聴取記録票
Word版は1ページ目が空欄、2ページ目が記入例です。Excel版は「聴取記録票」と「記入例」の2シート。質問の行は必要なだけ増やせます。
登録不要・無料。Word版は1ページ目が空欄、2ページ目が記入例(A4縦)。
事情聴取・社内調査
ハラスメントや不正の相談を受けたあと、関係者から事実を聞き取る「事情聴取」の順番、質問の仕方、聴取記録票の書き方を説明します。Word・Excelの聴取記録票(記入例つき)を無料で配布しています。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
厚生労働省のパワーハラスメント防止の指針は、相談があった場合の対応として、相談窓口の担当者、人事部門または専門の委員会などが、相談者と行為者の双方から事実関係を確認することを例に挙げています。主張が食い違い、事実を十分に確認できない場合は、第三者からも事実関係を聴取するなどの措置を示しています。
いつ、どこで、誰から、どんな言動があったかを具体的に聞きます。同時に、相談者がどう対応してほしいか、誰にどこまで話してよいかを確認します。
対象の期間と行為、聴取する人の順番、聴取者と記録係を決めます。行為者とされる人の上司や利害関係のある人は、聴取者から外します。
相談の内容を具体的に伝え、本人の認識と説明を聞きます。反論や事情を話す機会を十分に設け、その内容も記録に残します。
双方の説明が食い違うときに、その場にいた人から聞きます。相談者の了承を得た範囲で行い、聞く内容は確認したい場面に絞ります。
チャット、メール、勤怠、会議の記録などと聴取の内容を照らし合わせます。結果は調査報告書にまとめます。
最初は「何があったか教えてください」のように開いた質問で本人に話してもらい、そのあとで日時、場所、言葉、その場にいた人を一つずつ確かめます。答えを含んだ質問は、記録の信用性を下げます。
| 避けたい聞き方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| 「怒鳴ったんですよね」 | 答えを決めつけ、はい・いいえで答えさせている | 「そのとき、どのような言葉で伝えましたか」 |
| 「Aさんはとても傷ついています」 | 聴取者の評価が入り、相手が身構える | 「Aさんからは、この場面について相談がありました」 |
| 「みんなそう言っています」 | 他の人の証言を明かし、口裏合わせを招く | 「その場にいたのは誰ですか」 |
| 「なぜそんなことをしたんですか」 | 責める響きになり、説明が短くなる | 「その前後の状況を教えてください」 |
聴取記録は、あとで調査報告書を書くときの根拠になります。誰が、いつ、誰に聞き、本人が何と答えたかを、要約しすぎずに残します。
不正の疑いがない定例の内部監査やJ-SOXの評価で行うヒアリングは、内部監査のヒアリング記録で調書の書き方をまとめています。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 日時・場所 | 開始と終了の時刻まで |
| 聴取対象者 | 所属と、事案での立場(相談者・行為者とされる人・目撃者) |
| 聴取者・同席者 | 聞いた人と記録した人。同席者がいれば全員 |
| 冒頭の説明 | 目的・守秘・報復の禁止・録音の有無を説明し、了承を得た時刻 |
| 質問と回答 | 質問と、本人の言葉に近い回答。録音があれば経過時間 |
| 確認できたこと・本人の説明・未確認 | 事実と説明と推測を分ける欄 |
| 終了時の確認 | 本人による内容の確認、訂正の有無、次の連絡 |
Word版は1ページ目が空欄、2ページ目が記入例です。Excel版は「聴取記録票」と「記入例」の2シート。質問の行は必要なだけ増やせます。
登録不要・無料。Word版は1ページ目が空欄、2ページ目が記入例(A4縦)。
記入例(架空の会社・架空の人物です)。実際の調査では、就業規則と社内規程の手続に従ってください。
| 時刻 | 質問 | 回答(本人の言葉) | 補足・資料 |
|---|---|---|---|
| 03:10 | 9月18日の会議で何があったか教えてください | 「Aさんの資料の数字が違っていたので、強めに指摘した」 | 会議の参加者は5名 |
| 05:40 | どのような言葉で指摘しましたか | 「『こんな資料しか作れないのか』とは言ったと思う」 | |
| 08:20 | その場にいた人は誰ですか | 「E課長とFさん、ほか2名」 | 目撃者候補 |
| 12:05 | Aさんとのやり取りで、ほかに思い当たることは | 「9月以降、チャットで修正の依頼を何度かした」 | チャット履歴の提出を依頼 |
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 本人が認めたこと | 9月18日の会議で「こんな資料しか作れないのか」と発言した |
| 本人の説明 | 数字の誤りを指摘する意図だった |
| 未確認 | ほかの発言の有無(E課長・Fさんに聴取予定)、チャットの内容 |
聴取記録でもっとも多い失敗は、聴取者の解釈が事実として書かれることです。同じ発言でも、どの欄に入れるかで意味が変わります。
「パワハラに当たる」「懲戒が相当」といった評価は、聴取記録には書きません。評価は、すべての聴取と資料がそろったあとで、社内規程に照らして調査報告書の中で行います。
| 欄 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 確認できた事実 | 本人が認めたこと、資料で裏付けられたこと | 9月18日の会議で「こんな資料しか作れないのか」と発言した(本人が認めた) |
| 本人の説明 | 理由や意図についての本人の言葉 | 「数字の誤りを指摘する意図だった」 |
| 未確認 | まだ裏付けがないこと、次に確かめること | 他の発言があったか。目撃者2名に聴取予定 |
| 書かないこと | 聴取者の印象や評価 | 「反省していない様子だった」「言い訳が多い」 |
労働契約法第15条は、懲戒が、労働者の行為の性質や態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利の濫用として無効になると定めています。処分の判断は会社と専門家が行うものですが、その判断の材料となる記録は、聴取の段階から準備できます。
録音があると、聴取者は相手の話に集中でき、記録票の発言を正確に書けます。一方で、録音は相手を緊張させることもあります。録音するかどうかは、目的と扱いを説明したうえで本人に確認します。
本人の了承を得て録音した聴取の音声をKlangにアップロードすると、文字起こしが時刻つきで残ります。文をクリックすると該当箇所の音声が再生されるので、記録票の発言を録音で確かめながら清書できます。
まず相談者から聞き、次に行為者とされる人、必要に応じて目撃者の順に行うのが一般的です。厚生労働省のパワハラ防止の指針は、相談者と行為者の双方から事実関係を確認し、主張が食い違う場合は第三者からも聴取するなどの措置を例として示しています。
日時・場所、聴取対象者、聴取者と同席者、冒頭で説明したこと、質問と回答、確認できた事実・本人の説明・未確認、終了時の確認を書きます。聴取者の印象や「パワハラに当たる」といった評価は書きません。
録音の目的、閲覧できる人、保存期間を説明し、本人の了承を得てから録音するのが基本です。断られた場合は記録係を同席させてメモで記録します。録音の扱いは社内規程を確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。
法令で一律に決まっているものではありません。社内規程で定めがあればそれに従います。定めがない場合も、聴取の最後に記録の内容を本人に確認してもらい、訂正の有無を記録しておくと、あとで内容が争われたときに役立ちます。