メインコンテンツへスキップ

退職の引き継ぎ

退職の引き継ぎ。残りの出社日で、判断の理由まで残す。

退職の申し出から最終出社日までに、何をどの順で引き継ぐかをまとめました。法律上の期間と、実際に使える出社日の数え方、後任がいないときに上長へ引き継ぐ手順、引き継ぎ面談の録音を判断基準の記録にする例を載せています。

引き継ぎ面談から判断基準の一覧を作るフリープランは文字起こし無制限・月額¥0・クレジットカード不要。

更新日:執筆・運営:

民法第627条第1項は、雇用の期間を定めなかったときは「いつでも解約の申入れをすることができる」とし、雇用は「解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。この条文が決めているのは退職の時期で、引き継ぎの中身までは定めていません。

実際の引き継ぎ期間は、退職日ではなく最終出社日から数えます。退職日までに有給休暇を消化する場合、引き継ぎに使えるのはその前の出社日だけです。就業規則に申し出の期限が書かれていることもあるため、申し出の前に確認しておきます。

出社日の数が決まったら、引き継ぐ範囲を先に決めます。全部を引き継ごうとして手順書の清書に時間を使い、判断の理由を話す時間がなくなるのが、退職の引き継ぎでよくある失敗です。

残りの出社日数で決める、引き継ぎの優先順位
残りの出社日先にやること録音する面談後に回してよいこと
5日以下期限のある業務の一覧と、各業務の受け手を決める全業務をまとめて話す面談を1回(60分程度)手順書の清書、資料の整理
6〜10日進行中の案件の状態、取引先への後任・窓口の連絡重要な業務ごとに2〜3回頻度の低い業務の手順書
11〜20日判断の基準と例外、受け手が一度自分で処理して確認を受ける業務ごとに1回ずつ(30〜60分)年に1回の業務の細かい手順
21日以上年に1回の業務の説明、手順書の更新、関係者への挨拶業務ごと+年間の行事をまとめた回—

経理部の主任が10月30日(金)に退職を申し出て、11月30日(月)付で退職する架空の例です。最後の5営業日(11月23日の祝日を除く24日〜30日)は有給休暇を消化するため、最終出社日は11月20日(金)になりました。11月3日の祝日を除くと、出社日は申し出の日を含めて15日です。

  1. 01

    10月30日(申し出の日):最終出社日と受け手を確認する

    上長と、退職日、最終出社日、有給休暇の扱いを確認します。後任が決まっていないことがわかり、受け手は経理課長になりました。

  2. 02

    11月2日〜6日:業務を書き出し、面談の日程を先に押さえる

    業務を一覧にして、面談で話す業務を決めます。最終週は挨拶と事務手続きで埋まるため、面談は2週目までに入れます。

  3. 03

    11月5日〜13日:業務ごとの引き継ぎ面談を録音する

    支払処理、月次決算、取引先の請求の確認など、業務ごとに課長と30〜60分の面談を行い、すべて録音します。

  4. 04

    11月16日〜19日:取引先への連絡と、権限の整理

    取引先に後任が決まるまでの窓口を連絡します。システムの権限、共有フォルダ、個人のメールボックスに残っているファイルの移し先を決めます。

  5. 05

    11月20日(最終出社日):記録のフォルダを上長に渡す

    面談の記録を入れたフォルダの「管理者」を課長にします。退職者のアカウントが止まっても、記録は会社に残ります。

後任の採用が退職日に間に合わないことは珍しくありません。その場合は上長を受け手にし、業務ごとに次の4つのどれにするかを決めます。決めた結果は、面談の録音と一緒に残します。

面談の記録は、上長が「管理者」を持つフォルダに入れます。Klangのフォルダでは、メンバーの役割を「管理者」「編集」「読み取り」から選べます。後任が決まったら、その人をフォルダに「編集」で加えるだけで、面談の記録をまとめて渡せます。

  • 上長が自分で持つ

    承認や取引先との窓口のように、止められず、判断を伴う業務です。面談では手順より判断の基準を重点的に話します。

  • 止める

    前任者の工夫で続いていた資料や集計のうち、誰も使っていないものです。止めると決めたことを記録に残します。

  • ほかの人や外部に任せる

    入力や定型の処理は、同僚や派遣スタッフ、外部の委託先に移します。手順書と、面談の録音から作った要点を渡します。

  • 後任が決まるまで保留する

    期限に余裕のある改善や検討の案件です。どこまで進んだか、再開するときに最初に何をするかを面談で話します。

上の日程の主任が、11月5日(木)に経理課長と行った「支払処理」の引き継ぎ面談です(架空)。会議室で、スマートフォンのアプリで録音しました。

手順書に書かれているのは「どう処理するか」です。この面談で残ったのは「どこまでなら通すか」「なぜその取引先だけ例外なのか」で、主任が退職すると誰も説明できなくなる部分でした。

面談の記録は、文字起こしと要約のほかに決定事項とタスクの一覧になります。後任が決まったあとは、フォルダの面談記録をまとめて分析に追加し、「D運輸の例外はいつ、なぜ決まった?」のように質問すると、根拠のタイムコードつきで答えが返ります。

引き継ぎ面談「支払処理」(2026年11月5日・48分)出席:経理課長(受け手)、主任(退職予定)。話者名は、プロプランの話者の自動識別で分けた発言に名前を付けた例です。

文字起こし(抜粋)

  1. 03:15主任支払の前倒しの依頼は、原則お断りしています。例外はD運輸だけで、燃料代が高い月は、月末の支払を20日にしています。
  2. 03:48課長それはいつ、誰が決めたの?
  3. 03:55主任2025年の春に、前の課長が決めました。書面はなくて、メールのやり取りだけです。確認1
  4. 17:30主任請求書と発注書の金額の差が1万円以内なら、担当の部署に確認してから払います。1万円を超えたら差し戻しです。確認2
  5. 34:48主任決算月の3月だけは、仮払金の精算を25日で締めます。各部への案内は3月の第1週に出しています。確認3
  6. 41:10課長後任が決まるまで、支払の承認は私、入力は派遣の方にお願いしよう。

Klangが作る下書き

判断の基準
  • 支払の前倒しの依頼は、原則として断る(03:15)
  • 請求書と発注書の差額が1万円以内なら担当部署に確認して支払う。1万円を超えたら差し戻す(17:30)
例外とその理由
  • D運輸のみ、燃料代の高い月は月末払いを20日に前倒し。2025年春に前課長が決定(03:15・03:55)
時期の決まった作業
  • 3月は仮払金の精算を25日で締める。各部への案内は3月第1週(34:48)
後任が決まるまでの分担
  • 支払の承認は経理課長、入力は派遣スタッフ(41:10)

記録にする前に確認すること

  1. 確認103:55 口頭とメールだけの例外です。最終出社日までにメールを探してもらい、記録に添付します。
  2. 確認217:30 「1万円」が社内規程の金額か、本人の運用かを確かめます。運用なら、続けるかどうかを課長が決めます。
  3. 確認334:48 受け手が初めて目にするのは来年の3月です。年間の予定表に書き込み、2月の時点で思い出せるようにします。

高年齢者雇用安定法第9条は、65歳未満の定年を定めている会社に、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止のいずれかで、65歳までの雇用を確保するよう求めています。

継続雇用で残る人からの引き継ぎは、会社から去る人ではなく、役割を降りる人からの引き継ぎです。最終出社日に追われないため、面談を数か月に分けて行えます。

長く担当してきた人の判断の基準は、1回の面談では出尽くしません。月に1回、テーマを決めて録音し、同じフォルダにためていきます。熟練者の技術や勘どころを残す進め方は、技術継承のガイドにまとめています。

退職の理由や職場への意見を聞く面談は、引き継ぎの面談とは目的が違います。引き継ぎの記録と混ぜず、別に扱います。

  • 受け持つ:引き継ぎ面談や会議の録音、文字起こし、要約、決定事項とタスクの一覧
  • 受け持つ:フォルダでの保管と、役割(管理者・編集・読み取り)による受け渡し
  • 受け持つ:分析で複数の面談にまとめて質問し、根拠のタイムコードを示すこと
  • 受け持たない:退職の手続き、引継書の完成、パスワードやアカウントの移行
  • 受け持たない:電話の通話録音(現在、日本では未対応)。録音済みの通話ファイルはアップロードして文字起こしできます

引き継ぎ面談をKlangで録音すると、文字起こしと要約、決定事項とタスクの一覧ができます。記録は上長が管理するフォルダに残り、後任が決まった日に役割を付け替えて渡せます。後任は分析で面談にまとめて質問し、元の発言をタイムコードで確かめられます。

  • フリープランは文字起こし無制限・月額¥0、クレジットカード不要です
  • オンラインの面談は、Zoom・Microsoft Teams・Google Meetに会議ボットを参加させて録音できます
  • 話者の自動識別はプロプランの機能です。会話データをAIの学習に使いません
無料で試す
退職の引き継ぎ期間は、どのくらいが目安ですか。

民法第627条では、期間の定めのない雇用は、退職を申し入れた日から2週間で終了します。実際の引き継ぎには、有給休暇の消化を除いた出社日で数えて、担当業務の量に応じた日数が必要です。出社日が10日を切る場合は、期限のある業務と判断の理由を話す面談に絞ります。

後任がいないまま退職するときは、誰に引き継げばよいですか。

上長を受け手にします。業務ごとに、上長が自分で持つ、止める、ほかの人や外部に任せる、後任が決まるまで保留する、のどれにするかを一緒に決めます。説明は上長との面談で行って録音し、上長が管理するフォルダに残します。

退職するときに引き継ぎをしないことはできますか。

民法第627条は退職の時期を定める条文で、引き継ぎの内容までは定めていません。引き継ぎの扱いは、就業規則や会社の指示を確認してください。トラブルを避けるには、残りの出社日で引き継ぐ範囲を上長と合意し、合意した内容をメールで残しておくと確実です。

定年退職の引き継ぎは、普通の退職と何が違いますか。

高年齢者雇用安定法第9条により、65歳未満の定年を定める会社は、65歳までの雇用を確保する措置を取る必要があります。継続雇用で残る人からは、役割を引き継ぐ形になり、退職後も質問できる期間があります。その期間を使って、判断の理由を数回の面談で残します。

引き継ぎ面談を録音するときの注意点はありますか。

録音の目的、保管する場所、閲覧できる人を伝え、本人の了承を得てから録音します。顧客の個人情報やパスワードは読み上げないよう、先に頼んでおきます。退職の理由や今後の職場の話は引き継ぎの記録と分け、別の面談にします。

Klangは無料で使えますか。

フリープランは月額¥0で、文字起こしは無制限、クレジットカードは不要です。前任者と上長の発言を自動で分ける話者の自動識別は、プロプランの機能です。プロプランは月払いで1ユーザー¥1,180、年払いで月あたり¥980(税込)です。

クレジットカードは不要です。数分でお使いいただけます。