社内会議(定例・進捗)
決定事項とToDoの追跡が目的です。前回のToDoの消化状況から書き始めると、議事録が仕事の管理表として機能します。議論の要点は短く、決定と行動を厚く書きます。
議事録の基礎ガイド
議事録とは、会議で何が話され、何が決まり、誰が何をいつまでに行うかを、参加しなかった人も確認できる形で残す文書です。目的、議事メモ・議事要旨・会議録との違い、必ず入れる項目、署名・押印と保存期間のルールを、会社法などの条文とあわせて整理します。
議事録の意味
議事録(ぎじろく)とは、会議で決まったこと、その理由、誰がいつまでに何をするかを、出席しなかった人も確認できるように残す文書です。英語では minutes(meeting minutes)といいます。発言をすべて書き写す会議録とは違い、結果と経緯を整理して残します。
議事録とは、会議の内容と結果を、後から関係者が確認できる形で残す公式の記録です。発言をすべて書き写す文書ではなく、決定事項、保留事項、誰が何をいつまでに行うかを、そこに至った経緯とともに整理したものを指します。会議に出ていない人が読んでも、何が決まり、自分が次に何をすべきかが分かる状態が、良い議事録の目安です。
このページでは、議事録の定義と目的、議事メモや会議録との違い、必ず入れる項目、会議の種類による違い、署名・押印と保存期間のルール、AIの位置づけを順に説明します。書く手順とコツは議事録の書き方とコツ、記入済みの完成形は議事録の例文・サンプル、空欄の様式は議事録のフォーマット・テンプレートに分けています。
いつ、誰が集まり、何を話したかを残します。欠席した人や後から加わる人が、経緯を追えるようにするための基本の役割です。
決まったこと、決まらなかったこと、次に誰が何をするかを明文化し、参加者の認識をそろえます。「言った・言わない」を防ぐ役割です。
取引先との合意、社内の意思決定、法令で作成が求められる会議の記録として、後日の確認や監査、紛争時の資料になります。
三つの目的は会議によって重みが変わります。社内の定例では記録と合意形成が中心で、取引先との商談では証跡の比重が上がり、法令で作成が定められた会議では証跡そのものが目的になります。どの目的が強い会議かを先に決めると、書く粒度と共有範囲が決まります。
似た言葉が多いので、目的と作る時期で整理します。議事メモは自分用の走り書き、議事要旨は要点だけの短い版、会議録は発言をそのまま残す記録です。議事録と会議録は混同されがちですが、会議録が発言そのものを残すのに対し、議事録は結果と経緯を整理します。文字起こしは会議録に近い素材で、そこから要点を抜き出して議事録にします。
| 文書 | 目的 | 主な内容 | 作る時期 | 向く場面 |
|---|---|---|---|---|
| 議事録 | 決定と経緯を公式に残す | 決定事項、保留事項、ToDo、議論の要点 | 会議直後(当日から翌営業日) | 社内会議、商談、プロジェクト定例 |
| 議事メモ | 自分や少人数の備忘 | 気づき、発言の断片、個人的な宿題 | 会議中 | 参加者個人の整理、議事録の下書き |
| 議事要旨 | 会議の要点だけを短く伝える | 主な論点と結論の要約 | 会議後(議事録より先に出すことも) | 審議会などの速報的な公表、社内の速報 |
| 摘録(てきろく) | 要点を抜き出して残す | 議事の要点の抜き書き。「議事摘録」として議事録の形式名に使われることも | 会議後 | 要点だけを残す規程の会議 |
| 会議録(発言録) | 発言を発言順に近い形で残す | 誰が何を言ったかの逐語に近い記録 | 会議後、録音や速記から | 議会、審議会、公的な会合、紛争に備える場面 |
| 逐語録(ちくごろく) | 言い直しや相づちも含めて一字一句残す | 発言の全文、沈黙・笑いなどの記号、時刻 | 会議後、録音から | インタビュー調査、カウンセリング、証言の記録 |
| レジュメ(アジェンダ) | 会議前に論点を共有する | 目的、議題、配布資料、時間配分 | 会議前 | どの会議でも準備の段階 |
| 議事次第 | 形式が決まった会議の進行順を示す | 開会、議案、報告、閉会の順番 | 会議前 | 総会、式典、公的な会議 |
| 備忘録 | 忘れないための個人の覚え書き | 気づき、宿題、連絡事項 | 随時 | 個人の記録(会議に限らない) |
議事メモの書き方と、議事メモを議事録に仕上げる手順は議事メモとは(摘録との違い)、発言者ごとに時系列で残す記録の様式は会議録とは(テンプレートつき)で詳しく説明しています。
会議の種類が違っても、次の九つは共通して入れます。テンプレートにこの順で欄を作っておくと、会議中は埋めるだけになります。
| 項目 | 書き方 | 記入例 |
|---|---|---|
| 1. 会議名 | 何の会議か、定例なら第何回かを書く | 第12回 申込フォーム改善 定例 |
| 2. 日時 | 開始と終了の時刻まで書く | 2026年9月4日 10:00〜10:45 |
| 3. 場所・形式 | 会議室名、オンラインの場合はツール名 | 3階会議室B/オンライン併用 |
| 4. 参加者 | 所属と氏名。欠席者と記録者も書く | 営業部 佐藤、開発部 田中(記録)、欠席:鈴木 |
| 5. 議題 | 事前に決めた論点を番号付きで | 1. 公開日の確定 2. 問い合わせ導線 |
| 6. 決定事項 | 合意した内容を、主語と期日を含む一文で | 新フォームを9月18日に公開する |
| 7. 保留事項 | 決まらなかったことと、誰がいつ決めるか | 料金表示の要否は9月11日に部長が判断 |
| 8. ToDo(担当・期限) | 行動、担当者、期限を一組で | 確認用URLを共有する/田中/9月8日 |
| 9. 次回予定 | 次回の日時と主な議題 | 9月11日 10:00 公開前の確認 |
議論の要点は、決定に至った理由や反対意見の要旨を、決定事項とは分けて短く書きます。発言者名を付けるかどうかは、会議の性質と社内ルールで決めます。記入例の氏名や日付は架空のものです。
この9項目を欄にした議事録フォーマットを、Word・Excelで無料配布しています(登録不要)。
九つの項目は共通ですが、厚く書く場所は会議の種類で変わります。代表的な四つの会議で、何を重視するかを整理します。
決定事項とToDoの追跡が目的です。前回のToDoの消化状況から書き始めると、議事録が仕事の管理表として機能します。議論の要点は短く、決定と行動を厚く書きます。
相手との合意内容と次のアクションを残し、相手にも共有することで認識のずれを防ぎます。金額、納期、条件は言い換えず、確認した数字をそのまま書きます。
課題、リスク、判断とその理由を残し、後から経緯を辿れるようにします。判断の前提が変わったときに、どの判断を見直すべきか分かる形が望ましいです。
会社法で議事録の作成が義務付けられ、記載事項は会社法施行規則に定められています。株主総会の議事録には開催の日時及び場所、議事の経過の要領及びその結果などの記載が求められ(第72条)、取締役会の議事録にも法定の記載事項があります(第101条)。書式、署名・押印、保存にも決まりがあるため、専門情報や専門家に確認してください。
取締役会・株主総会など法令で作成が定められた議事録の署名・押印と保存期間は、次の節で条文とあわせて説明します。
SIGNATURE
社内会議や打ち合わせの議事録に、署名や押印の法律上の義務はありません。署名・記名押印が法律で求められるのは、取締役会や監査役会など一部の会議の議事録です。
| 会議 | 書面の議事録 | 電子の議事録 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 取締役会 | 書面なら、出席した取締役と監査役が署名または記名押印する | 電子署名(会社法施行規則第225条) | 会社法第369条第3項・第4項 |
| 監査役会 | 書面なら、出席した監査役が署名または記名押印する | 電子署名(会社法施行規則第225条) | 会社法第393条第2項・第3項 |
| 株主総会 | 会社法上の署名義務はない。議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名を記載する | — | 会社法第318条第1項、会社法施行規則第72条 |
| 社内会議・打ち合わせ | 法律上の決まりはない。社内規程や取引先との取り決めに従う | — | — |
取締役会の議事録は、決議に参加した取締役が議事録に異議をとどめないと、その決議に賛成したものと推定されます(会社法第369条第5項)。署名・押印は「内容を確認した」ことの表明でもあるため、法定の議事録では内容を読んでから署名することが大切です。電磁的記録で作る場合、署名または記名押印に代わる措置は電子署名と定められています(会社法施行規則第225条)。
社内会議の議事録では、署名の代わりに「確認者」「承認日」の欄を設ける、参加者に確認期限を伝えて共有する、取引先との打ち合わせなら「相違があれば◯日までにご連絡ください」と添えて送る、といった運用が一般的です。どこまで確認を求めるかは、社内規程で決めておきます。
条文は会社法(e-Gov法令検索)と会社法施行規則(e-Gov法令検索)で確認できます。取締役会議事録の様式は取締役会議事録テンプレートにあります。株主総会議事録の記載事項と記載例は株主総会議事録の書き方とテンプレートで詳しく解説しています。
取締役会議事録の署名・記名押印と電子署名は取締役会議事録の書き方、マンション管理組合の総会(議長と出席した区分所有者2名が署名)は管理組合の議事録、署名人の選び方と署名・記名押印の違いは議事録署名人とはで説明しています。
RETENTION
議事録の保存期間は、法令で作成が定められた会議かどうかで決まります。会社法の議事録は10年、安全衛生委員会などの記録は3年です。社内会議の議事録には法律上の保存期間がないため、文書管理規程で決めます。
| 会議 | 保存(備置き)期間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 株主総会 | 株主総会の日から10年間、本店に備え置く。支店には写しを5年間 | 会社法第318条第2項・第3項 |
| 取締役会 | 取締役会の日から10年間、本店に備え置く | 会社法第371条第1項 |
| 監査役会 | 監査役会の日から10年間、本店に備え置く | 会社法第394条第1項 |
| 安全委員会・衛生委員会・安全衛生委員会 | 開催の都度、委員会の意見と講じた措置、議事で重要なものを記録し、3年間保存する | 労働安全衛生規則第23条第4項 |
| 社内会議・打ち合わせ | 法律上の定めはない。文書管理規程で期間を決める | — |
会社法の「備え置く」は、株主や債権者が閲覧・謄写を請求できるように本店に置いておく義務です。安全委員会・衛生委員会などの記録については、労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)の第23条で、委員会の議事の概要を労働者に周知することも定められています。書き方とテンプレートは安全衛生委員会の議事録テンプレートにまとめています。
社内会議の議事録の保存期間を決めるときは、契約や取引の経緯を示す議事録は関連する契約書類と同じ期間にそろえる、人事に関わる内容は閲覧できる人を限定する、など記録の用途から考えます。録音や文字起こしを残す場合は、議事録とは別に保存期間と削除の手順を決めておきます。
このページの法令の記載は2026年10月3日時点の一般的な情報で、法的助言ではありません。会社の機関設計や定款、個別の事情によって必要な対応は変わります。法定の議事録の作成・保存については、弁護士・司法書士などの専門家に確認してください。
議事録の取り方で大切なのは、発言をすべて書き写すことではなく、後で議事録に必要な情報を確実に拾うことです。会議中は次の4つに絞ります。
メモが追いつかないときの対策は議事録のコツ、記録係として会議中にやることは書記の役割、メモを議事録の文章に直す方法は議事録の書き方の例、見やすい書式は議事録フォーマットの選び方にまとめています。会議前の準備から共有前の確認までの手順は、次のページで説明しています。
録音を文字起こしし、要約や決定事項・ToDoの候補を作るAIサービスは、議事録の下書きを作る工程を担います。ただし、AIの出力は会議録に近い素材と下書きであって、議事録そのものではありません。固有名詞・数字・日付・否定表現を元音声と照合し、会議で実際に合意した内容だけを残すのは人の役割です。
Klangは、会議の録音ファイルのアップロード、ブラウザやアプリでの録音、Zoom・Microsoft Teams・Google Meetの会議に参加する会議アシスタントから音声を取り込み、文字起こしとAI要約、決定事項・ToDoの候補を作成します(話者の自動識別はプロプラン)。文をクリックすると該当箇所の音声を再生できるため、照合しながら議事録に整えられます。会話データはAIモデルの学習に利用せず、ISO/IEC 27001:2022認証を取得しています。
文字起こし
会議録に近い素材。話者の自動識別はプロプランで利用できます
要約と決定事項・ToDoの候補
議事録の下書きとして使い、人が確認して確定
元音声で照合
文をクリックして該当箇所を再生し、数字と固有名詞を確認
議事録を残すときの注意点
議事録は、決定事項・保留・ToDoと経緯を正式な文書として残し、確認や承認を経て共有するものです。議事メモは要点を手早く書き留めた略式の記録、摘録(てきろく)は要点を抜き書きしたもので、「議事摘録」として正式な記録の名前に使う組織もあります。
文責は「文章の責任」の略で、その議事録の記載内容に責任を持つ人、つまり作成者を示します。「文責:総務部 佐藤」のように、議事録の冒頭の作成者欄か末尾に書くのが一般的です。発言者本人の確認を経ていない要約であることを示す意味もあるため、社外の人の発言をまとめた議事録では特に入れておくと、誤りがあったときの問い合わせ先が明確になります。
発言をすべて書き写さず、決まったこと・ToDo(担当と期限)・後で確認することの3つに印を付けて書きます。アジェンダの議題を先に見出しとして書いておき、数字と固有名詞は略さず、聞き逃したら録音で確認します。
会議で何が話され、何が決まり、誰が何をいつまでに行うかを、参加しなかった人も確認できるように整理した公式の記録です。発言の全文ではなく、結果と経緯を残す文書です。
記録、合意形成、証跡の三つです。経緯を追えるようにし、参加者の認識をそろえ、後日の確認や監査、紛争時の資料になります。目的によって、書く粒度と共有範囲が変わります。
会議録は発言を発言順に近い形で残す記録で、議事録は決定事項と経緯を整理した文書です。文字起こしは会議録に近い素材で、そこから要点を抜き出して議事録にします。
会議名、日時、場所・形式、参加者、議題、決定事項、保留事項、ToDoの担当と期限、次回予定の九つです。議論の要点は決定事項と分けて短く添えます。
文字起こしと要約、決定事項・ToDoの候補までは任せられます。固有名詞や数字の照合、実際に合意した内容の確認、共有範囲の判断は人が行います。録音の告知と社内ルールも先に決めます。
社内会議の議事録には法律上の決まりはなく、社内規程に従います。取締役会の議事録は、書面で作成する場合に出席した取締役と監査役の署名または記名押印が会社法第369条第3項で求められ、監査役会の議事録も同様です(第393条第2項)。株主総会の議事録には会社法上の署名義務はありません。
株主総会・取締役会・監査役会の議事録は、会社法で会議の日から10年間、本店に備え置くことが定められています。安全委員会・衛生委員会などの記録は、労働安全衛生規則第23条第4項で3年間の保存が定められています。社内会議の議事録は法律上の定めがないため、文書管理規程で期間を決めます。
取締役会や監査役会の議事録を電磁的記録で作る場合、署名または記名押印に代わる措置として電子署名が必要です(会社法施行規則第225条)。社内会議の議事録は、確認者と確認日を記録する運用で足ります。
社内会議の議事録の書式に法律上の決まりはありません。株主総会や取締役会の議事録は、記載すべき事項が会社法施行規則(第72条・第101条)で定められています。社内向けには、箇条書き型や決定事項先行型などのフォーマットから会議に合う型を選びます。
決まった期限はありませんが、記憶が新しいうちに共有し、訂正を受け付けてから確定版にするのが一般的です。取引先との商談は相手にも共有し、認識のずれを早く見つけます。
5つの手順、書き方の例、5W1H、よくある間違い、苦手な人向けのコツと議事録チェッカー。
読む見やすい4つの型と、Word・Excelの無料テンプレート8種類。
読む録音から文字起こし、要約、決定事項・ToDoの下書きまでを作る流れを説明します。
読む打ち合わせ・定例会議・1on1・商談・経営会議など、記入済みの議事録の例8つ。
読む会議の録音から、確認できる文字起こしを作る方法と注意点をまとめます。
読む録音・文字起こし・AI要約を業務で使うときの社内ルールを8つの項目で整理します。
読む結論から書く構成と5W1Hのチェック、種類別の項目、録音から下書きを作る方法。
読む決定事項・ToDo・未決事項など、目的別にコピーできるプロンプトと出力例。
読む文末をそろえる、1項目1内容にするなど、読みやすい箇条書きのルールと改善例。
読む会議ごとの目的・決定権限・頻度を決める会議体の設計と、会議体一覧の例。
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