次の一手が表示されます。年に数回しかない業務は、手順を覚えている人がいないため点数が高くなるようにしています。結果はコピーしてExcelに貼り付けられます。最初の4行は架空の例です。

  1. 優先度 高12点・今月中に着手

    月次の請求書発行

    2人目の担当を決め、次回は同席、その次は2人目が実施して担当者が確認する。

  2. 優先度 高10点・今月中に着手

    取引先A社の問い合わせ窓口

    担当者に作業しながら説明してもらい、録音から手順書の下書きを作る。2人目の担当も決める。

  3. 優先度 中8点・3か月以内

    年1回の棚卸しデータの集計

    次に作業するときに説明を録音し、手順書の下書きを作る。

  4. 優先度 低0点・定期的に見直す

    新入社員のアカウント発行

    現状を維持し、半年ごとに担当と手順書を見直す。

点数=属人化度(対応できる人:1人3点・2人1点/手順書:なし2点・古い1点/年に数回以下は1点を加算)×影響(小1・中2・大3)。10点以上を「高」としています。入力内容はこのページの中だけで計算し、送信しません。

優先度の高い業務から、次の順に進めます。1つの業務で一通り回してから、次の業務に移ると定着しやすくなります。

  1. 01

    業務を棚卸しし、優先順位を決める

    上のツールやCSVで業務を書き出し、点数の高い業務から3つ程度を選びます。担当者と上司で合意してから始めます。

  2. 02

    担当者に、作業しながら説明してもらう

    手順書を「書いて」と頼むより、実際の作業や画面操作をしながら説明してもらうほうが、本人の負担が小さく、細部も出てきます。参加者の同意を得て録音しておきます。

  3. 03

    録音から手順書の下書きを作る

    文字起こしから、手順と判断の分かれ目、注意点を抜き出します。話に出てこない条件は推測で埋めず、本人に確認します。

  4. 04

    やめる・まとめる・簡単にする

    手順を書き出すと、不要な確認や二重入力が見えてきます。属人化した業務は複雑になっていることが多いため、標準化の前に簡素化します。

  5. 05

    2人目の担当を育てる

    「同席して見る」→「2人目が実施し、担当者が確認する」→「2人目だけで実施する」の3段階で進めます。手順書はこの過程で直していきます。

  6. 06

    置き場所と更新のルールを決める

    手順書の置き場所を1つに決め、更新の担当と見直しの時期を書きます。教えた人、手順書を直した人を評価する仕組みもあわせて考えます。

属人化した業務の担当者は、たいてい最も忙しい人です。手順書を書く時間を確保できないなら、説明する30分だけをもらい、書く作業はほかの人とAIが引き受けます。Klangで進める場合の流れです。

  1. 01

    説明の場を録音する

    対面ならスマホのアプリ、オンラインの画面共有ならZoom・Teams・Google Meetに会議アシスタントを参加させるか、ブラウザから録音します。顧客名やパスワードは読み上げないよう、事前に頼んでおきます。

  2. 02

    ノートブックに、文字起こしと既存の資料を入れる

    同じ業務の説明の録音、古い手順書、関連するメールの文面などを1つのノートブック(ヘルプセンターでは「分析」)に追加します。

  3. 03

    チャットで手順書の下書きを作る

    下のプロンプトで指示すると、根拠のタイムコード付きの下書きができます。回答には、情報が見つかったソースとタイムコードが示されます。

  4. 04

    担当者が確認し、手順書として保存する

    「ドキュメントとして保存」で編集できる文書にし、確認待ちの項目を担当者に聞いて埋めます。共有やエクスポートをして、決めた置き場所に保存します。

手順書の下書きを作るプロンプト

追加したインタビューの文字起こしをもとに、〔業務名〕の手順書の下書きを作ってください。
- 手順は番号付きで、1つの手順に1つの動作を書く
- 判断の分かれ目(〜の場合は〜する)は分けて書く
- 各手順に、根拠になった発言のタイムコードを付ける
- 話に出てこない数値や条件は推測で補わず、最後に「確認待ち」として一覧にする
- 新人が間違えやすい点と、トラブル時の連絡先は別の見出しにまとめる

高度な専門性が必要な仕事まで、誰でもできるようにする必要はありません。目指すのは「全員ができる」ではなく、「その人がいなくても止まらない」状態です。

専門家に任せる仕事は、属人化ではなく役割分担です。ただし、その場合も次の3つは用意しておきます。代わりに判断できる人、または外部の相談先。判断の記録(何を根拠にどう決めたか)。緊急時に最低限やるべきことのメモ。

属人化を責める雰囲気をつくると、担当者は仕事を手放すことに不安を感じ、かえって情報を出さなくなります。「休めるようにするため」「1人に負担を集中させないため」という目的を、最初に共有してください。

一度解消しても、担当を固定したままにすると、また属人化します。日常の運用に組み込める工夫です。

  • 新しい業務を始めるときに、最初から2人を担当にする。
  • 年に1回の業務は、実施した直後に気づいたことを手順書に書き足す。
  • 業務の説明やOJTは、同意を得て録音し、文字起こしを手順書の根拠として残す。
  • 会議で決まった手順の変更は、議事録に「手順書の更新」をToDoとして残す。
  • アカウントや権限は個人ではなく役割に付け、管理者を2人以上にする。
  • 半年に1回、業務棚卸しシートを見直し、対応できる人数を更新する。

Klangは、業務の説明やOJTの会話を録音して文字起こしし、ノートブックで既存の資料とまとめて分析できるようにします。チャットの回答には根拠のソースとタイムコードが示されるので、担当者の発言を確かめながら手順書を作れます。

  • 文字起こしは無制限、AI要約とチャットもフリープランで使えます。
  • 対面の説明はスマホアプリで、オンラインの説明は会議アシスタントやブラウザから録音できます。
  • 会話データをAIの学習に使いません。通信時・保存時とも暗号化し、ISO 27001:2022の認証を取得しています。
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属人化の読み方と、言い換えの言葉を教えてください。

「ぞくじんか」と読みます。言い換えとしては「業務のブラックボックス化」「特定の人への依存」などが使われます。対になる言葉は「標準化」、属人化を解消する取り組みは「脱属人化」と呼ばれます。

属人化と専門性は何が違いますか。

専門性は、特定の人が高い技能を持っていることです。属人化は、その人にしか中身が分からず、代わりがいない状態を指します。専門家がいても、判断の記録と代わりの相談先があれば、属人化しているとは言えません。

属人化の解消は何から始めればよいですか。

業務棚卸しから始めます。チームの業務を書き出し、対応できる人数、手順書の有無、止まったときの影響を記入して、点数の高い業務を3つほど選びます。最初から全業務の手順書を作ろうとすると止まりやすくなります。

少人数の会社でも属人化は解消できますか。

全業務に2人の担当を置くのは難しいため、影響の大きい業務に絞ります。手順書と説明の録音を残しておくだけでも、急な休みのときに外部の協力者や新しく入った人が対応しやすくなります。

ツールを入れれば属人化は解消しますか。

ツールだけでは解消しません。業務棚卸しで対象を決め、説明してもらう時間を確保し、2人目の担当を育てるところまでが必要です。録音や文字起こしのツールは、手順書を書く負担を減らす役割を担います。

担当者が退職することになりました。何をすればよいですか。

まず最終出社日から逆算して引き継ぎの日程を決め、業務一覧を作ります。説明の場を録音しておくと、引き継ぎ書を作る負担が減ります。手順は引き継ぎ書テンプレートのページにまとめています。

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