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授業記録・授業研究

授業記録の書き方。授業研究で使う発話記録表と、録音からの作り方

授業研究(研究授業・校内研修)で使う授業記録は、教師と子どもの発言を時刻順に残した発話記録が中心です。発話記録表の列と記号の決まり、10分間の記入例、教室での録音の仕方、録音から下書き表を作って事後検討会に持ち込むまでの手順、子どもの個人情報の扱いをまとめました。

更新日:執筆・運営:

授業記録の様式は学校や研究会によって違いますが、次の6列があれば、事後検討会でほとんどの議論に対応できます。録音から作る部分と、観察者が書く部分を分けておくのがポイントです。

列を増やしすぎると、記録を作る人の負担が大きくなります。研究の視点(たとえば「発問と子どもの反応」「グループでの対話」)が決まっている場合は、その視点に関わる列だけを詳しく書けば十分です。

授業研究の発話記録表の列と書き方
列書く内容誰が・何から作るか
時刻授業開始からの経過時間(例:12:30)または時計の時刻録音のタイムスタンプ
発話番号1、2、3…と発言ごとに通し番号を振る。検討会で「発話14の発問」と指せる下書き表を作るときに付ける
発言者T(教師)、C(児童生徒)、Cs(複数が同時に)、A児・B児(個人を区別する場合)録音+観察
発言聞こえたとおりの言葉。聞き取れない箇所は(聞き取れず)録音の文字起こし
板書・活動板書した内容、ワークシートの記入、ペア・グループ活動の開始と終了観察者のメモ・板書写真
非言語メモ挙手の数、うなずき、沈黙の長さ、教師の立ち位置、教具の提示など観察者のメモ

記号に全国共通の決まりはありません。大切なのは、同じ記録の中で表記をそろえ、冒頭に凡例として書いておくことです。以下は授業研究でよく見られる表記の例です。

  • 個人を区別するA児・B児などの記号と実名の対応表は、記録とは別に、校内のルールに沿って管理します
  • 「つぶやき」は授業研究で重視されることが多い一方、録音では拾いにくい声です。観察者がその場で書き留めておくと、文字起こしと合わせて残せます
授業記録の表記の例(一般的な例で、統一の規則ではありません)
表記意味と使い方
T授業者(教師)の発言
C/A児・B児児童生徒の発言。個人を区別して追う場合は記号や座席番号を使い、実名は書かない
Cs複数の児童生徒が同時に言った発言(「はーい」「同じです」など)
つぶやき指名されずに出た小さな声。〈つぶやき〉と注記して発言欄に書く
( )行動や様子。例:(板書する)(3秒沈黙)(手を挙げる子が増える)
……言いよどみや途切れ。言い直しはそのまま残す
(聞き取れず)聞き取れなかった箇所。推測で補わない

架空の授業の、導入から自力解決に入るまでの10分間を記録した例です。発言はすべて創作で、実在の学校・児童とは関係ありません。

この例では、A児のつぶやき(発話2)を教師が拾い直し(発話3)、それがB児の「さっきの20まいと同じこと?」(発話8)という問いにつながっています。発言を時刻と番号つきで残すと、事後検討会で「発話3の拾い直しが、発話8の気づきにどう影響したか」のように、具体的な場面を指して話し合えます。

ペア活動の間(05:00〜09:50)は、教室全体の録音ではほとんどの会話が聞き取れません。特定のペアやグループを追う場合は、そのグループの机にも録音機を置きます。

発話記録表の記入例(架空)
時刻番号発言者発言板書・活動非言語メモ
00:401T昨日はあめを3人で分けたね。今日は72まいの色紙を3人で同じ数ずつ分けます。問題文を掲示全員が前を見る
01:152A児20まいずつ配ったら、あと12まい残る。〈つぶやき〉
01:203T今のつぶやき、もう一回言ってくれる?A児の席へ近づく
01:314A児えっと……20まいずつだと60まいで、12まい残ります。「20ずつ→のこり12」
02:055T残りの12まいはどうしたらいいかな。(5秒沈黙)
02:206Cs4まいずつ!挙手12名
03:107T20と4で、1人24まい。この考えを、筆算で書けないかな。今日のめあてです。めあて「わり算を筆算で計算しよう」
04:308B児十の位から分けるのは、さっきの20まいと同じこと?ノートを見ながら
05:009Tいい質問。隣の人と、20まいが筆算のどこに出てくるか話してみよう。ペア活動開始
09:5010Tでは、自分のノートに筆算で書いてみましょう。自力解決開始机間指導

授業の文字起こしの正確さは、録音機の置き場所でほぼ決まります。教室は子どもの声が小さく、机やいすの音も入るため、1台で全員の声を拾うのは難しいと考えておきます。

  • 1台目:教師の近く

    教卓や黒板の近くに置き、教師の発問と、前で発表する子どもの声を拾います。教師が動き回る授業では、教師がスマートフォンやICレコーダーを胸ポケットに入れる方法もあります。

  • 2台目:抽出したグループの机

    授業研究で特定のグループや抽出児の様子を追う場合は、そのグループの机の中央に置きます。グループの対話は、このような録音でないと文字にできません。

  • 観察者のメモと板書写真

    誰が言ったか、挙手の数、表情、板書の順序は録音に残りません。観察者は時刻つきでメモを取り、授業後に板書の写真を撮っておきます。

  • 録音の前に許可を確認

    研究授業の録音・録画は、校長の許可と、学校が定める保護者への周知(お便り・同意書など)の手順に従います。外部の研究者が入る場合は、その研究機関の手続きも確認します。

  1. 01

    録音をアップロードして文字起こしする

    スマートフォンのKlangアプリで録音するか、ICレコーダーの音声ファイル(mp3・m4a・wavなど、1ファイル10GBまで)をアップロードします。文字起こしには時刻が付きます。

  2. 02

    下書きの発話記録表を作る

    AIチャットに下の指示文を貼り付けて、T・C・Csの記号つきの下書き表を作ります。Excel(またはCSV)で書き出せば、学校の様式の表にそのまま貼り付けられます。

  3. 03

    観察メモと録音で確かめる

    発言者の記号、聞き取れない箇所、子どもの言いよどみを、録音を聞き直して直します。「板書・活動」「非言語メモ」の列は観察者のメモから書き足します。

  4. 04

    事後検討会を録音し、協議の記録を残す

    検討会で話題にした場面を発話番号(例:発話8〜9)で記録しておくと、次の研究授業の指導案づくりに使えます。検討会の録音から、要点と次回の課題を整理した記録の下書きも作れます。

発話記録表の下書きを作る指示文

この文字起こしは、小学校(または中学校)の授業の録音です。授業研究用の発話記録表の下書きを作ってください。
1. 列は「時刻/発話番号/発言者/発言/板書・活動/非言語メモ」の6列にします
2. 発話番号は1から通し番号にします。発言者は、教師を「T」、児童生徒を「C」、複数が同時に言った場合は「Cs」とします。名前は書きません
3. 発言は要約せず、聞こえたとおりに書きます。聞き取れない箇所は(聞き取れず)とし、推測で埋めないでください
4. 「板書・活動」「非言語メモ」の列は空欄のままにしてください(観察者が記入します)
5. 最後に、教師の主な発問(問い)を時刻つきで一覧にしてください

AIの下書きは、必ず授業者または記録者が録音を聞いて確認してください。

話者を自動で分ける機能(話者の自動識別)はプロプランの機能です。ただし、声の高さが近い子ども同士や、何人もが同時に話す場面では、自動識別でも取り違えが起こりやすくなります。

授業記録では、教師(T)の発言はおおむね自動で分かれますが、A児・B児のような個人の区別は、観察者のメモと録音を照らして人が確定させるものと考えてください。グループの録音では、話す人が少ないぶん区別しやすくなります。

フリープランでも文字起こしは無制限に使えます。その場合は、話者名を手で割り当てながら表を仕上げます。

授業記録には、子どもの名前や家庭の話、つまずきの様子が含まれます。録音と記録の扱いは、教育委員会や学校の情報セキュリティのルールに従ってください。

  • 記録には実名を書かず、T・C・A児などの記号を使います。記号と名前の対応表は別に管理します
  • 校内研修の資料として配る範囲(校内のみ、研究会まで、など)を、録音の前に決めておきます
  • 文部科学省のガイドライン(Ver.2.0)は、教職員が生成AIを使う場合、教育委員会の方針に従うこと、プロンプトに個人情報を含めるときはサービスの提供者がその情報を機械学習に使うかどうかを十分に確認することを求めています
  • ガイドラインには、校内研修での活用例として「研修や講演会の録画を読み込ませ、要約・議事録案を作成する」が挙げられています

Klangは、授業の録音をアップロードするだけで、時刻つきの文字起こしを作ります。AIチャットに記録表の形式を指示すれば、T・Cの記号つきの下書きができ、Excelに書き出して学校の様式に貼り付けられます。最終的な記録は、授業者と観察者が録音とメモで確認して仕上げます。

  • 45分・50分の授業も1ファイルのまま。音声・動画は1ファイル10GBまでアップロードできます
  • Word・Excel・CSV・TXTなどで書き出し。時刻つきで、発話番号を振る作業が速くなります
  • お客様のデータをAIの学習に使いません。ISO/IEC 27001:2022の認証を取得した体制で運用しています
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授業記録と授業の文字起こしは何が違いますか。

文字起こしは録音を文字にしたものです。授業記録は、それに発話番号、発言者の記号(T・C)、板書・活動、非言語の様子を加えて、授業の流れを再現できるようにした記録です。文字起こしは授業記録の材料と考えると分かりやすくなります。

45分の授業記録を作るのに、どのくらい時間がかかりますか。

録音を聞きながら手で書き起こすと、授業時間の数倍かかるのが一般的です。AIの文字起こしで下書きを作れば、確認と記号の付け直し、観察メモの書き足しから始められます。かかる時間は録音の聞き取りやすさによって変わります。

子どもの発言も正確に文字にできますか。

教師の近くで発表した声は比較的よく文字になりますが、小さなつぶやきや、何人もが同時に話す場面は聞き取れないことがあります。抽出したいグループの机に録音機を置き、聞き取れない箇所は(聞き取れず)として推測で埋めないでください。

授業を録音するときに保護者の同意は必要ですか。

必要な手続きは、教育委員会や学校のルールによって異なります。校長の許可を得たうえで、学校が定める方法(お便りでの周知、同意書など)に従ってください。記録には実名を書かず、配布する範囲も事前に決めておきます。

事後検討会の記録にも使えますか。

使えます。検討会を録音して文字起こしし、話題になった場面を発話番号で示しながら、要点と次の授業への課題を整理した記録の下書きを作れます。

クレジットカードは不要です。数分でお使いいただけます。