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マニュアル作成

マニュアル作成の手順と、業務マニュアルの作り方

業務の棚卸しから、マニュアル化する業務の選び方、構成、書き方のルール、レビューと更新までを6つの手順で解説します。文章と動画マニュアルの使い分け、マニュアル作成ツールの種類、担当者の説明を録音して手順の下書きを作る方法もまとめました。優先度を判定するツールと、棚卸し用のExcelつき。

公開日:更新日:執筆・運営:

「マニュアル」と一口に言っても、目的と粒度で形が変わります。最初に、作ろうとしているものがどれかを決めると、構成に迷いません。

マニュアルの種類と使い分け
種類書くこと向いている場面分量の目安
業務マニュアル業務の目的、全体の流れ、担当範囲、判断基準、関連する手順書部署の業務全体を引き継ぐ。新人の受け入れ業務ごとに数ページ〜
手順書(作業手順書)1つの作業の手順、確認ポイント、判断分岐、注意点システムの操作、書類の処理など、決まった順番がある作業1作業1〜2ページ
チェックリスト確認する項目だけ手順は分かっている人の抜け漏れ防止1枚
動画マニュアル実際の作業の様子と、説明の音声・字幕手作業、機器の操作、言葉で説明しにくい動き1本数分
FAQ(よくある質問)質問と短い回答、詳しい手順へのリンク問い合わせ対応、例外的なケースの判断1問1答

マニュアル作成は、いきなり書き始めると途中で止まります。対象を絞り、構成を決めてから、担当者の知識を引き出して書きます。

  1. 01

    業務を棚卸しする

    部署の業務を、担当者・頻度・所要時間と一緒に1行ずつ書き出します。「月末の請求書発行」「新規取引先の登録」のように、動詞で終わる単位にすると漏れが見つかりやすくなります。

  2. 02

    マニュアル化する業務を選ぶ

    頻度が高い、できる人が1人だけ、ミスの影響が大きい、近く担当が変わる。この条件が重なる業務から始めます。下の優先度ツールで点数を付けられます。

  3. 03

    構成と形式を決める

    目的・対象者・全体の流れ・手順・判断基準・注意点・改訂履歴の枠を先に作ります。画面操作は画像付き、手作業は動画、判断が多い業務は文章と分岐表、と形式も決めます。

  4. 04

    担当者から聞き出して書く

    担当者に実際の作業をしながら説明してもらい、録音します。文字起こしから下書きを作れば、担当者が自分で書く時間はほとんどかかりません。

  5. 05

    使う人にレビューしてもらう

    作った人ではなく、初めてその業務をする人に、マニュアルだけを見て作業してもらいます。止まった箇所、質問された箇所が直すべきところです。

  6. 06

    公開し、更新の担当と時期を決める

    置き場所を1か所に決めて公開し、管理担当と次の見直し日を書きます。業務やシステムが変わったときに誰が直すかも、この時点で決めます。

候補の業務を入力し、頻度・できる人の数・ミスの影響などを選ぶと、マニュアル化する順番と、業務の種類に合った形式の目安が出ます。例として架空の3業務が入っています。

マニュアル化する順番

  1. A

    新規取引先の登録

    11点・今すぐマニュアル化

    形式の目安:画像付きの手順書。操作が10手順を超えるなら、短い画面録画を添える

  2. B

    料金に関する問い合わせへの回答

    7点・次の候補

    形式の目安:文章のマニュアル+判断分岐の表+よくある質問(FAQ)

    手順が近いうちに変わるため、先に変更後の手順を決めてから作ります。それまでは注意点だけを1枚にまとめます。

  3. C

    展示会ブースの設営

    5点・チェックリストで十分/後回し

    形式の目安:動画マニュアル+手元で見るチェックリスト

表としてコピー(Markdown)

| 優先度 | 点数 | 業務 | マニュアルの形式(目安) |
| --- | --- | --- | --- |
| A 今すぐマニュアル化 | 11 | 新規取引先の登録 | 画像付きの手順書。操作が10手順を超えるなら、短い画面録画を添える |
| B 次の候補 | 7 | 料金に関する問い合わせへの回答 | 文章のマニュアル+判断分岐の表+よくある質問(FAQ)(手順が固まってから作成) |
| C チェックリストで十分/後回し | 5 | 展示会ブースの設営 | 動画マニュアル+手元で見るチェックリスト |

点数は 頻度+できる人の数+影響+引き継ぎ予定+変わりやすさ の合計(最大11点)で、9点以上をA、6点以上をBとしています。区切りはこのページの説明用の目安です。入力内容はどこにも送信されません。

業務の棚卸しシート(Excel・無料)

部署の業務を一覧にして、同じ基準で点数・優先度・形式の目安が自動で入るExcelです。登録不要でダウンロードできます。

構成の枠は、どの業務でも大きくは変わりません。枠を先にそろえておくと、書く人が変わっても読む人が迷いません。

業務マニュアルの基本の構成
項目書くこと書き方のコツ
目的この業務が何のためにあるか1〜2文。目的が分かると、例外のときに判断できる
対象者・前提誰が読むか、必要な権限や準備「入社1か月目の担当者」など、読む人の知識の程度を書く
全体の流れ業務の始まりから終わりまで5〜7個の箱と矢印の図にする
手順作業の順番1手順1動作。文末は「〜する」。完了の状態を添える
判断基準・分岐条件によって変わる対応「〇〇の場合は△△する」の表にして、手順の中に混ぜない
注意点よくある失敗、やってはいけないこと理由を1行添える。理由のない禁止は守られない
問い合わせ先・関連文書困ったときの相談先、関連する手順書個人名だけでなく、役割も書く
改訂履歴版、日付、変更内容、変更者最新版がどれか、何が変わったかが分かるようにする

書き方のルール

  • 主語と動詞をはっきり書きます。「確認をお願いします」ではなく「担当者が依頼書の承認欄を確認する」と書きます。
  • 1つの文に1つの動作。「開いて、入力して、保存する」は3つの手順に分けます。
  • 「適宜」「なるべく」「しっかり」など、人によって解釈が変わる言葉は使わず、数字や状態で書きます。
  • 画面操作は、ボタン名を画面の表示どおりに「」で囲み、該当箇所に印を付けた画像を添えます。
  • 専門用語や社内の略語は、最初に出てくる箇所で説明するか、用語集にまとめます。

動画は動きを伝えるのが得意で、文章は探す・直すのが得意です。どちらか一方に決めるより、業務の性質で組み合わせるほうが実用的です。

動画マニュアルと文章マニュアルの比較
観点動画マニュアル文章マニュアル(画像付き)
向いている業務手作業、機器の操作、力加減や手つきが大事な作業画面操作、判断の多い業務、書類の処理
作る手間撮影は短時間でできるが、編集に時間がかかる書く時間がかかる。録音から下書きを作ると短くなる
更新のしやすさ一部が変わっても撮り直しになりやすい変わった箇所だけ書き直せる
探しやすさ中身を検索しにくい。章立てと字幕で補う検索しやすく、必要な箇所だけ読める
見る場面初めて作業を覚えるとき作業中に手元で確かめるとき

動画マニュアルを作るときのコツ

  • 動画は1本1テーマにして、数分に収めます。長い作業は章に分け、目次から飛べるようにします。
  • 冒頭で完成した状態を見せると、見る人がゴールを理解したうえで手順を追えます。
  • 字幕を付けると、音を出せない職場でも見られ、話している内容を検索できるようになります。Klangで動画を文字起こしすれば、SRT・VTT形式の字幕ファイルとして書き出せます。
  • 動画と一緒に、手順を1枚にまとめたチェックリストを置くと、2回目以降は動画を見直さずに済みます。

ベテランの担当者ほど、自分の作業を文章にするのに時間がかかります。書いてもらうのではなく、作業しながら話してもらい、その録音を文字起こししてAIチャットで手順に整えると、担当者の時間をほとんど使わずに下書きができます。

  1. 01

    作業しながら説明してもらい、録音する

    オンラインなら画面を共有してもらい、Klangの会議ボットを参加させて録音します。対面ならスマートフォンのアプリで録音します。「なぜそうするのか」「間違えやすいところはどこか」を、聞き手が途中で質問するのがコツです。

  2. 02

    文字起こしを確認する

    システム名や社内用語が正しく文字になっているかを確かめます。文字起こしの文をクリックすると、その時点の音声を再生できます。

  3. 03

    AIチャットで手順の下書きにする

    下の指示文をAIチャットに貼り付けます。手順・判断分岐・注意点・要確認に分かれた下書きができ、各項目に根拠の時刻が付きます。

  4. 04

    担当者に「要確認」を聞いて清書する

    説明が飛んでいる箇所は、担当者に確認して埋めます。画面の画像を撮り、手順書のテンプレートに清書して、使う人のレビューに回します。

文字起こし(抜粋)

  1. 00:12高橋まず依頼書を見て、課長のハンコか電子承認が入ってるか確認します。ないものは受けないで、営業に返してください。
  2. 00:31佐々木急ぎって言われてもですか?
  3. 00:34高橋はい、急ぎでも。そこは例外なしです。
  4. 00:41高橋で、取引先マスタを開いて、法人番号で検索。もう登録されてることがけっこうあるので。
  5. 01:02高橋出てきたら新規登録はしないで、そのコードを依頼書に書いて返します。
  6. 01:15高橋なければ新規登録を押して、正式名称を……あ、株式会社が前か後ろか、ここ間違えやすいです。
  7. 01:48高橋支払条件は一覧から選びます。一覧にないのが来たら、課長に聞いてください。適当に近いのを選ぶと請求でずれるので。

AIチャットで作った下書き

  1. 1依頼書に課長の押印または電子承認があるかを確認する00:12
  2. 2取引先マスタを開き、法人番号で検索する00:41
  3. 3「新規登録」を押し、正式名称を入力する01:15
  4. 4支払条件を一覧から選ぶ01:48
  • 判断分岐検索で既存の取引先が出たら、新規登録せずコードを依頼書に書いて返す(01:02)
  • 判断分岐支払条件が一覧にないときは課長に相談する(01:48)
  • 注意承認のない依頼書は、急ぎでも受けない(00:34)
  • 注意「株式会社」の位置(前株・後株)を間違えやすい(01:15)
  • 要確認保存のあと、依頼書をどこに保管するかの説明がない → 高橋さんに確認
架空の例です。経理担当の高橋さんが、新しく担当になる佐々木さんに画面を見せながら説明した会話を録音し、下の指示文で手順書の下書きにしました。説明されていない箇所は「要確認」として残るので、本人に確かめてから清書します。清書した手順書は手順書テンプレートの記入例で見られます。
  • 説明の録音から、マニュアルの下書きを作る

    担当者が業務を説明・実演した録音の文字起こしを開き、AIチャットに貼り付けます。

    この文字起こしは、担当者が業務のやり方を説明しながら実演した記録です。次の形でマニュアルの下書きを作ってください。
    1. 目的と対象者(話されていなければ「要確認」)
    2. 準備するもの・前提条件
    3. 手順:1つの手順に1つの動作。文末は「〜する」。各手順に、終わったと分かる状態を添える
    4. 判断分岐:「〇〇の場合は△△する」の形で、手順とは別の表にする
    5. 注意点:話し手が「間違えやすい」「必ず」などと強調した箇所
    6. 要確認:説明が曖昧な箇所や、手順が飛んでいる箇所を、本人への質問の形で
    話されていないことを補って書かないでください。各手順と注意点には、根拠になった発言の時刻を付けてください。
  • 動画マニュアルの章立てを作る

    作業を撮影した動画をアップロードし、文字起こしができたら使います。

    この文字起こしは、作業を撮影した動画の音声です。動画マニュアルの章(チャプター)を作ってください。
    各章に、開始時刻、見出し(20文字以内)、その章で見せている作業を1行で付けてください。
    1つの章が3分を超える場合は、区切りのよいところで分けてください。
  • 担当者ごとのやり方の違いを洗い出す

    同じ業務を複数の担当者が説明した録音を、1つのノートブックにまとめて使います。

    このノートブックには、同じ業務を別々の担当者が説明した録音が入っています。
    手順ごとに、担当者によってやり方が違う箇所を表にしてください。列は「手順」「担当者ごとのやり方」「違いによって起こりうる問題」です。
    どの録音の何分ごろの発言かを、それぞれ付けてください。

AIの下書きは、録音で話された内容しか材料にしていません。話されなかった手順や、担当者が当たり前だと思って省いた確認は、下書きにも入りません。「要確認」の一覧を必ず担当者に戻し、レビューで使う人に試してもらってから公開してください。

マニュアル作成ツールは、大きく5種類に分かれます。製品ごとの機能や料金は変わりやすいため、ここでは種類ごとの向き不向きを整理します。導入前に、各製品の公式情報で最新の内容を確かめてください。

選ぶ順番は、「どこに置けば全員が見るか」が先、「どう作るか」が後です。すでに全社で使っているWikiや共有フォルダがあるなら、そこを置き場所にし、作る工程を軽くする道具を組み合わせるほうが定着します。

マニュアル作成ツールの種類と向き不向き
種類向いている使い方強み注意点
Word・Excel・PowerPoint少数の手順書、印刷して使うマニュアル追加の費用がかからず、誰でも編集できるファイルが増えると最新版が分からなくなる。検索しにくい
社内Wiki・ドキュメント共有ツール部署をまたいで多くのマニュアルを置くリンクでつなげられ、検索しやすい。更新履歴が残る構成のルールがないと、ページが散らかる
マニュアル作成専用ツール画面操作のマニュアルを大量に作り、配布・管理する画像の加工、テンプレート、閲覧の管理などをまとめて使えるものが多い製品によって機能が大きく違う。社外への持ち出しの扱いを確認する
画面録画・動画作成ツール動画マニュアル、操作の説明作業をそのまま見せられる編集と更新に手間がかかる。検索しにくい
録音・文字起こし+AI(Klangなど)担当者の説明からマニュアルの下書きを作る話すだけで材料がそろい、発言の時刻まで戻って確かめられる下書きを作る道具で、マニュアルの置き場所ではない。画像は別に用意する

作ったマニュアルが使われなくなる原因は、内容より運用にあることがほとんどです。公開する前に、次の4つを決めておきます。

  • 管理担当を1人決める

    「部署で管理」では誰も直しません。マニュアルごとに管理担当の名前を書き、異動のときに引き継ぎます。

  • 見直し日を書く

    半年や1年ごとの見直し日を表紙に書き、過ぎたものを一覧で確認します。手順書テンプレートのExcelには、見直し日を過ぎると赤くなる管理台帳があります。

  • 変更のきっかけを決める

    システムの更新、組織変更、ミスや問い合わせの発生。このいずれかが起きたら、該当するマニュアルを見直すと決めておきます。

  • 使う人が直せる窓口を作る

    「ここが違う」と気づいた人が、コメントやフォームで管理担当に伝えられるようにします。直した内容は改訂履歴に残します。

Klangは、業務の説明や引き継ぎの会話を録音して文字起こしし、AIチャットで手順の下書きに整えられます。文字起こし・要約・AIチャットはフリープランから使えます。

  • オンラインの説明は会議ボット、対面はモバイルアプリ、撮影した動画はアップロードで、すべて文字起こしになります
  • 文字起こしの文をクリックすると、その時点の音声を再生できます。下書きの根拠をすぐ確かめられます
  • 動画の文字起こしは、Word・TXT・SRT・VTTなどで書き出せます。話者の自動識別はプロプランの機能です
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マニュアル作成は何から始めればよいですか?

部署の業務を1行ずつ書き出す「棚卸し」から始めます。そのうえで、頻度が高い、できる人が1人だけ、ミスの影響が大きい、近く担当が変わる、といった業務から優先してマニュアル化します。

業務マニュアルと手順書の違いは何ですか?

業務マニュアルは、業務の目的、全体の流れ、判断基準など、業務全体を説明する文書です。手順書は、そのなかの1つの作業について、操作の順番と確認ポイントを書いたものです。業務マニュアルから、関連する手順書を参照する形にすると整理しやすくなります。

動画マニュアルと文章のマニュアルはどちらがよいですか?

手作業や機器の操作など、動きを見せたい業務は動画、画面操作や判断の多い業務は画像付きの文章が向いています。動画は検索や部分的な更新がしにくいため、章立てと字幕を付け、手順をまとめたチェックリストを添えると使いやすくなります。

マニュアル作成を効率化する方法はありますか?

担当者に書いてもらうのではなく、作業しながら説明してもらい、その録音を文字起こしして下書きにする方法があります。Klangでは、文字起こしをもとにAIチャットで手順・判断分岐・注意点に分けた下書きを作れます。話されていない内容は入らないため、担当者の確認と、使う人のレビューを経てから公開してください。

マニュアル作成ツールは必要ですか?

数が少ないうちは、WordやExcel、社内Wikiで十分です。マニュアルが増えて最新版が分からなくなった、画面操作のマニュアルを大量に作る必要がある、といった課題が出てから専用ツールを検討すると、必要な機能を見極めやすくなります。

クレジットカードは不要です。数分でお使いいただけます。