広報・PRのAI活用
広報・PRのAI活用。取材の録音から、社内報とリリースの下書きまで。
生成AIは文章を速く書けますが、広報の記事は発言と数字が正確であることが前提です。社員インタビュー、取材対応、経営者のコメントを録音して文字起こしし、その発言をもとに社内報の記事やプレスリリースを下書きする方法を、架空の取材例と公開前の確認項目つきでまとめました。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
広報の仕事ごとのAIの使いどころ:早見表
「広報にAIを使う」と言っても、仕事によって任せられる範囲は違います。社内広報、採用広報、社外広報の主な仕事を、AIの使いどころ、Klangの役割、人が判断することに分けました。
Klangはプレスリリースの配信サービスでも、メディアのモニタリングツールでもありません。広報の仕事のうち、話された言葉を正確に残し、そこから下書きを作る部分を受け持ちます。記事に書かれた事実が正しいかどうかは、AIではなく広報と取材相手が確かめます。
| 広報の仕事 | AIの使いどころ | Klangの役割 | 人が判断すること |
|---|---|---|---|
| 社内報のインタビュー | 文字起こしから見出し案、リード文、本文の構成、引用候補を下書きする | 録音・文字起こし・記事構成の下書き | 引用の言い回し、社外秘の情報、写真と氏名の掲載 |
| 採用広報の社員インタビュー | 同じ取材から、採用サイト用とSNS用の長さ違いの下書きを作る | 録音・文字起こし・下書き | 社外に出してよい内容か、掲載先ごとの本人の同意 |
| 取材対応の記録(メディア対応ログ) | 記者の質問と回答を一覧にし、掲載予定や追加の依頼を抜き出す | 録音・文字起こし・要約 | 掲載前の事実確認への回答、オフレコの扱い |
| プレスリリースの作成 | タイトル案、リード文、本文の下書き | 経営者や開発担当への取材の記録と、それをもとにした下書き | 発表する事実と数字、法務の確認、配信のタイミング |
| 記者会見 | 全文の文字起こしから、要旨と一問一答を作る | 録画・録音の文字起こし・要約 | 会見録として公開する範囲、発言の訂正 |
| 経営者のメッセージ | 経営者が話した内容を、社内向けの文章に整える | 話した内容の録音・文字起こし・下書き | 経営者本人の最終確認 |
| SNSの投稿 | 記事やリリースから投稿文の案を出す | 対象外(文字起こしからの文案づくりまで) | 投稿の可否、炎上のリスク、返信 |
例:社内報インタビュー25分が、記事構成の下書きになるまで
ソフトウェア会社の広報担当が、社内報11月号の連載「となりの仕事」のために、開発部の入社3年目のエンジニアに話を聞いた例です(架空)。取材は2026年10月7日(水)、原稿の本人確認の締め切りは10月14日(水)、公開は11月2日(月)の予定です。
下の下書きは、文字起こしを開いたままAIチャットに「社内報の記事構成を作ってください。見出し案を3つ、リード文を120字前後、本文は話題ごとの段落、引用候補は発言どおりにタイムスタンプつきで」と指示して作りました。項目の名前と順番は、社内報の書式に合わせて変えられます。
引用候補を発言どおりに出させるのは、言い回しを整える前の原文を手元に残すためです。本人確認で「そうは言っていない」と言われたときは、タイムスタンプの位置で音声を再生すれば、その場で確かめられます。
文字起こし(抜粋)
- 02:10広報入社のきっかけから聞かせてください。
- 02:18中村学生のころ、アルバイト先の倉庫で、うちの在庫管理アプリを使っていたんです。
- 07:45中村1年目は、コードレビューで毎回10件くらい指摘をもらっていました。
- 08:02中村でも、指摘の理由を全部書いてくれる先輩がいて、そこから変わりましたね。確認1
- 14:30中村いまは新しい検品機能を作っていて、来年の春に出す予定です。問い合わせが3割くらい減ると見ています。確認2
- 21:40中村休みの日は、ほとんど子どもと公園にいます。確認3
- 22:10広報写真は、席で作業しているところを撮らせてください。確認3
Klangが作る記事構成の下書き
- 見出し案
- 「指摘の理由を書いてくれる先輩がいた」入社3年目エンジニアの3年間
- アルバイト先で使っていたアプリを、いまは自分が作る
- レビュー指摘10件の1年目から、新機能の担当へ
- リード文
- 開発部の中村さんは入社3年目のエンジニアです。学生時代、アルバイト先の倉庫で当社の在庫管理アプリを使っていたことが、入社のきっかけでした。1年目の苦労と、いま担当している仕事について聞きました。
- 本文の段落
- 入社のきっかけ:アルバイト先で使っていたアプリ[02:18]
- 1年目:コードレビューの指摘と、理由を書いてくれた先輩[07:45]
- いまの仕事:新しい検品機能の開発[14:30]
- 休日の過ごし方[21:40]
- 引用候補(発言どおり)
- 「指摘の理由を全部書いてくれる先輩がいて、そこから変わりましたね」[08:02]
- 「学生のころ、アルバイト先の倉庫で、うちの在庫管理アプリを使っていたんです」[02:18]
公開前に確認すること
- 確認108:02 話し言葉を整えた引用は、原稿を本人に見せて言い回しを確かめます。「先輩」の名前を出す場合は、その先輩にも了承を取ります。
- 確認214:30 未発表の機能、発売の時期、「3割」という見込みの数字は社外秘の可能性があります。開発部の責任者に掲載してよいかを確認します。採用サイトに転載する予定があるなら、社外に出る前提で判断します。
- 確認321:40 家族の話、写真、氏名の掲載は、本人の同意をメールなど記録に残る形でもらいます。社内報と採用サイトで掲載先が変わるときは、掲載先ごとに同意を取ります。
プレスリリースをAIで下書きする手順
プレスリリースで一番まちがえてはいけないのは、発表する事実と数字、そして経営者のコメントです。AIには文章の形を任せ、中身は取材の記録から取ります。
AIに「社長のコメントも考えて」と頼むと、それらしい文章が出てきます。ただ、その文章は経営者が話した言葉ではありません。リリースに載せるコメントは、本人が話した内容か、本人が確認して承認した文章に限ります。
- 01
素材を録音する
開発担当への取材や、経営者にコメントをもらう打ち合わせを録音します。オンラインなら、Zoom・Teams・Google Meetに会議ボットを参加させて録音できます。
- 02
事実の一覧を作る
文字起こしから、発表の日付、価格、対象、数字、固有名詞を一覧にするようAIに指示します。一覧の数字は、社内の決定資料と照らし合わせます。
- 03
リリースの型で下書きする
タイトル、リード文、本文、経営者のコメント、会社概要、問い合わせ先の順に下書きさせます。コメントは、録音の発言を整えたものだけを使います。
- 04
確認を経て配信する
担当部署、経営者本人、法務の確認を経てから、配信サービスや自社サイトで公開します。配信そのものはKlangの外で行います。
取材対応の記録と、録音の了承の取り方
記者の取材を受けたあと、何を聞かれて何と答えたかを正確に残しておくと、掲載前の事実確認や、掲載後に「そんな話はしていない」と問題になったときに役立ちます。
- 社内の取材では、録音する目的、保管する場所、記事のほかに使うかを話し手に伝え、了承を得てから録音します
- 記者の取材を受ける側が録音する場合も、冒頭で「記録のために録音します」と伝えます。記者側が録音することも多いので、お互いに録音していることを確かめておきます
- オフレコの申し出があった部分は、録音を止めるか、ログに「オフレコ」と残して記事や社内共有に使いません
- 録音と文字起こしはフォルダにまとめ、見られるメンバーを広報と関係者に絞ります
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 日時・媒体・記者 | 2026年10月9日(金)14:00、業界紙、記者1名(オンライン) |
| 対応した人 | 広報担当、開発部長 |
| 質問と回答 | 記者の質問ごとに、回答の要点とタイムスタンプ |
| 数字や未発表の情報 | 答えた数字、答えなかった質問、オフレコの申し出 |
| 掲載予定と追加の依頼 | 掲載号や公開日、写真や資料の追加依頼、事実確認の連絡先 |
広報チームで試すときの4つの手順
- 01
次の社内報の取材を1本録音する
話し手に目的を伝えて了承を得て、スマートフォンのKlangアプリかICレコーダーで録音します。
- 02
文字起こしを読み直す
固有名詞、製品名、部署名が正しく起こされているかを確かめ、まちがいは文字起こしの画面で直します。
- 03
社内報の書式で下書きさせる
見出し案、リード文、本文の段落、引用候補の4つを、社内報の文字数に合わせて作るよう指示します。
- 04
書く時間を比べる
文字起こしから自分で書いた場合と、下書きを直した場合の時間を、2〜3本の記事で比べます。
取材の録音を、引用まで確かめられる記録に
スマートフォンのKlangアプリやICレコーダーで録音した取材をアップロードすると、タイムスタンプつきの文字起こしとAI要約を作ります。オンライン取材は、Zoom・Teams・Google Meetに会議ボットを参加させて録音できます。過去の取材は人名や話題で横断検索でき、文字起こしはWordやテキストで書き出せます。
- 会話データをAIの学習に使いません。通信時・保存時とも暗号化しています
- ISO/IEC 27001:2022の認証を取得。フォルダごとに見られるメンバーを設定できます
- インタビュアーと話し手の発言を分ける話者の自動識別は、プロプランの機能です
よくある質問
広報の仕事で、AIはどこから使い始めるのがよいですか。
始めやすいのは、社員インタビューや取材対応、経営者のコメントを録音して文字起こしする部分です。発言がタイムスタンプつきで残るので、記事やリリースの下書きをAIに作らせても、引用を元の音声で確かめられます。
プレスリリースはAIで作れますか。
タイトル案、リード文、本文の下書きはAIで作れます。発表する事実、数字、日付、経営者のコメントは、取材の文字起こしや社内の決定事項から取り、担当部署と法務の確認を経てから配信します。AIが作った文章を、経営者が話した言葉として載せることは避けてください。
社内報の社員インタビュー記事をAIで書いてもよいですか。
取材の文字起こしから、見出し案、リード文、本文の構成、引用候補をAIで下書きするのは効率のよい方法です。公開の前に、整えた引用の言い回しを本人に確認してもらい、社外秘の情報や写真・氏名の掲載に同意があるかを確かめてください。
取材を録音するとき、相手の了承は必要ですか。
取材の冒頭で、録音することと、その目的、保管の方法を伝えて了承を得てから録音するのが基本です。記者の取材を受ける側の広報が録音する場合も同じで、オフレコの申し出があった部分は録音を止めるか、記録に「オフレコ」と残します。
Klangでプレスリリースの配信やメディアのモニタリングはできますか。
Klangでプレスリリースの配信やメディア掲載のモニタリングはできません。Klangが受け持つのは、取材や会議の録音、文字起こし、要約と、文字起こしをもとにした下書きまでです。
Klangは無料で使えますか。
Klangのフリープランは月額¥0、クレジットカード不要で、文字起こしは無制限、1ファイル10GBまでアップロードできます。インタビュアーと話し手の発言を自動で分ける話者の自動識別はプロプランの機能で、月払いは1ユーザーあたり¥1,180(税込)です。