メインコンテンツへスキップ

個別支援計画

個別支援計画の書き方。本人の言葉から目標を立てる記入例

個別支援計画は、障害福祉サービスの事業所が利用者一人ひとりについて作る支援の計画です。サービス管理責任者がアセスメントにもとづいて原案を作り、個別支援会議で意見を聞き、本人の同意を得て交付し、少なくとも6か月に1回見直します。作成の流れ、書く項目、架空の利用者で追う記入例、児童発達支援の5領域、モニタリングの頻度をまとめました。

更新日:執筆・運営:

基準省令は、個別支援計画の作成を次の順番で定めています。アセスメントから交付までが1回の作成で、その後はモニタリングと見直しをくり返します。

2024年度(令和6年度)の報酬改定で、意思決定の支援への配慮、個別支援会議への本人の参加、相談支援事業所への計画の交付が基準に加わりました。会議に本人がいないまま原案を決めたり、交付先が本人だけになっていたりしないかを確かめてください。

  1. 01

    アセスメント(利用者に面接する)

    本人の能力、置かれている環境、日常生活全般の状況を評価し、希望する生活と課題を把握します。面接の趣旨を本人に説明し、理解を得てから行います。

  2. 02

    支援内容を検討する

    本人の自己決定を尊重し、意思決定の支援に配慮して検討します。自分で決めることが難しい人は、意思と選好、判断能力を丁寧に把握します。

  3. 03

    原案を作る

    意向、総合的な支援の方針、課題、目標と達成時期、留意事項を書きます。他の保健医療・福祉サービスとの連携も原案に位置づけるよう努めます。

  4. 04

    個別支援会議を開く

    利用者本人と、支援の担当者等を招集します。本人の生活に対する意向を改めて確かめ、原案への意見を求めます。テレビ電話装置等を使って開くこともできます。

  5. 05

    説明して、文書で同意を得る

    原案の内容を利用者または家族に説明し、利用者から文書で同意を得ます。

  6. 06

    交付する

    完成した計画を、利用者と、指定特定相談支援事業者等(計画相談支援の相談支援専門員)に交付します。

  7. 07

    モニタリングと見直し

    定期的に本人に面接して実施状況を把握し、結果を記録します。少なくとも6か月に1回以上(サービスにより3か月に1回以上)計画を見直し、必要なら変更します。

基準省令は計画に書く内容を定めていますが、全国共通の様式は定めていません。指定権者(都道府県・市町村)が参考様式を示していることがあるため、まず確認してください。目標は、長期目標と短期目標に分けて書く様式が一般的です。

目標の主語は本人にします。「〜させる」「〜を指導する」は支援者の行動なので、支援内容の欄に書きます。目標には、本人がアセスメントで話した言葉とのつながりが読み取れるようにします。

個別支援計画書の項目と、抜けやすい点
項目書くこと抜けやすい点
利用者及び家族の生活に対する意向本人の言葉を「」で。家族の意向は分けて書く支援者の言い換えだけ、家族の意向だけになっている
総合的な支援の方針計画期間全体で、どんな生活を目指して何を支えるか「安定した通所を支援する」で終わっている
生活全般の質を向上させるための課題アセスメントで分かった、本人の希望と今の暮らしの差「〜ができない」の列挙になっている
長期目標と達成時期1年程度で本人が目指す姿達成時期がない
短期目標と達成時期次のモニタリングまでに確かめられる行動「頑張る」「意識する」など確かめられない言葉
支援内容(担当・頻度)誰が、いつ、どのくらい、何をするか「適宜声かけ」「見守り」だけになっている
提供するうえでの留意事項体調、環境、コミュニケーションでの配慮空欄のまま
説明・同意・交付説明日、同意日、交付日と交付先同意日が個別支援会議より前、相談支援事業所への交付の記録がない

箱の組み立て作業をしている30代のAさんを例に、アセスメントからモニタリングまでを1人の計画として追います。各段階で、抽象的な書き方と、具体的で本人を主語にした書き方を並べました。人物と数字はすべて架空です。

  1. 1. アセスメント

    面談で分かった事実と本人の言葉

    面談で聞いた言葉Aさん「箱を折るのは得意。でも、人がたくさんいると疲れる」「パンを作る仕事がしてみたい」

    抽象的な書き方
    作業意欲あり。集中力に課題がある。
    具体的・本人主体の書き方
    午前は菓子箱の組み立てを1時間に約30個続けられる。午後2時以降は休憩を自分から申し出る回数が増える(9月は1日平均3回)。本人「人がたくさんいると疲れる」。

    「課題がある」は評価で、事実ではありません。数と時間帯を書くと、目標の出発点になります。

  2. 2. 本人・家族の意向

    本人の言葉と家族の意向を分けて

    面談で聞いた言葉母「今のペースで休まず通えれば十分です」

    抽象的な書き方
    工賃を上げたい。家族も通所の継続を希望。
    具体的・本人主体の書き方
    本人「パンを作る仕事がしてみたい」「お給料でお母さんにご飯をごちそうしたい」。母「今のペースで休まず通えれば十分です」。

    支援者の要約だけでは、計画が本人の希望から出発したことが伝わりません。本人の言葉は「」で残します。

  3. 3. 長期目標(1年)

    本人が目指す姿を、本人を主語に

    抽象的な書き方
    就労に向けて頑張る。
    具体的・本人主体の書き方
    事業所のパン工房班で、袋詰めと値札貼りを任されるようになる。

    「頑張る」は達成したか確かめられません。本人の「パンを作る仕事」という言葉に、事業所の中で届く形にしています。

  4. 4. 短期目標(6か月)

    次のモニタリングで確かめられる行動

    抽象的な書き方
    集中力を高める。
    具体的・本人主体の書き方
    パン工房班の袋詰めを、休憩を自分で申し出ながら、午前中の1時間半続ける(週3日)。

    時間・頻度・条件があると、モニタリングで「できた・できなかった」を本人と一緒に確かめられます。

  5. 5. 支援内容

    誰が、いつ、どのくらい、何をするか

    抽象的な書き方
    適宜声かけを行い、見守る。
    具体的・本人主体の書き方
    袋詰めの手順を写真カードで示す(職業指導員・毎回)。人の少ない午前の作業台に配置する。休憩の合図カードを机に置き、使えた日を記録する(生活支援員・毎日)。月1回、工賃の明細を本人と一緒に見る(サービス管理責任者)。

    担当と頻度がないと、誰も実施を確かめられません。本人が苦手と言った「人の多さ」への配慮も支援内容に入れます。

  6. 6. モニタリング

    目標ごとの結果と、本人の受け止め

    面談で聞いた言葉Aさん「パンのにおいがすると元気が出る。雨の日は朝がつらい」

    抽象的な書き方
    概ね順調。計画を継続する。
    具体的・本人主体の書き方
    袋詰めは、12月までの12週のうち10週で週3日・1時間半を達成(作業記録)。休憩カードは毎日使えている。本人「パンのにおいがすると元気が出る」。雨の日の欠席が月2回続くため、通所手段を次の個別支援会議で検討する。3か月時点で短期目標は達成の見込みとし、値札貼りを次の短期目標にする。

    「順調」では見直しの根拠になりません。記録の数字、本人の言葉、次に変えることの3つを書きます。

個別支援計画 記入例(架空・抜粋)

上の6つの段階を1枚の計画にまとめた例です。項目名と順番は、指定権者や事業所の様式に合わせてください。

【個別支援計画(抜粋・架空)】
サービス:就労継続支援B型 利用者:Aさん(30代)
計画期間:2026年10月〜2027年3月(6か月)

利用者及び家族の生活に対する意向
 本人「パンを作る仕事がしてみたい」「お給料でお母さんにご飯をごちそうしたい」
 母「今のペースで休まず通えれば十分です」

総合的な支援の方針
 得意な手作業を生かし、人の少ない環境で無理なく続けられる作業から、
 本人が希望するパン工房の仕事へ段階的に広げる。

長期目標(2027年9月)
 パン工房班で、袋詰めと値札貼りを任されるようになる。

短期目標(2027年3月)
 パン工房班の袋詰めを、休憩を自分で申し出ながら午前中の1時間半続ける(週3日)。

支援内容
 ・袋詰めの手順を写真カードで示す(職業指導員/毎回)
 ・人の少ない午前の作業台に配置する(職業指導員/毎回)
 ・休憩の合図カードを机に置き、使えた日を記録する(生活支援員/毎日)
 ・工賃の明細を本人と一緒に見る(サービス管理責任者/月1回)

留意事項
 午後は疲れが出やすい。雨の日は欠席が増えるため、通所の様子を母と共有する。

説明日・同意日・交付日:  年 月 日(本人・相談支援事業所へ交付)

児童発達支援と放課後等デイサービスの計画は、児童発達支援管理責任者が作ります。2024年度の改定で、支援内容と5領域とのつながり、インクルージョン(地域社会への参加・包摂)の観点を計画に書くことが求められるようになりました。

  • アセスメントは、保護者と子ども本人に面接して行う
  • こども家庭庁の記載例は、支援内容を「本人支援」「家族支援」「移行支援」「地域支援・地域連携」の4つに分けている
  • 保育所や幼稚園との併行通園など、インクルージョンに向けた取り組みも計画に書く
  • 完成した計画は、保護者と、障害児相談支援を提供する事業所に交付する
  • 見直しは少なくとも6か月に1回以上。モニタリングでは、保護者と子どもに定期的に面接する
5領域ごとの目標の書き方(架空のBくん、4歳)
領域抽象的な書き方具体的な書き方
健康・生活身辺自立を促す。登所後の手洗いを、手順の絵カードを見ながら最後まで行う。
運動・感覚体幹を鍛える。室内の平均台を、職員と手をつないで端から端まで歩く。
認知・行動切り替えを身につける。活動の終わりにタイマーの音を聞いて、次の活動の場所へ移る。
言語・コミュニケーション言葉を増やす。おやつの時間に、絵カードを指さして「ちょうだい」を伝える。
人間関係・社会性友達と仲良く遊ぶ。自由遊びで、職員と一緒に友達1人とボールのやりとりを3往復する。

モニタリングは、計画の実施状況と本人の状態を確かめ、計画を見直すための手続きです。基準省令は、見直しの最低頻度をサービスごとに定めています。

相談支援専門員が作るサービス等利用計画のモニタリング記録は、相談支援の記録をAIで作成で扱っています。

  • モニタリングでは、特段の事情がない限り、定期的に本人に面接し、定期的に結果を記録する
  • 計画を変更するときは、アセスメントから交付までの手順をもう一度たどる
  • 個別支援計画が作られていない、または作成の一連の業務が適切に行われていない場合は、個別支援計画未作成減算の対象になる
  • 減算は、減算が適用される月から3月未満の月は所定単位数の100分の70、連続して3月以上の月は100分の50
個別支援計画の見直しの頻度(基準省令)
サービス計画の見直し
生活介護、療養介護、就労継続支援A型・B型、共同生活援助(グループホーム)など少なくとも6か月に1回以上
自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、自立生活援助少なくとも3か月に1回以上
児童発達支援、放課後等デイサービス少なくとも6か月に1回以上

計画の見直しで一番抜けやすいのは、本人がモニタリング面談で話した言葉です。メモに残るのは支援者の要約だけになりがちです。本人と家族の同意を得て面談を録音すれば、本人の言葉を正確に拾って計画に写せます。

  1. 01

    同意を得て録音する

    録音の目的(計画を正確に見直すため)、聞く人、保存期間を本人と家族に説明します。同意が得られない場合は録音しません。

  2. 02

    文字起こしから本人の言葉を拾う

    AIチャットに「本人が話した希望・困りごと・できたことを、発言のまま抜き出して」と頼みます。抜き出した言葉は、元の音声で確かめます。

  3. 03

    目標ごとに結果を整理する

    短期目標を示して「目標ごとに、話に出た事実だけを分けて」と頼みます。話に出ていない内容は補わせません。

  4. 04

    サービス管理責任者が判断して書く

    達成の評価、目標の変更、支援内容の見直しは、サービス管理責任者が判断して計画に書きます。AIの下書きをそのまま計画にしません。

Klangは、同意を得て録音したアセスメント面談、個別支援会議、モニタリング面談を文字起こしし、発言の時刻とあわせて残します。AI要約とチャットで本人の言葉や目標ごとの事実を抜き出し、元の音声で確かめてから計画に写せます。Klangは障害福祉の記録ソフトではなく、個別支援計画そのものは作りません。計画を書くのはサービス管理責任者です。

  • 文字起こしは無制限、AI要約とチャットもフリープランで使えます
  • 対面の面談はスマホアプリで録音。Word・Excel・TXTに書き出せます
  • 会話データをAIの学習に使いません。ISO/IEC 27001:2022の認証を取得しています
無料で試す
個別支援計画とは何ですか。

個別支援計画は、障害福祉サービスの事業所が利用者ごとに作る支援の計画です。サービス管理責任者がアセスメントにもとづいて原案を作り、個別支援会議で意見を聞き、利用者の文書による同意を得て交付します。

個別支援計画は誰が作りますか。

個別支援計画は、事業所のサービス管理責任者が作ります。児童発達支援と放課後等デイサービスの計画は、児童発達支援管理責任者が作ります。

個別支援計画とサービス等利用計画の違いは何ですか。

サービス等利用計画は、相談支援専門員が利用者の生活全体を見て、使うサービスの組み合わせを決める計画です。個別支援計画は、各事業所のサービス管理責任者が、その事業所で行う支援を具体的に決める計画です。2024年度の改定で、個別支援計画を相談支援事業所にも交付することが義務になりました。

個別支援計画の見直しはどのくらいの頻度ですか。

個別支援計画の見直しは、基準省令で少なくとも6か月に1回以上と定められています。自立訓練、就労移行支援、自立生活援助は少なくとも3か月に1回以上です。見直しの結果、必要に応じて計画を変更します。

個別支援計画書に決まった様式はありますか。

個別支援計画書に全国共通の様式はありません。基準省令は書く内容を定めています。指定権者(都道府県・市町村)が参考様式を示していることがあるため、まず確認してください。

個別支援計画が作られていないとどうなりますか。

個別支援計画が作られていない場合や、作成の一連の業務が適切に行われていない場合は、個別支援計画未作成減算の対象になります。減算が適用される月から3月未満は所定単位数の100分の70、連続して3月以上は100分の50で算定します。

クレジットカードは不要です。数分でお使いいただけます。