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士業のAI活用

士業のAI活用。法律が残す仕事と、AIに移る仕事を士業別に。

税理士・社労士・司法書士・行政書士・弁護士・弁理士・中小企業診断士の7つについて、資格者だけに許された業務の条文と、秘密を守る義務の条文を1つの表にまとめました。士業ごとの詳しいページへの入口として、弁理士の発明ヒアリングの記録例もあわせて載せています。

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公開日:更新日:執筆・運営:

士業ごとに、資格者でなければ業として行えない業務、業務で知った秘密を守る義務の条文、AIに移りつつある作業、録音が生まれる場面を1行にまとめました。条文の欄は要約なので、正確な範囲と例外は原文で確かめてください。

7つの士業の独占業務・守秘義務とAIの関わり
士業独占業務(根拠)守秘義務(根拠)AIに移りつつある作業録音が生まれる場面
税理士税理士業務(税理士法第52条)第38条、使用人等は第54条記帳・仕訳の入力月次の面談、巡回監査
社労士労働社会保険の申請書等の作成や提出代行など(社会保険労務士法第27条)第21条、使用人等は第27条の2手続書類への入力、勤怠の集計人事担当者からの労務相談
司法書士登記・供託の手続の代理など(司法書士法第73条、業務は第3条)第24条登記情報の下調べ、書類の読み取り相続や会社の登記の相談
行政書士官公署に出す書類などの作成(行政書士法第19条、業務は第1条の3)第12条、使用人等は第19条の3申請様式への転記許認可の要件の聞き取り
弁護士報酬を得る目的での法律事務(弁護士法第72条)第23条(秘密保持の権利及び義務)判例や契約書の下調べ法律相談、依頼者との打ち合わせ
弁理士特許・商標などの特許庁への手続の代理など(弁理士法第75条、業務は第4条)第30条先行技術の調べ物発明者へのヒアリング
中小企業診断士なし(中小企業支援法第11条は経営診断に従事する者の登録の制度)登録規則第5条第7号・第6条(秘密を漏らした者は登録拒否・取消しの対象)財務分析や計画書のたたき台経営者へのヒアリング

「AIでなくなる士業」という問いには、士業の名前で答えるより、業務の性質で分けたほうが正確に答えられます。

  • 独占業務がある士業

    6つの士業では、書類をAIが作れても、業としてそれを作成し手続を代理する主体は資格者のままです。変わるのは1件あたりにかかる時間です。

  • 独占業務がない中小企業診断士

    経営の助言は資格がなくても行えます。AIの分析資料は誰でも手に入るため、経営者の話から課題を絞り込む力がそのまま差になります。

  • 書類の作成が中心の業務

    許認可の申請書や定型の届出のように、様式が決まっている書類ほど転記の自動化が進み、件数をこなす働き方の単価は下がりやすくなります。

  • 相談と判断が中心の業務

    相続の進め方、労務トラブル、発明の権利範囲のように、事情を聞いて判断する業務は残ります。その相談をどれだけ正確に記録できるかで、事務所の生産性が変わります。

乾燥機メーカーの開発者が考えた新しい制御方式について、特許出願を前に弁理士がWeb会議で話を聞いた場面です(架空)。全員の了承を取ったうえで、Microsoft TeamsにKlangの会議ボットを入れて記録しました。

この下書きは、発明提案書でよく使う「従来技術と課題」「発明の内容」「効果」「出願にかかわる事情」の順に並べています。特許事務所や企業の知財部門で書式が違う場合は、その見出しをそのまま指示に書けば並びが変わります。

発明者が口で説明したことと、実験データで裏付けたことは、別々の行に書き分けます。請求項をどう書くか、明細書に何を盛り込むかは弁理士が決める部分で、Klangは扱いません。

株式会社ミナモ技研 発明ヒアリング(2026年10月2日(金)・52分)参加:弁理士、開発部の発明者、知財担当。名前の表示は、プロプランで人ごとに分かれた発言へ弁理士が名前を当てたものです。

文字起こし(抜粋)

  1. 05:20発明者これまでの乾燥機は、庫内の湿度を1か所でしか測っていませんでした。
  2. 05:45発明者今回は3か所で湿度を測って、いちばん乾いていない場所に合わせてヒーターの出力を変えます。
  3. 12:10弁理士3か所という数に意味はありますか。2か所でも同じ効果は出ますか。
  4. 12:32発明者2か所でも効果はありますが、乾きムラが大きくなります。比較のデータはあります。
  5. 19:45知財担当来月の展示会に、この試作機を出す予定です。確認1
  6. 31:05発明者乾燥時間は、これまでより2割ほど短くなりました。確認2
  7. 44:20弁理士実験データと、従来品との比較の図を、来週の水曜までにお送りください。確認3

Klangが作る下書き

従来技術と課題
  • 従来機は庫内の湿度を1か所だけで測っており、乾きムラが生じる
発明の内容(発明者の説明)
  • 庫内の3か所に湿度の測定点を置く
  • 最も乾いていない測定点に合わせてヒーターの出力を切り替える
  • 測定点が2か所でも効果はあるが、乾きムラが大きい。比較データあり
効果(発明者の説明)
  • 乾燥時間が従来機より約2割短い
出願にかかわる事情
  • 来月の展示会に試作機を出展する予定(知財担当の発言)
タスク
  • 発明者:実験データと従来品との比較図を、来週水曜までに弁理士へ送る

記録にする前に確認すること

  1. 確認119:45 展示会で試作機を見せると、特許法第29条第1項の「公然知られた発明」「公然実施をされた発明」にあたるおそれがあります。出展前に出願するか、第30条の新規性喪失の例外に頼るかは弁理士が決めます。
  2. 確認231:05 「2割ほど」は口頭の説明にすぎません。明細書に書く数値は、届いた実験データと照らしてから採ります。
  3. 確認344:20 ヒアリングは10月2日(金)なので、「来週の水曜」は10月7日(水)です。期日は日付で書き直します。

中小企業診断士の仕事は、経営者から事業の事情を聞き出すところから始まります。AIで財務分析や計画書のたたき台が速く作れるほど、ヒアリングの質と、その記録の正確さが成果を左右します。

  1. 01

    経営者ヒアリングを録音する

    訪問先ではスマートフォンのアプリで録り、オンラインならZoomやGoogle Meetに会議ボットを入れます。録音する理由は最初に伝えます。

  2. 02

    「事業の現状・経営者が挙げた課題・数字の出どころ」で下書きを作る

    経営者が口にした売上や原価の数字は、決算書で確かめるまで「経営者の説明」として分けておきます。

  3. 03

    過去のヒアリングを横断して聞く

    「この社長が人手不足に触れた回は」のようにAIチャットで尋ねると、複数回の訪問から該当する発言を探せます。

  4. 04

    提案書と報告書に移す

    確かめた事実だけを、事業計画書や支援機関への報告書に移します。WordやExcelで書き出して添付できます。

士業ごとの面談の進め方と記録の項目は、それぞれのページで具体的な会話の例とともに紹介しています。

  • 税理士

    顧問先の相談と、事務所・顧問先それぞれの宿題を分けて残す面談記録。

  • 社労士

    労務相談で伝えた手順と、判断を持ち帰った論点を分けて残す相談記録。

  • 司法書士・行政書士

    相談者の説明と、戸籍や登記記録で裏付けた事実を書き分ける相談記録。

  • 弁護士

    依頼者との打ち合わせを、事実経過の時系列と次回までの課題に整理する方法。

  • 公認会計士

    経営者の説明と、監査チームが検討する事項を分けるヒアリングの記録。

守秘義務の条文は士業ごとに別々で、同じ事務所の中でも、税務の相談記録を労務の担当者が自由に読める状態は避けるべきです。複数の士業がいる事務所でツールを入れるときは、次の点から決めます。

  • 士業ごと、顧問先ごとにフォルダを切り、閲覧できる職員をフォルダ単位で指定します
  • 相談者には、録音の目的とどの士業の記録として残すかを伝えてから録音します
  • Klangは相談者との会話をAIの学習に使わず、通信も保存も暗号化しています
  • ISO/IEC 27001:2022の認証を取得しており、事務所の環境に置くオンプレミスでの導入も選べます

対面の相談はスマートフォンのアプリで録り、Web会議の相談はZoom・Teams・Google Meetに入る会議ボットに任せます。文字起こしとAI要約が終わると、相談者の名前や案件の話題で過去の相談をまとめて探せます。WordやExcelに書き出せば、案件のファイルにそのまま綴じられます。

  • フリープランは月額¥0。アップロードは1ファイル10GBまでです
  • 話者の自動識別はプロプラン(月払い¥1,180、年払いなら月あたり¥980、税込)で使えます
  • 会話はAIの学習に使わず、オンプレミスでの導入にも対応しています
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AIでなくなる士業はありますか。

AIで丸ごとなくなる士業はありません。税理士・社労士・司法書士・行政書士・弁護士・弁理士の中心の業務は、それぞれの士業法で資格者以外が業として行うことを禁じられています。なくなるのは士業ではなく、転記や下調べのような作業にかかる時間です。

AIの影響をいちばん受けやすい士業はどれですか。

影響を受けやすいのは、様式の決まった書類を大量に作る業務です。申請書や届出の転記は自動化が進みやすく、件数で稼ぐ働き方は単価が下がりやすくなります。相談を聞いて判断する業務の比重が大きい士業ほど、影響は小さくなります。

中小企業診断士の将来性はAIでどう変わりますか。

中小企業診断士には法律上の独占業務がないため、AIで作れる分析資料だけでは他との差がつきません。経営者から事情を聞き出して課題を絞り込み、実行まで伴走する部分が価値として残ります。ヒアリングの記録をAIに任せるほど、その部分に時間を使えます。

弁理士の仕事はAIで代替されますか。

先行技術の調査の補助や明細書の下書きにはAIが使われ始めていますが、特許庁への手続の代理などは弁理士法第75条で弁理士と弁理士法人に限られています。発明者から発明の本質を聞き出し、権利範囲を決める仕事は弁理士に残ります。

発明者へのヒアリングを録音してAIにかけても、秘密の扱いは大丈夫ですか。

弁理士法第30条は、業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らし、または盗用することを禁じています。未出願の発明は特に機密性が高いので、出席者の了承を取り、学習への利用がないか、暗号化と閲覧範囲の設定があるかを確かめたツールを使ってください。

Klangで申告書や登記申請書、特許の明細書は作れますか。

いずれの書類もKlangでは作れません。Klangが扱うのは面談・相談・ヒアリングの会話で、録音から文字起こし、要約、タスクの一覧を作り、過去の相談を検索できるようにします。

クレジットカードは不要です。数分でお使いいただけます。