録音する前・受け渡す前に
音声ファイル形式の違い。WAV・MP3・M4A・MP4の比較と容量
録音の原本を残し、編集するコピーと共有するファイルを選びます。形式の名前だけで音質や容量を決めず、実際の設定と提出先を確認してください。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
音声ファイル形式の一覧:WAV・MP3・M4A・MP4の違い
容量は、表に書いたビットレートや周波数で1時間録った場合の計算値です。同じ形式でも、録音の設定で容量は変わります。
| 形式(拡張子) | 圧縮 | 1時間の容量の目安 | よくある録音元・用途 | 文字起こし |
|---|---|---|---|---|
| WAV(.wav) | 圧縮しない(リニアPCMの場合) | 約635MB(44.1kHz・16bit・ステレオ)、約346MB(48kHz・16bit・モノラル) | ICレコーダーのリニアPCMモード、編集・保管用の原本 | そのまま使える。容量が大きく、アップロードに時間がかかる |
| MP3(.mp3) | 非可逆圧縮 | 約58MB(128kbps)、約29MB(64kbps) | ICレコーダーのMP3モード、メールやチャットでの受け渡し | そのまま使える。再圧縮を繰り返さない |
| M4A(.m4a) | 中身は多くがAAC(非可逆圧縮)。ALAC(可逆圧縮)の場合もある | 約58MB(AAC 128kbps) | スマートフォンの録音アプリ、動画から書き出した音声 | そのまま使える。WAVに変換しても音質は上がらない |
| MP4(.mp4) | 映像と音声をまとめる入れ物。音声はAACが多い | 映像の画質しだい。映像1.5Mbps+音声128kbpsなら約733MB | スマートフォンやカメラの動画、会議の録画 | 動画のまま使える。音声を抜き出す必要はない |
| その他(.aac・.ogg・.opus・.wma・.aiff) | AAC・Ogg・Opus・WMAは非可逆圧縮、AIFFは非圧縮が多い | 設定しだい | 録音アプリやソフトの既定の保存形式 | Klangはこの5形式もそのままアップロードできる |
WAV・MP3・M4Aは、同じ軸の名前ではない
拡張子は入れ物や形式の手掛かりです。M4AやWAVの名前だけでは、内部の圧縮方式や録音条件まで確定できません。
| 形式 | 確認する中身 | 判断する場面 |
|---|---|---|
| WAV | PCMの場合はサンプリング周波数・ビット数・チャンネル数。WAVにはPCM以外も入る | 編集・保管用にPCMを選ぶなら、容量と提出先の指定を確認 |
| MP3 | 音声を圧縮する形式。平均ビットレートや可変・固定の設定 | 相手が再生できるか、容量制限に収まるか。再圧縮を繰り返さない |
| M4A | MPEG-4系の音声用ファイル。AACなどのコーデックを情報画面で確認 | 録音アプリの原本をそのまま扱えるなら、不必要な変換を避ける |
音質は形式だけでなく、マイクとの距離、雑音、収録設定にも左右されます。形式を変えても、元から聞こえない発言が復元されるわけではありません。
相手の環境でM4Aが再生できないときはM4AをMP3に変換するツール、メールなどの容量制限に収まらないときはビットレートを下げて音声を圧縮するツールを使えます。どちらもファイルをブラウザの中で処理し、元のファイルはそのまま残ります。
M4AとWAVの違い:変換しても音質は上がらない
M4AとWAVの違いは圧縮の有無です。M4Aは多くがAACで圧縮した音声で、1時間で約58MB(128kbps)です。WAVは無圧縮のPCMが多く、同じ1時間で約635MB(44.1kHz・16bit・ステレオ)になります。
会話の聞き取りや文字起こしでは、128kbps程度のAACで多くの場合足ります。スマートフォンで録ったM4AをWAVに変換しても、容量が約11倍になるだけで音質は上がりません。WAVを選ぶのは、編集ソフトがPCMを求めるとき、提出先がWAVを指定しているとき、原音をそのまま保管したいときです。
MP4とWAVの違い:動画ファイルと音声ファイル
MP4は動画の形式で、WAVは音声だけの形式です。MP4は映像・音声・字幕などを1つにまとめる入れ物(コンテナ)で、音声は多くの場合AACで圧縮されています。WAVは音声だけを、多くはリニアPCMのまま無圧縮で記録します。
動画から音声だけが欲しいときに、MP4をWAVへ変換すると、映像がなくなる代わりに音声は無圧縮に展開されます。元のAACで失われた情報は戻らないため、音質は上がりません。文字起こしや議事録が目的なら、MP4のまま扱えるツールを使えば変換の手間がなくなります。
録画したMP4をテキストにしたい場合は、動画の文字起こし(MP4・MOVをアップロードするだけ)から始められます。
PCM録音(リニアPCM)とは:ICレコーダーの録音モードの選び方
ICレコーダーの設定に出てくる「リニアPCM」は、音を圧縮せずに数値として記録する方式です。多くの機種ではWAVファイルとして保存されます。MP3モードとの違いは、音質よりも容量と用途にあります。
| 項目 | リニアPCM(WAV) | MP3 |
|---|---|---|
| 記録のしかた | 圧縮しない | 聞こえにくい成分を削って圧縮 |
| 1時間の容量の目安 | 44.1kHz・16bit・ステレオで約635MB | 128kbpsで約58MB |
| 編集・加工 | 劣化させずに編集しやすい | 編集して書き出し直すたびに再圧縮される |
| 向いている用途 | 原音を保管する、あとで編集する、小さな声まで拾いたい | 会議の記録、長時間の録音、受け渡し |
| 文字起こし | そのまま使える。容量が大きくアップロードに時間がかかる | 高音質のモードなら会議の文字起こしには十分 |
迷ったら、会議の記録はMP3の高音質モード、取材や証拠として残す録音はリニアPCMを選びます。どちらでも、結果を大きく左右するのはマイクと話者の距離です。録音時間から容量を見積もるときは、下の計算ツールにサンプリング周波数・ビット数・チャンネル数を入れてください。形式ごとの文字起こしの手順はwavの文字起こしとmp3の文字起こしにまとめています。
原本・作業用・提出用を分けて決める
まず録音した原本をそのまま保管します。編集するならコピーを作り、使うソフトが扱える形式を選びます。提出先が形式を指定していれば、その条件に合わせた提出用のコピーを作ります。
MP3をWAVへ変換するのは、編集ソフトがPCMを要求するときなどの互換性のためです。容量が増えても、圧縮で失われた情報が戻るわけではありません。拡張子を .wav に書き換えるだけでは変換になりません。
左右に別の話者を録った原本を、容量だけを理由にモノラルへ混ぜると確認の手掛かりが変わります。小さくする前に各チャンネルを聞き、必要な情報を残せるか確認します。左右のチャンネルと人物の同一性は別に確認してください。
録音原本はM4A、編集者が求める提出形式はWAVという架空の条件です。原本を保管 → 編集者に必要なコーデック・周波数・チャンネルを確認 → コピーを書き出す → 両方の長さと冒頭・末尾を聞き比べる、の順で進めます。「WAVにしたから高音質になった」とは扱いません。
録音時間と設定から容量を計算する
既定の例:48,000 Hz・16 bit・2チャンネルのPCMを60分録ると、音声データは691.2 MBです。
WAV全体ではなく、指定したPCM音声データの容量を計算します。圧縮音声は平均ビットレートが分かる場合の概算です。ヘッダー・画像・可変ビットレートの差は含みません。
手元のファイルのサイズと長さを確認する
アップロード・保存はしません。ブラウザーのメタデータ読み込みだけを使います。MIMEタイプは実際のコーデックを保証せず、チャンネル数・音質・Klangでの対応可否は判定しません。動画の映像・音声を再生せずに情報を確認します。
録音条件を、受け取る人に渡す
空欄は分からないままにせず「未確認」と残します。CSVには架空の記入例と、次の録音に使う空欄を用意しました。
| 項目 | 記入すること |
|---|---|
| 原本と作業用 | 原本名、作業用コピー名、録音日時、録音アプリ |
| 実際の設定 | コーデック・周波数・ビット数・チャンネル数と確認方法 |
| 処理の履歴 | 抽出・圧縮・分割・無音削除などの実施有無 |
| 受け渡しの条件 | 提出形式、必要なチャンネル、長さ、確認者 |
準備した音声を、文字起こしへ
- M4A・MP3・WAVの文字起こし方法
- m4a(iPhoneボイスメモ・Zoomの音声)を文字起こしする
- mp3(ICレコーダー・共有された音声)を文字起こしする
- wav(リニアPCM)を文字起こしする
- mp4・movの動画を文字起こしする
- LINEのボイスメッセージを保存して文字起こしする
- 動画から音声を取り出す必要がある場合
- 長い音声を分割する場合
形式・コーデックの参照:MDN音声コーデックガイド。ローカル情報取得:メディアのduration。2026年10月15日確認。
よくある質問
音声データ(音声ファイル)とは何ですか?
録音した音を数値として記録したファイルのことです。WAV・MP3・M4Aなどの形式があり、拡張子で見分けます。形式によって、圧縮するかどうか、容量、再生できる機器が変わります。
M4AとWAVはどちらが音質がよいですか?
無圧縮のWAVのほうが情報量は多く、容量は約11倍になります。ただし会話の録音では、128kbps程度のM4A(AAC)でも、多くの場合は聞き取りや文字起こしに足ります。M4AをWAVに変換しても、音質は元のM4Aより上がりません。
MP3とMP4の違いは何ですか?
MP3は音声だけを圧縮する形式で、MP4は映像と音声をまとめる動画の形式です。名前は似ていますが、別の規格です。MP4から音声だけを取り出すと、多くの場合AACの音声(M4A)になります。
拡張子を書き換えれば、別の形式に変換できますか?
できません。拡張子は形式の目印にすぎず、.m4a を .mp3 に書き換えても中身はAACのままです。変換には、MP3変換ツールや音声編集ソフトで書き出し直す必要があります。
文字起こしにはどの音声ファイル形式がよいですか?
形式よりも、マイクと話者の距離や雑音のほうが結果を左右します。Klangは、mp3・wav・m4a・aac・ogg・opus・aiff・wmaの音声と、mp4・mov・webm・avi・mkvの動画を変換せずにアップロードでき、フリープランでも文字起こしは無制限です。