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工事打合せ簿・定例会議

工事打合せ簿の書き方。記入例と、定例会議から打合せ簿を作る手順

工事打合せ簿は、監督職員と受注者が指示・協議・承諾などを書面でやり取りするための工事帳票です。土木工事共通仕様書の用語の定義、打合せ簿に書く項目と記入例、週1回の工程会議(定例会議)の議事録を打合せ簿につなげる方法、三者会議の記録の残し方を整理しました。

更新日:執筆・運営:

打合せ簿でいちばん迷うのが、発議事項の区分です。国土交通省の土木工事共通仕様書(令和8年3月版)1-1-1-2「用語の定義」は、次のように定めています。都道府県や市町村の仕様書も、おおむね同じ定義を使っています。

長野県の「共通仕様書 施工管理」の手引きは、承諾を「お金を伴わない事項」、協議を「契約内容の変更内容を受発注者間で合議する行為」と整理し、契約変更に係る打合せはすべて書面で処理することを原則としています。仕様書や運用は発注者ごとに異なるため、実際の区分は特記仕様書と監督職員の指示に従ってください。

土木工事共通仕様書 1-1-1-2 の用語の定義(要旨)
区分定義(共通仕様書)打合せ簿での使い方の例
指示監督職員が受注者に対し、工事の施工上必要な事項について書面により示し、実施させること監督職員が仮設の補強や施工順序の変更を求める
承諾契約図書で明示した事項について、発注者もしくは監督職員または受注者が書面により同意すること使用材料の承認、施工方法の承諾を求める
協議書面により契約図書の協議事項について、発注者または監督職員と受注者が対等の立場で合議し、結論を得ること設計数量と現地の食い違い、設計変更の対象かどうかの確認
提出工事に係わる書面またはその他の資料を説明し、差し出すこと施工計画書、品質管理資料、段階確認の資料
報告受注者が監督職員に対し、工事の状況または結果について書面により知らせること地元説明の経過、事故や不具合の発生と処置
通知発注者または監督職員と受注者または現場代理人の間で、工事の施工に関する事項について書面により互いに知らせること休日作業の予定、現場代理人の不在期間
連絡契約書第18条に該当しない事項または緊急で伝達すべき事項を、口頭、ファクシミリ、電子メールなどで互いに知らせること。後日の書面は不要立会の日時調整など。打合せ簿の対象外

様式は発注者ごとに決まっています(長野県は令和3年4月から国土交通省様式に変更)。どの様式でも、おおむね次の欄があります。

工事打合せ簿の主な欄と書き方
欄書くこと書き方のポイント
発議者発注者か受注者かチェック欄で明示する様式が多い
発議年月日書面を出した日回答期限がある場合は本文にも書く
発議事項指示・協議・通知・承諾・提出・報告などの区分用語の定義に合わせて1つ選ぶ。迷ったら監督職員に確認
工事名契約書どおりの工事名略称にしない
内容(件名・本文)何について、何を求めるか件名は「〇〇について(協議)」の形。本文は事実、理由、求める対応の順
添付資料図面、写真、数量計算、カタログなど添付の名称と枚数を本文に書く
処理・回答受け取った側の処理(承諾する、受理する、別途協議など)と日付条件付きの場合は条件を本文で明記
確認欄総括監督員・主任監督員・監督員、現場代理人・主任技術者など情報共有システムでは押印の代わりに承認の記録が残る

道路改良工事で、掘削中に設計図にない既設管が見つかったという架空の事例です。現場の定例会議で話し合った内容を、協議の打合せ簿にしたものです。

  • 本文は「いつ・どこで・何を確認したか」「何が問題か」「どの案を、いつまでに決めてほしいか」の順に書くと、回答が早くなります
  • 数量や金額が変わりそうなら、承諾ではなく協議にします。承諾は契約内容の大きな変更を伴わない事項に使います
  • 回答期限は、共通仕様書のワンデーレスポンス(質問・協議に1日あるいは適切な期限までに回答する)を前提に、現場と監督職員で決めておきます
記入例:工事打合せ簿(協議)。工事名・数値はすべて架空です
欄記入例
発議者受注者
発議年月日令和8年10月6日
発議事項協議
工事名市道〇〇線道路改良工事(その2)
件名No.12付近における既設管の支障について(協議)
本文10月2日、No.12+5m付近の掘削時に、設計図書に記載のない既設管(φ150、深さ約1.1m)を確認しました。試掘の結果、側溝の基礎と約0.3m重なります。つきましては、側溝の位置を0.4m道路中心側に移す案(別紙1)と、既設管を切り回す案(別紙2)について協議いたします。10月9日の定例会議までにご回答をお願いします。
添付資料別紙1 平面図・横断図(2枚)、別紙2 切り回し案(1枚)、試掘写真(4枚)
処理・回答令和8年10月8日 発注者:別紙1の案で施工すること。数量の変更は設計変更の対象として別途協議する

多くの現場では、監督職員と現場代理人、下請の職長が週1回ほど工程会議を開きます。打合せ簿の材料の多くはこの会議で出ますが、会議の議事録と打合せ簿は役割が違います。

「会議で言った」「聞いていない」の行き違いは、設計変更の協議で問題になりがちです。録音と文字起こしがあれば、打合せ簿の本文を書くときに、誰がどの条件で何を言ったかを確かめられます。ただし、打合せ簿の効力は録音ではなく書面にあります。録音は、書面を正確に書くための材料として使ってください。

  1. 01

    議題を「工程」「安全」「協議・承諾が必要な事項」に分けて進める

    会議の最初に、打合せ簿にする必要がありそうな事項を議題として出しておきます。議事録でも、この3つを見出しにすると後で拾いやすくなります。

  2. 02

    会議を録音して、文字起こしと要約を作る

    現場事務所での会議はスマートフォンアプリで録音し、監督職員がオンラインで参加する場合はZoom・Teams・Google Meetに会議ボットを参加させます。録音から文字起こしと要約ができるので、書記は会議中に議論に集中できます。

  3. 03

    議事録に「打合せ簿にする事項」の一覧を付ける

    決定事項・宿題とは別に、「協議:No.12既設管」「承諾:生コン配合」のように、区分と担当者、提出予定日を一覧にします。

  4. 04

    1件ずつ打合せ簿に起こし、監督職員の処理を受ける

    会議で話した内容は口頭のやり取りにすぎません。必要な事項は打合せ簿にして情報共有システムで提出し、処理・回答を受けてから施工します。

定例会議の議事録と工事打合せ簿の違い
項目定例会議の議事録工事打合せ簿
目的会議で出た話題・決定・宿題を全員で共有する指示・協議などを1件ずつ書面で確定させる
単位1回の会議で1つ1件の事項で1枚
効力社内・現場内の記録契約図書に基づく書面
書く人書記(現場の担当者)発議者(現場代理人または監督職員)

土木工事共通仕様書 1-1-1-14「受発注者間の情報共有」は、設計思想の伝達と情報共有のため、受注者が設計図書の照査を行った後などに、設計者・受注者・発注者が一堂に会する会議を開くと定めています。開催の詳細は特記仕様書によります。

  • 出席者:発注者(監督職員)、設計者(設計コンサルタント)、受注者(現場代理人・監理技術者)の会社名・氏名
  • 照査で見つかった事項ごとに、受注者の質問、設計者の説明(設計の考え方・前提条件)、発注者の判断
  • 設計変更の対象になりそうな事項と、その後に出す打合せ簿(協議)の予定
  • 設計者の説明は、言い回しが後で問題になりやすい部分です。要約だけでなく、根拠となる発言を時刻つきで残しておくと確認しやすくなります

元請と下請が同じ現場で作業する場合、特定元方事業者は協議組織を設置・運営し、作業間の連絡と調整を行います(労働安全衛生法第30条)。協議組織の会議は定期的に開催しなければなりません(労働安全衛生規則第635条)。

多くの現場では、工程会議の後半や翌日の作業を決める安全工程打合せで、作業間の調整と危険な作業の確認をします。打合せ簿とは別に、日付・出席した会社・調整した作業・決めた措置を残しておくと、協議組織の運営記録として説明しやすくなります。作業当日の朝のツールボックスミーティングやKY活動とつなげると、決めた対策が作業員まで届きます。

  1. 01

    録音する

    現場事務所ではiPhone・AndroidのKlangアプリで録音します。オンライン参加者がいる会議は、会議ボットに録音を任せます。

  2. 02

    文字起こしと要約を確認する

    工種名、測点(No.12+5m)、寸法、材料名は誤りやすい箇所です。気になる箇所は文をクリックして元の音声を聞き直します。

  3. 03

    AIチャットで「打合せ簿にする事項」を抜き出す

    「協議・承諾・提出が必要な事項を、区分・内容・担当・期限の表にして。発言にない期限は書かないで」のように指示すると、議事録の一覧の下書きになります。

  4. 04

    WordやExcelに書き出し、様式に貼る

    議事録はWordに、事項の一覧はExcelに書き出して、社内や発注者の様式に貼り付けます。打合せ簿の文面は、現場代理人が確認してから提出します。

Klangは、会議の録音から文字起こしと要約を作り、AIチャットで決定事項や協議が必要な事項を一覧にできます。打合せ簿の効力は書面にありますが、その書面を正確に書くための材料を、会議が終わった時点で手元にそろえられます。

  • 文字起こしはフリープランで無制限。録音ファイルは1ファイル10GBまでアップロードできます
  • Word・Excel・TXT・CSVなどに書き出して、社内や発注者の様式に貼り付けられます。発言者を自動で分ける話者の自動識別はプロプランの機能です
  • ISO/IEC 27001:2022の認証を取得し、会話データをAIの学習に使いません
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工事打合せ簿とは何ですか。

監督職員と受注者の間で、指示・承諾・協議・提出・報告・通知を書面で行うための工事帳票です。国土交通省の土木工事共通仕様書は、書面を「工事打合せ簿等の工事帳票」と定めています。

承諾と協議はどう使い分けますか。

承諾は、契約図書で明示した事項について書面で同意することです。協議は、契約図書の協議事項について受発注者が対等の立場で合議し結論を得ることで、契約内容の変更にかかわる事項は協議で扱うのが一般的です。発注者によって運用が違うため、迷う場合は監督職員に確認してください。

口頭で指示を受けた場合も打合せ簿は必要ですか。

共通仕様書の「指示」は書面により示すものと定義されています。口頭や電子メールで済ませてよいのは、契約書第18条に該当しない事項や緊急の「連絡」です。契約変更につながる内容は、口頭で受けた後でも打合せ簿にして書面で残してください。

定例会議の議事録を打合せ簿の代わりにできますか。

一般的にはできません。議事録は会議全体の記録で、打合せ簿は1件ずつ処理を受ける書面です。議事録の中で協議や承諾が必要になった事項は、別に打合せ簿を作って提出します。

会議の録音は打合せ簿の証拠になりますか。

仕様書上の効力があるのは書面(打合せ簿)です。録音と文字起こしは、打合せ簿を正確に書くための確認材料として使い、決まったことは必ず書面にしてください。録音する場合は、会議の冒頭で参加者に伝えておきます。

クレジットカードは不要です。数分でお使いいただけます。