ナレッジベース
ナレッジベースとは。社内Wiki・FAQとの違いと作り方
社内ナレッジベースの意味と、社内Wiki・社内FAQとの違い、入れるべき情報、カテゴリと記事のひな形、古くならない運用ルールまでを解説します。質問と回答を貼り付けると社内FAQの形に整えるツールと、会議や説明会の録音からFAQの候補を集める方法つき。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
ナレッジベース・社内Wiki・社内FAQの違い
3つは対立するものではなく、ナレッジベースという置き場所を、Wikiという書き方で作り、その中にFAQという形式の記事を置く、という関係で使われることがほとんどです。
| 何を指すか | 得意なこと | 苦手なこと | |
|---|---|---|---|
| ナレッジベース | 業務知識を集めて検索できるようにした置き場所(考え方・仕組み) | 形式の違う知識をまとめて探せる | 運用のルールがないと、何でも入れる倉庫になる |
| 社内Wiki | 誰でも書いて編集でき、ページ同士をリンクでつなげる作り方・ツール | 多くの人で少しずつ書き足せる。履歴が残る | 書く人によって形がばらばらになりやすい |
| 社内FAQ | 質問と回答を1組にした記事の形式 | 短い答えをすぐ見つけられる。問い合わせが減る | 手順や判断の背景など、長い説明には向かない |
| 共有フォルダ | ファイルを置く場所 | 既存のWord・Excelをそのまま置ける | ファイルの中身まで検索しにくい。最新版が分かりにくい |
社内ナレッジベースに入れる情報
「ナレッジ」と呼ぶと範囲が広がりすぎます。最初は、次の6種類から、自分たちが困っているものだけを選びます。
よくある質問(FAQ)
総務・経理・情報システムなどに繰り返し来る質問と、その回答。最初に作ると、効果がいちばん分かりやすい種類です。
手順書・マニュアル
システムの操作や書類の処理など、決まった順番がある作業。FAQの回答から手順書へリンクします。
判断の基準
値引きはどこまで担当者が決めてよいか、など。判断の理由まで書くと、例外のときにも使えます。
過去の事例・トラブル対応
起きたこと、原因、対応、再発防止策。似た事例が起きたときに、最初の対応が速くなります。
決定事項と経緯
会議で決まったことと、なぜそう決めたか。議事録へのリンクを残すと、あとから経緯をたどれます。
用語集・窓口の一覧
社内の略語、システム名、問い合わせ先。新しく入った人が最初に開くページになります。
ナレッジベースの作り方:構成と記事のひな形
最初から完璧な分類を作ろうとすると、記事を書く前に止まります。質問を集め、少ないカテゴリで始め、記事の形をそろえることを優先します。
- 01
聞かれている質問を集める
チャットの問い合わせ、メール、説明会の質疑応答から、実際に聞かれた質問を集めます。会議や説明会を録音していれば、文字起こしから質問を抜き出せます。
- 02
カテゴリは7つ前後から始める
「経費精算」「勤怠」「ITツール」のように、使う人が探すときの言葉で分けます。部署名で分けると、利用者はどこに何があるか分かりません。
- 03
記事のひな形をそろえる
タイトルは質問の形、最初の1文で答え、詳しい手順はリンク。担当者と見直し日は全記事の同じ位置に置きます。下のひな形をコピーして使えます。
- 04
置き場所を1か所に決めて知らせる
「まずナレッジベースを検索し、なければ質問する」と決め、質問されたら記事のリンクで答えます。回答した内容は、その日のうちに記事にします。
記事のひな形(コピー用)
# (質問の形のタイトル。例:領収書をなくしたときは?) - 対象:(全社員/〇〇部の担当者) - 結論:(2〜3文で。最初の1文で答える) - 手順・詳細:(手順書やマニュアルへのリンク) - 例外・注意:(当てはまらない場合と、その対応) - 根拠:(規程の条番号、決めた会議の日付と時刻) - 担当:(名前)/最終確認日:(日付)/次回見直し日:(日付) - 状態:現行/見直し中/廃止(後継の記事へのリンク)
Markdownで書いているため、多くの社内Wikiやドキュメントツールにそのまま貼り付けられます。「担当」「最終確認日」「状態」は、すべての記事で同じ位置に置きます。
社内FAQを作る:質問と回答を貼り付けて整える
メモやチャット、会議の文字起こしから集めた質問と回答を貼り付けると、カテゴリごとのFAQの形に整え、Markdownと開閉式のHTMLで書き出します。回答の抜け、重複、長すぎる回答もその場で指摘します。
「Q:」「A:」(「質問:」「回答:」も可)で始まる行を1組として読み取ります。「#」で始まる行はカテゴリ名になります。改行した続きの行は、直前の質問または回答につながります。
プレビュー2カテゴリ・4問
経費精算
Q. 交通費の精算はいつまでに申請すればよいですか?
利用した月の翌月5営業日までに、経費精算システムで申請します。 締め切りを過ぎた場合は、上長の承認コメントを付けて申請します。
Q. 領収書をなくした場合はどうすればよいですか?
「支払証明書」を作成し、上長の承認を得てから申請します。
在宅勤務
Q. 在宅勤務の申請は何日前までに必要ですか?
前日の17時までに、勤怠システムで申請します。
Q. 自宅のWi-Fiが使えないときは?
(回答を確認中)
- ・Q4:回答がありません(担当者に確認して埋めます)
Markdown(Wiki・Notionなど)
## 経費精算 ### Q. 交通費の精算はいつまでに申請すればよいですか? 利用した月の翌月5営業日までに、経費精算システムで申請します。 締め切りを過ぎた場合は、上長の承認コメントを付けて申請します。 ### Q. 領収書をなくした場合はどうすればよいですか? 「支払証明書」を作成し、上長の承認を得てから申請します。 ## 在宅勤務 ### Q. 在宅勤務の申請は何日前までに必要ですか? 前日の17時までに、勤怠システムで申請します。 ### Q. 自宅のWi-Fiが使えないときは? (回答を確認中)
HTML(社内ポータル・CMS)
<section class="faq">
<h2>経費精算</h2>
<details>
<summary>Q. 交通費の精算はいつまでに申請すればよいですか?</summary>
<p>利用した月の翌月5営業日までに、経費精算システムで申請します。<br>締め切りを過ぎた場合は、上長の承認コメントを付けて申請します。</p>
</details>
<details>
<summary>Q. 領収書をなくした場合はどうすればよいですか?</summary>
<p>「支払証明書」を作成し、上長の承認を得てから申請します。</p>
</details>
</section>
<section class="faq">
<h2>在宅勤務</h2>
<details>
<summary>Q. 在宅勤務の申請は何日前までに必要ですか?</summary>
<p>前日の17時までに、勤怠システムで申請します。</p>
</details>
<details>
<summary>Q. 自宅のWi-Fiが使えないときは?</summary>
<p>(回答を確認中)</p>
</details>
</section>例は架空の社内FAQです。HTMLは開閉式の<details>で書き出します。入力内容はどこにも送信されません。
ナレッジベースが古くなり、使われなくなる理由
使われなくなるナレッジベースには、共通の流れがあります。古い記事に一度だまされた人は、次から検索せずに人に聞くようになり、記事を直す人もいなくなります。
| 理由 | 起きていること | 対策 |
|---|---|---|
| 記事の担当が決まっていない | 業務が変わっても、誰も記事を直さない | 記事ごとに担当者の名前を書く。異動のときは引き継ぎの項目に入れる |
| 古いか新しいか分からない | 読んだ人が、記事を信用してよいか判断できない | 最終確認日と状態(現行・見直し中・廃止)を、全記事の冒頭に表示する |
| 書く手間が大きい | 忙しい人ほど書かず、知識が特定の人に残る | 質問に答えたチャットや、説明した会議の録音を材料にして、書く作業を軽くする |
| 探しても見つからない | タイトルが社内の正式名称で、利用者の言葉と合っていない | タイトルを質問の形にする。よく使われる言い換えを本文に入れる |
| 置き場所が分かれている | Wiki、共有フォルダ、チャットの固定メッセージに同じ情報がある | 正式な置き場所を1つに決め、ほかの場所からはリンクだけにする |
運用ルール:担当・見直し日・廃止の決め方
運用のルールは、少ないほど守られます。最初に決めるのは次の4つです。
記事の担当者
記事ごとに1人。担当者は記事の正しさに責任を持ちますが、すべてを自分で書く必要はありません。
見直しの周期
制度や料金など変わりやすい記事は3か月、手順は半年、用語は1年、のように種類で決めます。見直したら最終確認日を更新します。
廃止の手順
古い記事は消さずに「廃止」と表示し、後継の記事へリンクします。古いリンクから来た人が迷いません。
直してほしいときの窓口
読んだ人が「ここが違う」と担当者に伝えられる方法を決めます。コメント欄、フォーム、チャットのチャンネルなど、すでに使っているもので十分です。
会議や説明会の録音から、ナレッジベースを埋める
社内の知識が最も多く言葉になっているのは、説明会、新人向けのQ&A、引き継ぎ、定例の会議です。録音して文字起こしを残しておけば、記事を書く人は、思い出す代わりに実際の質問と回答から書き始められます。
- 01
質問が出る場を録音する
オンラインの説明会や定例はKlangの会議ボットで、対面の研修や引き継ぎはモバイルアプリで録音します。参加者には、録音してナレッジベースの材料にすることを伝えます。
- 02
ノートブックにまとめて質問する
関係する会議や資料をKlangのノートブックにまとめ、AIチャットで「出た質問と回答」を抜き出します。回答には、根拠になった会議と時刻が示されます。
- 03
FAQ作成ツールで整え、担当者が確認する
抜き出したQ&Aを上のツールに貼り付けて形を整え、記事の担当者が内容を確かめてから、ナレッジベースに載せます。
- 04
定期的に食い違いを確かめる
新しい会議で決まったことと、既存の記事に食い違いがないかを、見直し日に確かめます。
- Klangは、録音の文字起こしと、会議をまたいだ質問・分析のための道具です。ナレッジベースの置き場所そのものではないため、確認した記事は社内Wikiやドキュメントツールに置きます。
- AIチャットの結果は、ノートブックで「ドキュメントとして保存」すると、編集してから書き出したり、チームと共有したりできます。
- 会議レポートをNotionなどへ自動で送るオートメーションや、決まった時刻に複数の会議をまとめて読むスケジュール分析は、プロプランの機能です。
説明会やQ&Aの録音から、FAQの候補を抜き出す
社内説明会、新人向けのQ&A、問い合わせ対応の振り返り会議などをノートブックにまとめて使います。結果は、上のFAQ作成ツールにそのまま貼り付けられます。
このノートブックの会議で、参加者から出た質問と、それに対する回答を抜き出してください。次の形式で書いてください。 Q:(質問を、参加者が使った言葉で) A:(回答を2〜3文で) その場で回答が出なかった質問は、「A:」のあとを空欄にしてください。 最後に、各組がどの会議の何分ごろの発言かを一覧にしてください。
繰り返し聞かれている質問を見つける
数か月分の説明会や定例をまとめたノートブックで使います。記事を書く優先順位の材料になります。
このノートブックの会議で、複数回出ている質問を、出た回数の多い順に並べてください。 各質問に、出た会議の日付と時刻を付けてください。表現が違っても、同じことを聞いている質問は1つにまとめてください。
古くなった記事を見つける
ナレッジベースの記事の本文を貼り付け、最近の会議と食い違いがないかを確かめます。
次の文章は、社内ナレッジベースの記事です。このノートブックの会議で決まった内容と比べて、食い違っている箇所や、会議で変更が決まった箇所を挙げてください。 根拠になった会議の日付と時刻を付けてください。食い違いがない場合は、そう書いてください。 (ここに記事の本文を貼り付ける)
ナレッジベースのツールの選び方
ツールの名前より先に、「書く負担」「探しやすさ」「古い情報の扱い」のどこで困っているかを決めます。製品ごとの機能や料金は変わりやすいため、導入前に各社の公式情報で確かめてください。
| 種類 | 向いている使い方 | 確認しておくこと |
|---|---|---|
| 共有フォルダ+Word・Excel | 少人数。既存の文書をまず集めたい | ファイルの中身まで検索できるか。最新版の見分け方 |
| 社内Wiki・ドキュメントツール | 多くの人で書き足す。記事同士をリンクでつなぐ | 編集履歴、権限の設定、ページのテンプレート機能 |
| FAQ・ヘルプデスク型のツール | 問い合わせ対応と一緒に運用し、FAQを育てる | 問い合わせの記録から記事を作る流れがあるか |
| ナレッジ管理の専用ツール | 記事の承認・見直しを仕組みで回したい | 見直し日の通知、承認の流れ、閲覧の分析 |
| 会議の記録と検索(Klangなど) | 会議・説明会・研修で話された知識を材料にする | 置き場所のツールへどう送るか。文字起こしの扱いと権限 |
話した知識を、ナレッジベースの材料に変える
Klangは、説明会や引き継ぎ、定例の会議を録音して文字起こしし、複数の会議をまたいで質問できるようにします。FAQの候補や記事の下書きを、実際の発言から作れます。
- 文字起こし・AI要約・AIチャットはフリープランから使えます
- ノートブックには、会議の文字起こし、音声・動画、PDFやWordの文書、Webページ、貼り付けたテキストをまとめられ、答えには根拠の資料と時刻が示されます
- フォルダは管理者・編集者・閲覧者の権限で共有できます。お客様のデータがAIの学習に使われることはありません
よくある質問
ナレッジベースとは何ですか?
業務に必要な知識(よくある質問と回答、手順書、判断の基準、過去の事例、用語など)を1か所に集め、必要な人が検索して見つけられるようにした情報の置き場所です。社内向けのものを社内ナレッジベースと呼びます。
ナレッジベースと社内Wikiの違いは何ですか?
ナレッジベースは知識を集めて探せるようにする置き場所や仕組みのことで、社内Wikiは、誰でも書いて編集でき、ページをリンクでつなげる作り方やツールのことです。社内Wikiを使ってナレッジベースを作る、という関係で使われることが多くあります。
社内FAQはどう作ればよいですか?
チャットやメール、説明会で実際に聞かれた質問を集め、タイトルを質問の形にし、最初の1文で答えます。詳しい手順は手順書へリンクし、記事ごとに担当者と最終確認日を書きます。このページのFAQ作成ツールに質問と回答を貼り付けると、MarkdownやHTMLの形に整えられます。
ナレッジベースが使われなくなるのはなぜですか?
記事の担当が決まっていない、古いか新しいか分からない、書く手間が大きい、探しても見つからない、置き場所が分かれている、といった理由が重なるためです。担当者と見直し日を決め、質問の形のタイトルにし、置き場所を1つにすることが対策になります。
会議の録音をナレッジベースに使えますか?
使えます。Klangで説明会や引き継ぎの会議を録音・文字起こしし、ノートブックにまとめてAIチャットで質問と回答を抜き出すと、FAQの候補を実際の発言から作れます。回答には根拠の会議と時刻が示されるため、担当者が確認してから記事にしてください。