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記者会見・取材の文字起こし

記者会見の文字起こし。全文・要旨・一問一答を、録音から速く正確に作る

記者会見の記録は、全文起こし・要旨・一問一答の3つの形で残すのが一般的です。それぞれの書き方と話者の表記、記入例、配信URLや録音から文字起こしして引用を確かめるまでの手順、取材で録音するときの伝え方と著作権法の関係する規定を整理しました。

更新日:執筆・運営:

同じ会見でも、使い道によって作る記録が変わります。最初に全文起こしを作っておくと、要旨や一問一答はそこから短時間で作れます。

報道機関や企業の広報が公開する会見録には、全文を載せるものと、要旨だけを載せるものがあります。どちらの場合も、手元には全文起こしと録音の原本を残しておくと、あとで「そんな発言はしていない」と問い合わせを受けたときに確かめられます。

決算説明会の質疑応答を記録にする場合は、決算説明会の書き起こしで質疑応答ログの作り方を紹介しています。

記者会見の記録の3つの形
形式書き方主な使い道注意点
全文起こし発言を省かずに、時刻と話者つきで書く。言いよどみは整えてよいが、意味は変えない引用の確認、社内の記録、会見録の公開聞き取れない箇所は推測で埋めず(聴取不能)と書く
要旨発表の内容を、発表順に箇条書きで短くまとめる速報、社内報告、記事の下書き要約した文を、登壇者のことばとして「」で引用しない
一問一答質疑応答を「Q(記者・社名)/A(回答者)」の形で、1問ずつ整理する質疑の記事、FAQの作成、広報の振り返り回答しなかった質問も「回答なし」として残す

記者会見は話す人が多く、質疑の途中で回答者が替わることもあります。話者の表記ルールを最初に決めておくと、全文起こしが読みやすくなり、引用の取り違えも防げます。

  • 記者は質問の前に社名と名前を名乗ることが多いので、その一言を聞き逃さないようにします
  • 同じ人の呼び方を途中で変えない(「田中社長」と「代表」を混ぜない)ようにします
  • 会場の雑音やマイクを通らない発言は、(会場から発言、聴取不能)のように状況を書きます
記者会見の話者ラベルの例
役割表記の例ポイント
司会司会(広報部 佐藤)進行の発言だけなので、要旨や一問一答では省いてよい
登壇者登壇者(代表取締役 田中)肩書きは会見の資料と同じ表記にする。複数いる場合は必ず氏名まで書く
記者記者(東西工業新聞 山本)名乗った社名と氏名を書く。聞き取れない場合は「記者(社名聞き取れず)」とする
補足回答者回答者(技術部長 鈴木)登壇者以外が答えた場合は、その人の名前で書き、誰が答えたかを明確にする

架空の企業の新製品発表会を例に、全文起こしの一部と、そこから作った要旨を示します。社名・人名・数字はすべて架空です。

記入例(架空):記者会見の全文起こし(抜粋)
00:00:05
司会(広報部 佐藤)
ただいまより、株式会社ミナト精機の新製品発表会を始めます。
00:01:12
登壇者(代表取締役 田中)
新しい小型ポンプ「MX-30」は、従来品より消費電力を約2割減らしました。発売は来年4月を予定しています。
00:14:40
記者(東西工業新聞 山本)
価格についてお聞きします。従来品より高くなるのでしょうか。
00:14:52
登壇者(代表取締役 田中)
えー、価格はまだ決めておりません。ただ、従来品より大きく上がることは考えていません。
00:15:30
記者(社名聞き取れず)
(聴取不能)の生産はどちらの工場ですか。

記入例(架空):上の全文起こしから作った要旨と一問一答

  • 新製品の小型ポンプ「MX-30」は、従来品より消費電力を約2割削減(田中社長)
  • 発売は来年4月の予定
  • Q(東西工業新聞)価格は上がるか/A(田中社長)価格は未定。「従来品より大きく上がることは考えていません」
  • Q(社名聞き取れず)生産工場について/A:要確認(質問の一部が聴取不能)

「」で囲んだのは、全文起こしと録音で原文を確かめた発言だけです。要約した部分は「」に入れていません。

オンライン配信のある会見は、配信のURLや録画から文字起こしできます。会場で取材する場合は、自分の録音機やスマートフォンで録音したファイルを使います。

  1. 01

    音声を用意する

    YouTubeで公開された会見の録画は、公開動画のURLをKlangの「URLをインポート」に貼り付けて取り込めます。ライブ配信中・限定公開・非公開の動画は取り込めないため、配信が終わって公開されてから使うか、録音ファイルをアップロードします。ファイルは1つ10GBまでです。

  2. 02

    文字起こしして話者名を付ける

    文字起こしができたら、上の表記ルールで話者名を付けます。話者を自動で分ける話者の自動識別はプロプランの機能です。フリープランでは、話者名を手で割り当てます。

  3. 03

    発表と質疑の区切りに印を付ける

    「それでは質疑応答に移ります」などの司会の発言を目印に、発表と質疑を分けます。質問ごとに時刻をメモしておくと、一問一答を作るときに録音へすぐ戻れます。

  4. 04

    AIで要旨・一問一答・引用候補を作る

    下のプロンプトをAIチャットに貼り、要旨と一問一答、原文のままの引用候補を作ります。AIの出力は下書きとして扱います。

  5. 05

    引用する発言を録音で確かめる

    記事や資料に使う発言は、時刻をたどって録音を聞き直し、一字一句確かめます。確認した発言だけを「」で引用します。

要旨・一問一答・引用候補を作るプロンプト

この文字起こしは記者会見の録音です。次の3つを作ってください。
1. 要旨:登壇者の発表内容を、発表順に箇条書きで5〜8項目。数字・日付・固有名詞は文字起こしの表記のまま残す
2. 一問一答:質疑応答を「Q(記者の社名)/A(回答者)」の形で、1問ずつ要約。回答者が答えなかった質問は「回答なし」と書く
3. 引用候補:記事で引用できそうな登壇者の発言を、言い換えずに原文のまま5つ。各発言に時刻を付ける
文字起こしにないことは補わないでください。聞き取れない箇所や意味が通らない箇所は「要確認」と書いてください。

文字起こしの誤りがそのまま記事に載ると、訂正が必要になります。AIでも人でも、聞き間違えやすい箇所は決まっています。記事にする前に、次の点を録音と照らし合わせます。

記者会見の引用で確かめる項目
項目起こりやすい誤り確かめ方
数字・単位「2割」と「2分」、「億」と「円」の取り違え、桁の誤り録音を聞き直し、配布資料の数字とも照合する
固有名詞社名・製品名・人名の漢字やカタカナ表記の誤り会見資料、公式サイト、名刺で表記を確かめる
否定・条件「考えていません」が「考えています」になる、「〜であれば」の条件が落ちる文末まで聞き、条件つきの発言は条件ごと引用する
前置き・留保「個人的には」「現時点では」などの前置きを省いて、断定に見せてしまう前置きを含めて引用するか、地の文で補う
話者補足回答した別の人の発言を、登壇者の発言として書く声と映像で回答者を確かめ、全文起こしの話者名を直す

会見場での録音は、主催者の案内に従うのが基本です。個別の取材や囲み取材で録音する場合は、録音することと使い道を相手に伝えてから始めます。

1対1の取材やインタビューの録音を記録にする流れは、インタビュー文字起こしのページで、記事の構成の作り方はインタビュー記事の書き方のガイドで詳しく扱っています。

  • 会見の案内(取材要項)に、録音・撮影の可否や配信の有無が書かれていることがあります。事前に確認します
  • 個別取材では「記事の正確さのために録音させてください。録音は記事の確認だけに使います」のように、目的を一言で伝えます
  • オフレコの申し出があった部分は、録音していても記事や共有用の記録に使わない扱いにし、全文起こしに印を付けます
  • 録音と全文起こしは、取材チームなど必要な人だけが見られる場所に保存し、保存期間を決めておきます

講演などの話した言葉は、著作権法で言語の著作物の例に挙げられています。一方で、報道や公開の演説については、利用できる場面を定めた規定があります。どの規定が当てはまるかは場面ごとに判断が必要です。

企業の新製品発表会のような会見が、どの規定の対象になるかは一概に言えません。会見の全文を自社サイトなどに転載する場合は、主催者の利用条件を確かめ、必要なら許可を取ってください。このページは一般的な情報で、法的な助言ではありません。

記者会見の記録に関係する著作権法の規定(e-Gov法令検索で確認)
規定定めている内容(要約)
第10条第1項第1号・第2項講演は言語の著作物の例に挙げられている。ただし、事実の伝達にすぎない雑報と時事の報道は、言語の著作物に当たらない
第40条第1項公開して行われた政治上の演説や陳述、裁判手続などでの公開の陳述は、同じ著作者のものを編集して利用する場合を除き、方法を問わず利用できる
第40条第2項国や地方公共団体の機関、独立行政法人などで行われた公開の演説や陳述は、報道の目的上正当と認められる場合に、新聞・雑誌への掲載や放送などができる
第41条時事の事件を報道する場合、その事件を構成する著作物や、事件の過程で見られ・聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内で複製し、報道に伴って利用できる

Klangは、録音ファイルや公開動画のURLから時刻つきの文字起こしを作り、AI要約とチャットで要旨や一問一答の下書きを作ります。発言をクリックすると録音のその位置を再生できるので、引用の確認が速くなります。

  • 音声・動画は1ファイル10GBまで。YouTubeの公開動画はURLから取り込めます
  • 文字起こしはフリープランで無制限。話者の自動識別はプロプランの機能です
  • Word・TXT・SRT・VTTなどで書き出せます。お客様のデータをAIの学習に使いません
無料で試す
記者会見の全文起こしと要旨は、どちらを作ればよいですか。

まず全文起こしを作り、そこから要旨や一問一答を作るのがおすすめです。要旨だけだと、あとで発言の正確な言い回しを確かめられません。全文起こしと録音を手元に残しておくと、引用の確認や問い合わせへの対応に使えます。

YouTubeでライブ配信中の記者会見を文字起こしできますか。

Klangはライブ配信中の動画を取り込めません。配信が終わり公開動画として残ったあとに、URLをインポートして文字起こしします。リアルタイムで文字にする機能はないため、会場で取材する場合は録音したファイルをアップロードしてください。

記者の社名が聞き取れないときはどう書きますか。

推測で社名を書かず、「記者(社名聞き取れず)」と表記します。質疑の内容が記事に必要な場合は、主催者の広報に問い合わせるか、会見の公式の記録が公開されていればそれと照らし合わせて確認します。

AIが作った要旨をそのまま記事に引用してもよいですか。

AIの要旨は要約なので、登壇者のことばとして「」で引用するのは避けてください。引用は全文起こしの原文を録音で確かめてから使います。数字・固有名詞・否定の言い回しは特に誤りが起きやすい箇所です。

記者会見の発言を自社サイトに全文転載してもよいですか。

著作権法には公開の政治上の演説や時事の事件の報道について利用できる場面を定めた規定がありますが、すべての会見に当てはまるわけではありません。全文を転載する場合は主催者の利用条件を確認し、必要に応じて許可を取ってください。このページは法的な助言ではありません。

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