住民説明会・近隣説明会
住民説明会の議事録の作り方。質疑応答の記録と、公開版・内部版の作り分け
自治体の事業説明会や、建築・工事の近隣説明会では、住民からの質問と回答を正確に残し、後から「言った・言わない」にならない記録が必要です。質疑応答の記録様式、公開版と内部版の作り分け、個人が特定されない書き方、冒頭で録音を告げる例文、記入例をまとめました。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
住民説明会の議事録に書く項目
説明会の議事録は、前半の「開催の記録」と後半の「質疑応答の記録」に分けると作りやすくなります。
| 区分 | 項目 | 書くこと |
|---|---|---|
| 開催の記録 | 説明会の名称・事業名 | 「〇〇地区 道路拡幅事業 住民説明会(第2回)」など |
| 開催の記録 | 日時・会場 | 開始・終了の時刻、会場名 |
| 開催の記録 | 出席者 | 主催者側の所属・職名・氏名、住民の参加人数(受付簿の人数) |
| 開催の記録 | 配布資料 | 資料の名称と番号 |
| 開催の記録 | 説明の要点 | 事業の概要、スケジュール、影響と対策を項目ごとに |
| 質疑応答 | 質問者 | 公開版では「住民A」「参加者1」など。内部版で地区名など必要な範囲を書く |
| 質疑応答 | 質問・意見の要旨 | 1件ずつ。複数の論点を含む質問は分けて番号を振る |
| 質疑応答 | 回答者・回答 | 回答した担当者の所属と、回答の要旨 |
| 質疑応答 | 持ち帰り事項 | 検討内容、担当、回答の期限と方法(文書、次回説明会など) |
| まとめ | 今後の予定 | 次回の説明会、工事の着手時期、問い合わせ先 |
質疑応答の記録表と記入例
質疑応答は表にすると、持ち帰り事項の追跡まで1枚で管理できます。以下は架空の道路事業の説明会を例にした記入例(架空)です。
- 回答は、その場で言ったとおりの要旨を書きます。後から内容を補う場合は「(後日補足)」として分けます
- 同じ趣旨の質問が複数あったときは、まとめずに件数がわかるように残すと、関心の高さが伝わります
- 感情的な発言は、主張の内容だけを要旨にします。言葉づかいの評価は書きません
| No. | 質問者 | 質問・意見の要旨 | 回答者 | 回答の要旨 | 持ち帰り・期限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 住民A | 工事中、朝の通学時間帯に大型車が通るのは危険ではないか | 道路課 主査 | 7時30分〜8時30分は大型車の通行を控えるよう、施工業者と調整する | 通行時間の制限案を次回説明会で示す(11月末まで、道路課) |
| 2 | 住民B | 拡幅で敷地の一部がかかる。補償の説明はいつあるのか | 用地課 課長補佐 | 対象の方には個別に訪問して説明する。今日は全体の流れのみ説明した | なし(個別対応) |
| 3 | 住民C | 工事の騒音・振動の測定結果を公開してほしい | 道路課 主査 | その場で回答できないため持ち帰る | 測定と公開の方法を検討し、回覧で知らせる(12月中旬まで、道路課) |
公開版と内部版を作り分ける
説明会の記録は、住民や関係者に配る「公開版」と、主催者の中で使う「内部版」の2つを作ると、正確さと配慮を両立しやすくなります。
公開版は、参加しなかった住民が読んでも経緯がわかることを目標にします。内部版は、持ち帰り事項を最後まで追いかけるための台帳として使います。
| 項目 | 公開版 | 内部版 |
|---|---|---|
| 質問者 | 「住民A」など記号 | 必要な範囲で地区名、事前に名乗った団体名など |
| 発言 | 要旨 | 要旨に加えて、文字起こしの該当時刻 |
| 個別の事情 | 書かない(「個別に対応」とだけ書く) | 担当課への引き継ぎに必要な範囲で書く |
| 持ち帰り事項 | 検討内容と回答の時期 | 担当者、期限、進み具合 |
| 配布先 | 参加者、回覧、ウェブサイト | 主催者の関係部署のみ |
個人が特定されない書き方
説明会の録音や議事録には、参加者の声や発言の内容、住所に関わる話が入ります。特定の個人を識別できる情報は個人情報にあたるため、扱いのルールを事前に決めておきます。
令和5年4月1日からは、地方公共団体にも個人情報保護法の全国共通のルールが適用されています。民間の事業者が開く近隣説明会では、事業者として個人情報保護法に沿った扱いが求められます。録音の保存期間、閲覧できる人、公開版に何を書かないかを、主催者の規程に沿って決めてください。
- 氏名、住所の番地、家族の事情、健康状態など、本人が特定される情報は公開版に書きません
- 「〇丁目の角の家」のような、記号にしても本人がわかる書き方を避けます
- 受付簿の氏名と、議事録の「住民A」の対応表は、内部版とは別に管理します
- 録音データは、議事録が確定した後の保存期間と削除の方法を決めておきます
説明会の冒頭で録音を告げる例文
記録のために録音する場合は、開会のあいさつで目的と扱いを伝えます。会場の案内や配布資料にも同じ内容を書いておくと、後から確認できます。
| 伝えること | 例文 |
|---|---|
| 録音すること | 本日の説明会は、正確な記録を作るため、録音させていただきます。 |
| 目的 | 録音は、議事録の作成と、ご質問への回答漏れを防ぐためにのみ使います。 |
| 公開の範囲 | 議事録の公開版では、ご発言された方のお名前は記載せず、「住民A」のように表記します。 |
| 保存と削除 | 録音データは、議事録の確定後、所定の期間保管したのち削除します。 |
| 申し出の方法 | 録音に差し支えのある方は、受付または係の者にお申し出ください。 |
建築・工事の近隣説明会での記録
建築主や施工者が開く近隣説明会では、条例に基づく手続きとして説明の内容を報告することがあります。
たとえば東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例第6条は、近隣関係住民から申出があったときに、建築主が説明会等の方法で計画の内容を説明しなければならないこと、知事が必要に応じて説明会等の内容について報告を求められることを定めています。報告の様式や提出先は、自治体ごとの手引きを確認してください。
近隣説明会の記録は、工事が始まってからの苦情対応や、工程会議での申し送りにも使います。持ち帰り事項は、工事の打合せ記録に引き継ぐと漏れません。
録音から質疑応答の記録表を作る
説明会では、記録係がメモを取りながら質問者の言葉を正確に追うのは困難です。録音を文字にしてから記録表を作ると、回答の言い回しまで確かめられます。
- 01
会場で録音する
スマートフォンアプリで録音するか、会場のマイク系統から録音したファイルを、終了後にアップロードします(1ファイル10GBまで)。
- 02
文字起こしで質疑の区切りを確認する
時刻つきの文字起こしから、質疑応答が始まった時刻と、1件ごとの区切りを確認します。誰が話しているかを自動で分ける話者の自動識別はプロプランの機能で、名前や記号は人が付けます。
- 03
記録表の形で下書きを作る
AIチャットに「質疑応答を、No.・質問者(住民A、B…)・質問の要旨・回答者・回答の要旨・持ち帰り事項の表にして。氏名や住所は書かない」と指示します。
- 04
確認して公開版と内部版に分ける
ExcelやWordに書き出し、録音と照らして確認したうえで、公開版から個人が特定される情報を除きます。
質問と回答を、言ったとおりに残す
Klangは、説明会の録音から時刻つきの文字起こしを作り、AIチャットで質疑応答の記録表の下書きに整えられます。持ち帰り事項の確認や、後からの「言った・言わない」の確認に、文字起こしの該当箇所をすぐ探せます。
- 文字起こしはフリープランで無制限。ExcelやWordに書き出して様式に貼れます
- 会場ではスマートフォンアプリで録音し、そのまま文字起こしできます
- ISO/IEC 27001:2022の認証を取得。会話データをAIの学習に使いません
よくある質問
住民説明会の議事録には何を書けばよいですか。
説明会の名称、日時と会場、出席者、配布資料、説明の要点、質疑応答(質問者・質問の要旨・回答者・回答)、持ち帰り事項と回答の期限、今後の予定が基本の項目です。
質問した住民の名前は議事録に書きますか。
公開する議事録には、氏名を書かずに「住民A」などの記号で表すのが一般的です。主催者の内部記録で必要な場合も、書く範囲を必要最小限にし、受付簿との対応表は別に管理します。
説明会を録音するときは、参加者の同意が必要ですか。
主催者の規程や個人情報の扱いによって異なります。少なくとも、開会時に録音することと、その目的・公開の範囲・保存と削除を伝え、差し支えのある人が申し出られるようにしておくと、トラブルを避けやすくなります。
その場で答えられなかった質問はどう書きますか。
「持ち帰り」として、検討する内容、担当、回答の期限と方法(文書、回覧、次回説明会など)を書きます。回答したら、内部版に回答日と内容を追記します。
近隣説明会の記録を役所に出す必要はありますか。
自治体の条例によります。たとえば東京都の中高層建築物の紛争予防条例では、知事が必要と認めるときに、建築主に説明会等の内容について報告を求めることができると定めています。手続きは各自治体の手引きを確認してください。