議会の議事録・会議録
議会の議事録(会議録)。探し方と作り方、地方自治法の決まり
議会の議事録は、法律上「会議録」と呼ばれます。国会の会議録は国会会議録検索システムで、地方議会の会議録は各議会のウェブサイトの会議録検索で読めます。地方議会の本会議の会議録は地方自治法第123条で作成が義務づけられており、議長と2人以上の議員が署名します。探し方、記載事項、委員会記録との違い、発言の取消しの扱い、録音から公開までの手順を整理しました。
公開日:更新日:執筆・運営:Klang AI AB
議会の議事録(会議録)を探して読む方法
公開された議会の会議録は、国会なら国会会議録検索システムで、都道府県議会と市区町村議会なら各議会のウェブサイトの「会議録検索」で読めます。
会議録は録音の全文を文字にした記録なので、目的の発言を探すときは、会議の種類(定例会・臨時会・委員会)と日付で絞り込み、発言者名とテーマの語句で検索すると早く見つかります。一般質問の答弁なら、質問した議員の名前と質問のテーマで探します。
| 議会 | 探す場所 | 補足 |
|---|---|---|
| 国会(衆議院・参議院) | 国会会議録検索システム(国立国会図書館が衆議院・参議院と共同で提供) | 第1回国会(1947年5月開会)以降の本会議と委員会の会議録を検索・閲覧できる。新しい会議録は掲載までに時間がかかる |
| 都道府県議会・市区町村議会 | 各議会のウェブサイトの「会議録」「会議録検索」のページ | 公開の範囲と時期は議会ごとに異なる。議会図書室などで閲覧できる場合もある |
| 地方議会の委員会 | 各議会のウェブサイト(本会議と別のページのことが多い) | 全文か要点筆記かは議会ごとに異なる(下の「委員会」の節を参照) |
地方自治法第123条で決まっていること
会議録の作成と署名、長への報告は、地方自治法第123条に定めがあります。現行の条文では、書面だけでなく電磁的記録(電子データ)で作る場合の署名の方法も定められています。
会議は原則として公開です(地方自治法第115条)。秘密会を開いた場合の議事は、多くの議会の会議規則で会議録に掲載しないと定めています。また、地方自治法第120条により、各議会は会議規則を設けなければならず、会議録に書く事項や作り方の細目はその会議規則に置かれます。
| 項 | 定めている内容 |
|---|---|
| 第1項 | 議長は、事務局長または書記長(書記長を置かない町村では書記)に、書面または電磁的記録で会議録を作成させ、会議の次第と出席議員の氏名を記載・記録させる |
| 第2項 | 書面で作ったときは、議長と議会で定めた2人以上の議員が署名する |
| 第3項 | 電磁的記録で作ったときは、議長と議会で定めた2人以上の議員が、総務省令で定める「署名に代わる措置」をとる |
| 第4項 | 議長は、会議録の写し(電磁的記録の場合はその記録)を添えて、会議の結果を首長(普通地方公共団体の長)に報告する |
会議録に記載する事項の例
会議録に何を書くかは、各議会の会議規則で定めます。ここでは広島市議会会議規則第111条を例に、会議録の記載事項を一覧にしました。自分の議会の会議規則で、項目と番号を必ず確認してください。
同じ条文の第2項は「議事は、録音した音声の反訳によつて記録する」と定めています。本会議の会議録は、要約ではなく、録音を文字に起こした全文(反訳)で作るのが基本だということです。録音を文字にする作業の基本は、反訳書の作り方のガイドで説明しています。
| 区分 | 記載する事項 |
|---|---|
| 日時 | 開会・閉会に関する事項とその年月日時/開議・散会・延会・中止・休憩の日時 |
| 出席者 | 出席議員・欠席議員の氏名/職務のため出席した事務局職員の職氏名/説明のため出席した者の職氏名 |
| 議事の前提 | 議事日程/議長の諸報告/議員の異動、議席の指定と変更 |
| 審議の内容 | 委員会報告書と少数意見報告書/会議に付した事件/議案の提出・撤回・訂正/選挙の経過/議事の経過 |
| 表決など | 提出された発言要旨/記名投票における賛否の氏名 |
| その他 | 議長または議会が必要と認めた事項 |
本会議の会議録と、委員会の記録の違い
常任委員会や特別委員会は、地方自治法第109条により条例で置かれます。委員会の記録は地方自治法第123条の対象ではなく、各議会の委員会条例で定めるのが一般的です。
たとえば守口市議会の委員会条例の改正資料では、「委員長は、職員をして会議の概要、出席委員の氏名等必要な事項を記載した記録を調製させ」、委員長が署名する形が示されています(改正前は「署名又は押印」)。委員会の記録を全文で残すか、要点筆記にするかは、議会の判断です。
| 項目 | 本会議の会議録 | 委員会の記録 |
|---|---|---|
| 根拠 | 地方自治法第123条と会議規則 | 各議会の委員会条例・委員会の規程 |
| 書き方 | 録音の反訳による全文が基本 | 会議の概要と出席委員の氏名など。全文か要点筆記かは議会ごとに異なる |
| 署名 | 議長と議会が定めた2人以上の議員 | 委員長(署名する委員を別に定める議会もある) |
| 公開 | 会議録検索システムなどで公開する議会が多い | 公開の範囲と時期は議会ごとに異なる |
録音から会議録の公開までの6ステップ
本会議の会議録づくりは、録音・反訳・校正・確認・署名・公開の順に進むのが一般的です。誰がどこまで担当するか(職員か、委託業者か)を、手順ごとに決めておきます。
- 01
録音する
議場のマイク系統から録音し、予備の録音機も回します。休憩や中断の時刻、議員の離席・着席は、録音とは別に記録係がメモします。
- 02
反訳(文字起こし)する
録音を全文で文字にします。音声認識で下書きを作る場合も、話者(議長、〇番議員、市長など)と時刻を付け、聞き取れない箇所は推測で埋めずに印を付けます。
- 03
校正する
議会の表記基準に沿って、言いよどみの削除、数字や固有名詞の表記をそろえます。発言の趣旨を変える書き換えはしません。
- 04
発言者に確認する
議会によっては、議員や執行部に原稿の確認を依頼します。確認できるのは聞き違いや誤字の範囲で、内容の変更は発言の訂正の手続きによります。
- 05
会議録署名議員が署名する
議長と、会議で指名された会議録署名議員が署名します。電磁的記録で作る場合は、総務省令で定める署名に代わる措置をとります。
- 06
公開し、首長に報告する
会議録の写しを添えて首長に会議の結果を報告し、会議録検索システムや議会図書室で公開します。公開版では秘密会の議事や取り消された発言を除きます。
発言の取消し・訂正と、会議録に載せない事項
本会議で発言した内容を後から変えられるのは、会議規則の手続きを経た場合だけです。校正の段階で事務局が独自に削ってよいものではありません。
- 取消しや訂正の対象・範囲・許可の日付を、原稿の作業記録に残しておきます
- 録音データそのものは、議会の文書管理の規程に沿って保存します。会議録から除いた発言の扱いも規程に合わせます
- 会期をまたいだ取消しはできないのが一般的です。会期末の会議録作業では、取消しの申出の有無を早めに確認します
| 場面 | 規則の内容 | 会議録での扱い |
|---|---|---|
| 発言の取消し | 発言した議員は、その会期中に限り、議会の許可を得て発言を取り消せる(第114条) | 取り消した発言は掲載しない(第113条) |
| 発言の訂正 | 発言した議員は、その会期中に限り、議長の許可を得て発言を訂正できる(第114条) | 訂正後の内容で記録する |
| 議長の取消し命令 | 議長が取消しを命じた発言 | 掲載しない(第113条) |
| 秘密会 | 秘密会の議事 | 掲載しない(第113条) |
会議録の記入例(一般質問の一部)
架空の市議会で、一般質問の場面を会議録の形にした記入例(架空)です。話者の表記や時刻の残し方は議会ごとに異なるため、自分の議会の過去の会議録に合わせてください。
数字は録音を聞き直し、答弁資料とも照らします。休憩・再開の時刻は、録音ではなく議事の進行メモから取るほうが確実です。
| 話者 | 発言 |
|---|---|
| 〇議長(山田太郎君) | 日程第1、一般質問を行います。通告順に発言を許します。12番、佐藤花子さん。 |
| 〇12番(佐藤花子君) | 通告に従い、市立図書館の開館時間について伺います。昨年度、平日の夜間の利用者数はどのように推移したのでしょうか。 |
| 〇議長(山田太郎君) | 教育長。 |
| 〇教育長(鈴木一郎君) | お答えいたします。令和7年度の平日午後7時以降の利用者数は、延べ1万2,340人で、前年度より約8%増加しております。 |
| 〇議長(山田太郎君) | 暫時休憩いたします。 |
| 午前11時02分休憩 |
方言・固有名詞・数字の確認シート
音声認識でも人の耳でも、間違えやすい箇所はほぼ決まっています。校正の担当者が、原稿と録音を照らすときに使う確認項目の例です。
| 分類 | 確認すること | 確認の方法 |
|---|---|---|
| 固有名詞 | 地名・人名・団体名・事業名・条例名 | 議案書、通告書、事業一覧、過去の会議録で表記をそろえる |
| 数字 | 金額、人数、割合、年度、条番号 | 答弁資料と照合し、桁と単位を確かめる |
| 方言・口語 | 地域の言い回し、言い直し、言いよどみ | 趣旨を変えずに表記基準に沿って整える。意味が変わる語は残す |
| 否定・敬語 | 「〜ない」「〜ではない」、尊敬・謙譲の取り違え | 前後の文脈と録音で確認する |
| 話者 | 議長・議員・執行部の取り違え、不規則発言 | 議事の進行メモと発言順を照らす。不規則発言の扱いは規則に従う |
| 聞き取れない箇所 | 重なり、マイクの切り替え | 推測で埋めず、予備の録音で聞き直す |
音声認識と生成AIを会議録づくりに使うときの考え方
議会事務局でも、音声認識と生成AIで下書きを作り、職員が録音と資料で確認する取り組みが出てきています。
浜田市議会事務局の資料では、2〜6時間に及ぶ委員会の会議録(要点筆記)について、音声認識で文字にしたテキストを生成AIで要点筆記の形に整え、最後に職員が音声や資料と照らして確認する流れにしたところ、丸2日以上かかっていた作業が半日程度で終わるようになったと報告しています。作業が「ゼロから文章を起こす」から「下書きを確認・修正する」に変わった、という点が要です。
どのツールを使う場合も、AIの出力は下書きです。本会議の全文の会議録では、AIによる要約や言い換えを混ぜず、反訳の正確さを人が保証します。録音データや未公開の原稿を外部のサービスに送ってよいかは、団体の情報セキュリティポリシーと個人情報の規程で確認してください。
委員会・庁内会議・勉強会の記録にKlangを使う
Klangは議会の会議録システムではありません。本会議の正式な会議録は、議会が定めた方法と体制で作ってください。一方、委員会の要点筆記の下書き、議員の勉強会、庁内の打合せ、住民説明会などの記録には、汎用の文字起こしとAI要約が役立ちます。
- 01
録音を取り込む
会議室ではスマートフォンアプリで録音するか、ICレコーダーなどの録音ファイル(1ファイル10GBまで)をアップロードします。オンライン会議はZoom・Teams・Google Meetに会議ボットを参加させて録音できます。
- 02
時刻つきの文字起こしを確認する
録音を再生しながら同じ画面で修正します。発言者の名前を自動で分ける話者の自動識別はプロプランの機能で、名前は人が確定させます。
- 03
要点筆記の下書きを作る
AIチャットに「議題ごとに質疑と答弁を分け、数字は発言のとおり」と形式を指示すると、要点筆記の下書きができます。発言にない内容は書かせない指示を入れます。
- 04
Wordに書き出して様式に貼る
時刻と話者つきでWordやテキストに書き出し、議会や庁内の様式に貼り付けて、担当者が録音と照らして仕上げます。
委員会や庁内会議の記録を、下書きの確認から始める
Klangは、録音をアップロードするだけで時刻つきの文字起こしを作り、AI要約やチャットで要点筆記の下書きに整えられます。最終的な記録は、担当者が録音と照らして確定させる前提で、書き起こしにかかる時間を短くします。
- 文字起こしはフリープランで無制限。WordやExcel、テキストに書き出せます
- ISO/IEC 27001:2022の認証を取得。会話データをAIの学習に使いません
- データを自団体の環境に置きたい場合は、オンプレミスでの導入を相談できます
よくある質問
議会の議事録(会議録)はどこで見られますか。
国会の会議録は、国立国会図書館が衆議院・参議院と共同で提供する国会会議録検索システムで、第1回国会(1947年5月開会)以降のものを検索・閲覧できます。都道府県議会と市区町村議会の会議録は、各議会のウェブサイトの会議録検索のページで公開されていることが多く、公開の範囲と時期は議会ごとに異なります。
議会の議事録と会議録は違うものですか。
地方議会の本会議の記録は、地方自治法第123条で「会議録」と呼ばれています。一般に議事録と呼ばれるものと役割は同じですが、議会では法律の用語に合わせて会議録と呼ぶのが一般的です。委員会の記録は、各議会の委員会条例で「記録」などと呼ばれます。
会議録には誰が署名しますか。
書面の会議録には、議長と、議会において定めた2人以上の議員が署名します(地方自治法第123条第2項)。署名する議員は、会議規則で人数と指名の方法を定め、議長が会議で指名するのが一般的です。
会議録を電子データで作ってもよいですか。
できます。地方自治法第123条は、会議録を書面または電磁的記録で作成すると定めています。電磁的記録で作った場合は、議長と署名議員が、総務省令で定める署名に代わる措置をとります。
議員が発言を取り消した場合、会議録はどうなりますか。
多くの議会の会議規則では、発言した議員がその会期中に限り、議会の許可を得て発言を取り消すことができ、取り消した発言は会議録に掲載しないと定めています。具体的な手続きは、自分の議会の会議規則で確認してください。
AIの文字起こしをそのまま会議録にしてもよいですか。
そのまま使うのは避けてください。音声認識は固有名詞や数字、話者を取り違えることがあり、生成AIは聞き取りにくい箇所を自然な言葉で補うことがあります。AIの結果は下書きとして使い、録音と資料で全体を人が確認してから確定させます。