議事要旨
議事要旨とは。書き方と例文、議事録との違いと公開前の確認
議事要旨は、会議の主な論点と結論を短くまとめた記録です。審議会や委員会では、議事録を出せないときや、議事録より先に速報として公開するときに使われます。記載する項目、例文つきの書き方、発言者の書き方、公開前のチェックリストを、国の閣議決定とガイドラインをもとに整理しました。
公開日:更新日:執筆・運営:Klang AI AB
議事要旨と議事録・議事概要の違い
似た呼び方が多いですが、違いは「どこまで細かく残すか」と「誰に向けて出すか」です。社内の会議を含む一般的な違いは、議事録とは・議事メモとはのガイドで説明しています。ここでは議事要旨に絞ります。
| 記録 | 残す内容 | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| 議事録(会議録) | 発言者と発言内容を順に。審議会では全文か、それに近い形 | 正式な記録、後日の検証、公開 |
| 議事要旨 | 主な論点、出た意見の要旨、結論、今後の予定 | 速報としての公開、議事録を非公開にする場合の公開 |
| 議事概要 | 議事要旨とほぼ同じ意味で使われる。組織によって呼び方が違う | 組織の慣例に合わせる |
| 議事メモ | 担当者の手元の走り書き | 議事録・議事要旨の材料(通常は公開しない) |
審議会の議事録・議事要旨の公開ルール
国の審議会等の運営は、「審議会等の整理合理化に関する基本計画」(平成11年4月27日閣議決定)が基本になっています。議事要旨の位置づけは、ここで決まりました。
行政文書の管理に関するガイドライン(内閣総理大臣決定)は、審議会等や懇談会等について、開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者及び発言内容を記載した議事の記録を作成するとしています。議事要旨を公開する場合でも、内部では発言者と発言内容がわかる記録を残しておく、という整理です。
同じガイドラインは、外部の者との打合せ等の記録について、可能な限り相手方の発言部分を相手方に確認してもらい、確定しにくい場合はその旨がわかるように書くとしています。審議会の議事要旨でも、委員に案を確認してもらってから公開する運用が一般的です。地方公共団体の審議会は、各団体の要綱や公文書管理の規程に従ってください。
| 場面 | 定めの内容(文部科学省掲載の抄録から引用) |
|---|---|
| 原則 | 「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」 |
| 非公開にする場合 | 「特段の理由により会議及び議事録を非公開とする場合には、その理由を明示するとともに、議事要旨を公開するものとする」 |
| 例外 | 行政処分、不服審査、試験などの事務を行う審議会等で、公開により当事者・第三者の権利利益や公共の利益を害するおそれがある場合は、会議、議事録または議事要旨の全部または一部を非公開にできる |
議事要旨に書く7つの項目
議事要旨は短い記録ですが、項目が欠けると「何の会議で何が決まったか」が伝わりません。次の7項目を基本にします。
| 項目 | 書くこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 会議名・回数 | 「第3回 〇〇検討会」のように回数まで | 過去の回と区別できるようにする |
| 日時・場所 | 開始と終了の時刻、会場またはオンライン | オンライン併用なら併記する |
| 出席者 | 委員の氏名(または人数)、事務局 | 欠席者も書くと定足数が確認できる |
| 議題 | 議事次第の議題をそのまま | 配布資料の番号と対応させる |
| 主な意見 | 論点ごとに、出た意見の要旨を箇条書き | 発言の順ではなく論点ごとにまとめる |
| 結論・決定事項 | 了承、継続審議、修正のうえ了承など | 結論が出なかったことも書く |
| 今後の予定 | 次回の日程、事務局の宿題 | 担当と期限があれば書く |
議事要旨の書き方。意見を要約するときの4つのルール
文末は「〜との意見があった」「〜について説明があった」のように、伝聞の形でそろえるのが一般的です。要約で発言の趣旨が変わっていないかは、録音や詳しい記録と照らして確認します。
- 01
論点ごとにまとめる
発言の順に並べると議事録の縮小版になります。議題を論点に分け、論点ごとに「どんな意見が出たか」をまとめます。
- 02
1つの意見は1〜2文にする
発言の背景や例え話は省き、主張と理由だけを残します。複数の委員が同じ趣旨なら「同様の意見が複数あった」とまとめます。
- 03
賛否が分かれた点は両方書く
多数の意見だけを書くと、少数意見が消えて結論の経緯が見えなくなります。反対や懸念の意見も要旨として残します。
- 04
事務局の説明と委員の意見を分ける
「事務局から資料1に基づき説明があった」と、委員の意見を見出しで分けると、読む人が誰の考えかを取り違えません。
発言者の書き方。委員名を出すか、伏せるか
議事要旨では、発言者を書かない、または「委員」とだけ書く形が多く見られます。どちらにするかは会議の公開方針で決め、毎回そろえます。
- 「委員A」の記号は、回をまたいで同じ人に同じ記号を使うかどうかも決めておきます
- 委員以外の参考人や傍聴者の発言は、本人の了解の範囲で書きます
- 個人が特定される事例や、個人の病歴などは、要旨にも書きません
| 書き方 | 例 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 書かない | 「〜との意見があった」 | 要旨を速く出したい、論点を中心に伝えたい |
| 役割だけ | 「(委員)」「(事務局)」 | 委員と事務局の区別だけ示したい |
| 記号 | 「委員A」「委員B」 | 同じ委員の意見のつながりを示したいが、名前は出さない |
| 氏名 | 「〇〇委員」 | 議事録を公開する会議、発言の責任を明確にしたい場合 |
議事要旨の記入例
架空の市の審議会を例にした記入例(架空)です。そのまま様式として使えるよう、7項目の順に並べています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時 | 令和8年9月14日(月)14時00分〜15時45分 |
| 場所 | 〇〇市役所 本庁舎5階 第2会議室(オンライン併用) |
| 出席者 | 委員8名(定数10名)、事務局(生涯学習課)4名 |
| 議題 | (1)夜間開館の試行結果について (2)次期運営計画の骨子案について |
| 主な意見(議題1) | ・平日夜間の利用者は増えているが、学生の利用が中心で、働く世代への周知が足りないとの意見があった。 ・試行期間中の職員の配置と費用を、次回までに示してほしいとの意見があった。 |
| 主な意見(議題2) | ・電子書籍の拡充と、紙の資料の購入予算のバランスに配慮すべきとの意見があった。 ・骨子案の「地域の居場所」の定義があいまいだとの指摘があった。 |
| 結論 | 議題1は報告として了承。議題2は委員の意見を反映した修正案を次回に示す。 |
| 今後の予定 | 第4回は11月中旬の予定。事務局は夜間開館の費用の内訳を資料として提出する。 |
議事要旨を公開する前のチェックリスト
- 会議名・回数・日時・出席者・議題・結論・今後の予定がそろっている
- 要約で発言の趣旨が変わっていない(録音や詳しい記録と照らした)
- 賛否が分かれた点、少数意見が落ちていない
- 発言者の書き方(書かない・委員A・氏名)が、会議の方針と前回の要旨に合っている
- 個人情報、非公開の資料の内容、交渉中の金額などが含まれていない
- 委員に案を確認してもらい、修正の履歴を残した
- 非公開の会議では、非公開とした理由をあわせて示している
- 公開した版と日付を記録し、後から直した場合は修正日を書いている
録音から議事要旨の下書きを作る
議事要旨の手間は、長い議論から論点を拾い出すところにあります。録音を文字にしてから要約すると、聞き漏らしを減らし、要旨の根拠を発言で確かめられます。
- 01
会議を録音して文字起こしする
会議室ではスマートフォンアプリで録音するか、録音ファイルをアップロードします。オンラインの会議は、Zoom・Teams・Google Meetに会議ボットを参加させられます。
- 02
形式を指示して要約する
AIチャットに「議題ごとに主な意見と結論を分け、文末は『〜との意見があった』。発言にないことは書かない」と指示し、議事要旨の下書きを作ります。
- 03
要旨の根拠を発言で確かめる
下書きの各項目について、元の発言を文字起こしで探して確認します。数字や固有名詞は、録音を聞き直して確かめます。
- 04
書き出して委員の確認に回す
WordやTXTに書き出し、所定の様式に貼り付けて委員の確認に回します。詳しい記録として文字起こしも保存しておきます。
議論の全体を残したまま、要旨を早く出す
Klangは、録音から時刻つきの文字起こしを作り、AI要約とチャットで議事要旨の下書きを作れます。要旨を公開しても、詳しい記録として文字起こしを手元に残せるため、後から「誰がどう言ったか」を確かめられます。
- 文字起こしはフリープランで無制限。Word・Excel・TXTなどに書き出せます
- 会議室の会議はスマートフォンアプリ、オンライン会議は会議ボットで録音できます
- ISO/IEC 27001:2022の認証を取得。会話データをAIの学習に使いません
よくある質問
議事要旨と議事録の違いは何ですか。
議事録は発言者と発言内容を順に残す記録で、議事要旨は主な論点・意見・結論だけを短くまとめた記録です。国の審議会では、会議と議事録を非公開にする場合でも、理由を示したうえで議事要旨を公開することが原則とされています。
議事要旨と議事概要は同じものですか。
ほぼ同じ意味で使われています。どちらの呼び方を使うかは組織の慣例によるため、所属する組織の過去の記録に合わせてください。
「議論の要旨」「発言要旨」とはどういう意味ですか。
「要旨」は話や文章の中心となる内容のことで、「議論の要旨」は議論で出た主な論点と結論、「発言要旨」は一人の発言の中心となる内容を短くまとめたものです。会議全体についてまとめた記録を議事要旨と呼びます。
議事要旨に発言者の名前は書きますか。
書かない、「委員」とだけ書く、「委員A」のような記号にする、氏名を書く、のいずれかです。会議の公開方針で決め、毎回同じ書き方にそろえます。
審議会の議事要旨はいつまでに公開しますか。
審議会等の整理合理化に関する基本計画は、会議または議事録を速やかに公開することを原則としています。具体的な期限は、各府省や地方公共団体の審議会の運営規程・要綱で決めているため、それに従ってください。
AIで議事要旨を作ってもよいですか。
下書きとして使うのは有効です。ただし、AIは発言にない内容を補ったり、少数意見を落としたりすることがあります。要旨の各項目を元の発言と照らし、委員の確認を経てから公開してください。