経緯書の書き出し
- ・〇〇の件につきまして、〇月〇日から現在までの経緯を、下記のとおりご報告いたします。
- ・〇〇に至った経緯を、時系列でご説明いたします。
経緯書・顛末書 テンプレート
経緯書は、ある出来事がどのような順序で起きたかを、日時と根拠を添えて時系列の事実だけで説明する文書です。顛末書は経緯に加えて原因と再発防止策まで書き、始末書は本人のおわびと反省を書く点が違います。違いの一覧、書き方、時系列の例文、Word・Excelの無料テンプレートをまとめました。
公開日・更新日:
執筆・運営:Klang AI AB
基本
経緯書(けいいしょ)は、トラブル、納期の遅れ、契約の変更などについて、「何が、どんな順序で起きて、いまどうなっているか」を説明する文書です。反省やおわびではなく、日時と根拠のある事実を並べることで、読む人が自分で状況を判断できるようにします。
取引先から
納品の遅れ、仕様の変更、請求の誤りなどについて、経過の説明を求められたとき
社内の上位部署から
予算の超過、計画の変更、トラブルの経過を、役員会や監査部門に説明するとき
行政・金融機関などから
申請内容の変更や、手続きの遅れについて、事情の説明を求められたとき
違い
4つの文書は、どれも「起きたこと」について書きますが、目的と、おわびを書くかどうかが違います。求められた文書が何を目的にしているかを確かめてから書き始めます。
| 文書 | 目的 | 中心になる内容 | おわび・反省 | 主な提出先 |
|---|---|---|---|---|
| 経緯書 | 出来事の経過を説明する | 時系列の事実と根拠、現在の状況、今後の見通し | 書かない(社外向けは最後に一言添えることもある) | 取引先、上位の部署、行政など |
| 顛末書 | 事故・トラブルの始めから終わりまでを報告する | 経緯、原因、対応、損害、再発防止策 | 最後に短く添える | 上長、会社、取引先 |
| 始末書 | 本人の過失をわび、反省と今後を誓う | おわび、反省、今後の誓約(経緯は簡潔に) | 中心になる | 会社(懲戒の手続きで求められることもある) |
| 報告書 | 事実や結果を伝え、判断を仰ぐ | 結論、経緯、原因、今後の対応 | 書かない | 上長、関係部署 |
迷ったときは、「まだ対応中で、経過を説明したい」なら経緯書、「対応が終わり、原因と対策まで報告する」なら顛末書、「自分の過失について会社におわびする」なら始末書と考えます。けがや事故そのものの社内報告は事故報告書を使います。始末書の扱いは就業規則で定められていることが多いため、提出を求められたら規程を確認してください。
書き方
経緯書は、思い出しながら書くと日付の誤りや抜けが起きます。先に記録を集め、時系列の表を作ってから文章にします。
いつから・いつまでの、何についての経緯かを決めます。始まりは「合意した日」や「依頼を受けた日」など、事実で確かめられる日にします。
メール、議事録、打合せのメモ、チャット、作業記録を集め、日付順に並べます。記録のない出来事は、関係者に確かめます。
「日時・出来事・根拠」の3列で、1行に1つの事実を書きます。評価や言い訳は入れず、根拠の欄には資料の名前を書きます。
最後に、いまどうなっているかと、いつまでに何をするかを書きます。報告の予定日を書くと、相手の不安が減ります。
例文
システム開発会社が、顧客に納期の変更を説明する架空の例です。仕様の追加を依頼された日、影響を伝えた日、合意した日を、根拠の資料と一緒に並べています。どちらかを責める表現は使わず、事実の順序だけで読み手が判断できるようにしています。
記入例(架空の会社・人物です)。システム開発案件で、納期が2週間遅れた経緯を顧客に説明する例。
| 日時 | 出来事・事実 | 根拠 |
|---|---|---|
| 8月20日 | 設計の確定。納品日を10月15日として合意。 | 議事録 |
| 9月10日 | 経理部から、インボイスの登録番号チェック機能の追加依頼をいただく。 | メール |
| 9月12日 | 当社から、追加に約8人日かかり納期に影響しうる旨を回答。 | メール |
| 9月18日 | 定例会議で、追加機能を今回の範囲に含めることで合意。納期は「影響を精査して報告」とした。 | 議事録 |
| 10月2日 | 結合テストで、既存の請求データ約1,200件に登録番号の形式違いが見つかる。 | テスト記録 |
| 10月8日 | データ補正と再テストに10営業日が必要と判断し、納期の変更をご相談。 | 打合せ記録 |
この例では、9月18日の定例会議で「納期は影響を精査して報告」と決めたことが、議事録で確かめられることが重要です。打合せの決定事項を残しておく様式は議事録テンプレートにあります。
顛末書
顛末書は、事故やトラブルの「顛(はじめ)から末(おわり)まで」を報告する文書です。経緯に加えて、原因、損害・影響、再発防止策を書き、おわびは最後の所感に短く添えます。
記入例(架空の会社・人物です)。顧客10社分の連絡先を含むファイルを、別の取引先にメールで誤送信した例。
| 日時 | 事実 | 対応 |
|---|---|---|
| 10/6 16:05 | D社宛ての見積書メールに、社内用の連絡先一覧を誤って添付して送信。 | — |
| 10/6 16:40 | D社の中川様から「別のファイルが届いている」と電話。 | 課長に報告 |
| 10/6 17:10 | 中川様にファイルの削除をお願いし、削除のご連絡をメールでいただく。 | 削除確認書を受領 |
| 10/7 | 総務部と相談し、対象の10社に経緯をご説明し、おわび。 | 10社とも説明済み |
例文
〇〇の部分を実際の内容に置き換えて使います。社外に出す文書では、敬語をそろえ、日付は「〇月〇日」で統一します。
改善例
経緯書が差し戻されたり、かえって相手の不信を招いたりするのは、事実以外のものが混ざるときです。例はすべて架空です。
避けたい書き方
9月中旬ごろ、追加のご要望をいただきました。
改善例
9月10日、経理部から登録番号チェック機能の追加依頼をメールでいただきました。
「ごろ」「中旬」は、相手の記録と食い違う原因になります。記録で日付を確かめて書きます。
避けたい書き方
御社のご依頼が遅かったため、納期に間に合わなくなりました。
改善例
9月18日の定例会議で、追加機能を今回の範囲に含めることで合意しました(議事録)。
責任を相手に向ける表現は避け、合意した事実と根拠だけを書きます。
避けたい書き方
テストで想定外の問題が出たため、遅れが生じました。
改善例
10月2日の結合テストで、既存の請求データ約1,200件に登録番号の形式違いが見つかりました。
「想定外の問題」では、相手は何が起きたか分かりません。内容と件数を書きます。
避けたい書き方
できるだけ早く納品できるよう努めます。
改善例
10月22日に再テストを終え、10月29日に納品します。毎週金曜日に進捗をご報告します。
今後の見通しは日付で書きます。報告の予定を書くと、相手が次の判断をしやすくなります。
ハラスメントや不正などの社内調査で、聞き取りから事実を認定して報告する場合は、社内調査報告書の書き方を参照してください。
ダウンロード
Word版は2種類(各2ページ:空欄と記入例、A4縦)。Excel版は、経緯書と顛末書の記入用シートと記入例をまとめた1ファイルです。登録不要・無料で、提出先の指定に合わせて自由に書き換えられます。
件名、提出日、提出先、作成者、対象期間、関係者、概要、経緯(日時・出来事・根拠の時系列表)、現在の状況、今後の対応・見通し。
登録不要・無料。Word版は1ページ目が空欄、2ページ目が記入例(A4縦)。
件名、提出日、提出先、作成者、発生日時、関係者、概要、経緯(日時・事実・対応)、原因、損害・影響、再発防止策、所感。
登録不要・無料。Word版は1ページ目が空欄、2ページ目が記入例(A4縦)。
KLANG
経緯書の説得力は、日付ごとの事実に根拠(メール・議事録・記録)があるかで決まります。Klangは会議の録音から文字起こし・要約・決定事項・タスクを自動で作成し、フリープランでも文字起こしは無制限です。打合せのたびに記録が残っていれば、後から経緯書を書くときに「いつ・誰が・何を合意したか」を確かめられます。
社外との打合せを録音するときは、相手に目的を伝えて了承を得てください。経緯書の事実は、AIの整理をそのまま使わず、元の記録で日付と内容を確かめてから書きます。
無料で試す経緯書は、ある出来事がどのような順序で起きたかを、時系列で事実だけを並べて説明する文書です。トラブルや遅れについて、取引先や上位の部署から「どうしてこうなったのか」の説明を求められたときに作ります。
経緯書は、出来事の経過を時系列で説明することが中心で、まだ解決していない途中の段階でも作ります。顛末書は、事故やトラブルの始まりから終わりまで(経緯・原因・対応・再発防止策)をまとめて報告する文書で、多くは対応が終わってから作ります。
顛末書は、何が起きたかと原因、再発防止策を伝える報告の文書で、おわびは最後に短く添える程度です。始末書は、本人が自分の過失を認め、おわびと反省、今後の誓約を書く文書で、就業規則によっては懲戒処分(譴責など)の手続きとして求められます。
経緯書は事実の説明が目的なので、原則としておわびや反省は書きません。社外に提出する経緯書で一言添える場合は、本文とは別に、最後に簡潔に書きます。
出来事の経過をいちばんよく知る担当者が下書きを作り、上長が内容と表現を確認して、会社や部署の名前で提出するのが一般的です。社外に出す場合は、日付と事実を記録で確かめ、責任の所在に触れる表現は上長や法務と相談してから書きます。
法律で決まった書式はなく、社内や提出先の指定がなければ自由です。件名、提出日、提出先、作成者、対象期間を書き、本文は「日時・出来事・根拠」の表で時系列に並べると読みやすくなります。