メインコンテンツへスキップ

特定技能の支援実務

特定技能の定期面談:記録の残し方と定期面談報告書

1号特定技能外国人の支援では、本人と監督者の両方と、3か月に1回以上の定期面談が義務です。2025年4月の制度改正で変わったこと(定期届出の年1回化、オンライン面談の条件)、参考様式第5-5号・第5-6号の項目、面談で聞くことと記録の残し方を、出入国在留管理庁の資料で確かめて整理します。

更新日:執筆・運営:

制度の説明は、出入国在留管理庁の省令・運用要領・参考様式(2026年11月2日時点)に基づく一般的な情報です。個別の判断は、管轄の地方出入国在留管理局や専門家に確認してください。

定期面談は、特定技能基準省令が定める義務的支援の1つです。運用要領は、面談の相手・頻度・やり方を次のように示しています。

定期面談報告書は、ふだんは入管に提出しません。支援の状況に係る文書として備えておき、地方出入国在留管理局から求められたときに見せます。2026年3月24日の運用要領の一部改正でも、定期面談報告書を「支援の状況に係る文書として保存してください」と明記しています。

特定技能の定期面談の要点(特定技能基準省令・運用要領、2026年11月2日確認)
項目内容
根拠特定技能基準省令 第3条第1項第1号ヌ(定期的な面談の実施と、法令違反を知ったときの通報)
面談の相手1号特定技能外国人本人と、その人を監督する立場にある人(指揮命令をする上司など。派遣の場合は派遣先の監督者)の、それぞれ
頻度3か月に1回以上
面談する人支援責任者または支援担当者。支援を全部委託している場合は登録支援機関。通訳は補助として同席できる
言語外国人本人との面談は、本人が十分に理解できる言語(母国語に限らない)
記録面談ごとに定期面談報告書(本人用:参考様式第5-5号、監督者用:第5-6号)を作成して保存
保存期間特定技能雇用契約の終了日から1年以上(電子データでの保存も可)

2025年4月1日の改正で、届出と面談のやり方が変わりました。面談の頻度は変わっていないので、「届出が年1回になったから面談も年1回」ではありません。

年1回の届出は、4月1日から翌年3月31日までを対象に、翌年度の4月1日〜5月31日に出します(5月31日が土日祝日なら翌開庁日)。初めての年1回の届出は2026年4月1日〜5月31日でした。支援を全部委託している場合も、届出をまとめて出すのは受入れ機関(特定技能所属機関)です。

2025年4月1日の改正前後(出入国在留管理庁「特定技能制度の運用改善」資料、2026年11月2日確認)
項目2025年3月まで2025年4月から
定期面談の頻度3か月に1回以上変わらず3か月に1回以上
面談の方法対面本人の同意があればオンラインも可(録画と保管が条件)
定期届出四半期ごと(受入れ・活動状況と支援実施状況を別々に)年1回。参考様式第3-6号「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」にまとめて、4月1日〜5月31日に前年度分を届出
定期面談報告書第5-5号・第5-6号同じ様式番号のまま改訂。「方式(対面・オンライン)」の欄が加わった

オンライン面談は、運用要領が定める条件を満たす場合に限って使えます。「必要」とされている条件と、「望まれる」とされている運用を分けて押さえます。

録画は、Zoom・Teams・Google Meetの録画機能などで動画として残します。Klangなどの会議ボットを参加させる場合も、面談の前に本人に説明して同意を得てください。文字起こしは録画の代わりにはなりませんが、録画を見返さなくても「何を聞き、何と答えたか」を確かめられるので、報告書を書くときや次回の面談の準備に使えます。

  • 必要:本人の同意があること(支援計画書 参考様式第1-17号の該当欄で同意を確認)。同意がない、または本人が対面を希望した場合は対面で行う
  • 必要:面談の様子を録画し、特定技能雇用契約の終了日から1年以上保管する。入管から閲覧を求められたら応じる
  • 必要:業務・待遇・保護に問題が疑われる場合や、第三者の介入が疑われる場合は、改めて対面で面談する
  • 望まれる:受入れ後最初の面談と、面談担当者が変わった後の最初の面談は対面。オンラインを使う場合も年1回以上は対面
  • 望まれる:周りに他の人がいないことを、カメラで部屋全体を映してもらうなどして確かめる。質問の順番や聞き方を毎回変えるのも効果的とされている

報告書は、5つの事項ごとに「問題の有無」と「内容」を書く形です。面談の質問を報告書の順番に合わせておくと、聞き漏らしがなくなり、書き写す手間も減ります。

監督者用の第5-6号は、同じ項目を受入れ機関の側から確かめる様式です(「契約と異なる業務に従事させていないこと」など)。監督者用には、健康診断を定期的に実施しているかの確認も入っています。本人の答えと監督者の答えが食い違う項目は、その場で両方の記録を見比べると気づけます。

報告書には、面談日・方式(対面かオンラインか)・面談対応者の氏名と役職、基準不適合等があった場合の対応(責任者への通知、通報の有無と通報先)を書く欄もあります。

参考様式第5-5号の確認事項と、質問の例(様式は出入国在留管理庁、2026年11月2日時点のExcel版。質問例はKlangによる)
事項様式の確認内容質問の例
① 業務契約と違う業務をしていない/他の事業主の下で働いていない/安全衛生に配慮して働けている今、どんな仕事をしていますか。ほかの会社や場所で働くことはありますか。けがをしそうな作業はありますか。
② 待遇毎月の報酬/労働時間/休日・休暇(一時帰国休暇を含む)/住居/食費・居住費/支援計画どおりの支援給料は毎月、決まった日にもらえていますか。残業や夜勤は何回ありましたか。休みは取れていますか。
③ 保護暴行・脅迫などがない/保証金・違約金の契約がない/不当な財産管理がない/旅券・在留カードを自分で保管/私生活の自由パスポートと在留カードは、今どこにありますか。通帳やお金を、だれかに預けていますか。
④ 生活日常生活のトラブルがない/健康状態に異常がない住まいで困っていることはありますか。体の調子はどうですか。
⑤ その他不法就労者が働いていない/その他ほかに相談したいことはありますか。
⑥⑦基準不適合等の有無/その他特筆すべき事項(面談した人が判断して記入)

通訳が同席した対面面談を録音し、文字にしてから報告書の項目に書き写した例です。報告書の「内容」欄は、文字起こしから必要な事実だけを抜き出して書きます。

1. 面談の録音を文字にした記録(抜粋)
支援担当者
前回の面談から3か月たちました。夜勤の回数は、契約のときの説明と比べてどうですか。
通訳
(ベトナム語で質問を伝える)
通訳
10月から夜勤が週3回になったそうです。夜勤の日は、休憩が取れない日があると言っています。
支援担当者
休憩が取れなかった日は、どのくらいありましたか。
通訳
10月は4回くらいだそうです。給料の明細はまだ確認していないそうです。
支援担当者
住まいで困っていることはありますか。
通訳
寮のエアコンが2週間前から動かないそうです。管理人さんには伝えたと言っています。
支援担当者
パスポートと在留カードは、今どこにありますか。
通訳
自分の部屋の引き出しに入れているそうです。

ベトナム語の部分はKlangの対応言語に含まれないため、文字にされるのは日本語の質問と通訳の訳です。

2. 定期面談報告書(参考様式第5-5号)の項目に書き写す

① 業務問題なし

内容:雇用契約と異なる業務はなし

対応:―

② 待遇(労働時間)問題あり

内容:10月から夜勤が週3回。夜勤日に休憩が取れない日が月4回ほど

対応:所属機関の担当者に勤務表と休憩の記録を確認。賃金への反映を次回までに確認

③ 保護(旅券・在留カード)問題なし

内容:本人が自室で保管

対応:―

④ 生活問題あり

内容:寮のエアコンが2週間故障。管理人には連絡済み

対応:所属機関に修理日を確認し、本人に連絡

⑥ 基準不適合等確認中

内容:現時点で法令違反は確認できず

対応:休憩・賃金の確認結果を記録に追記

架空の例です(介護分野、1号特定技能外国人1名、通訳同席、対面)。報告書の文言は面談した人が確かめて書き、文字起こしは「何を聞き、何と答えたか」を後から確かめる根拠として残します。

対面の面談を録音することは、省令にも運用要領にも定めがありません。録音するなら、目的と保管のしかたを本人と監督者に説明し、了承を得てから始めます。

言語に注意が必要です。Klangが文字起こしできるのは日本語・英語・ポルトガル語・スペイン語などの17言語で、ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語・タガログ語・ネパール語・中国語には対応していません。これらの言語で話した部分は正しく文字にならないため、通訳が同席する面談では、日本語の質問と通訳の訳が記録の中心になります。日本語で面談する監督者との面談は、そのまま文字にできます。

  1. 01

    最初に目的を伝える

    「報告書を正確に書くために録音します。支援の記録として保管し、ほかの目的には使いません」と、本人が十分に理解できる言語で伝え、了承を得ます。断られたら録音しません。

  2. 02

    報告書の順番で質問する

    ①業務→②待遇→③保護→④生活→⑤その他の順に聞くと、文字起こしもその順に並び、書き写しやすくなります。

  3. 03

    文字起こしで事実を確かめる

    回数・日付・金額など、報告書に書く事実を文字起こしで確かめます。話者を分けておくと、だれの発言かが分かります。

  4. 04

    報告書は人が判断して書く

    「問題の有無」と「基準不適合等の有無」は、面談した人が判断して記入します。文字起こしとAIの要約は、その判断の根拠として残すものです。

定期面談のほかにも、本人に説明して確認書を残す義務的支援があります。どちらも本人が十分に理解できる言語で行い、本人の署名入りの確認書を保存します。

時間の目安は運用要領で「必要と考えられます」と示されているもので、省令の条文にある数字ではありません。説明の内容と、本人が理解したかを確認書に残すことが求められます。

事前ガイダンスと生活オリエンテーション(運用要領、2026年11月2日確認)
項目事前ガイダンス生活オリエンテーション
方法対面、またはテレビ電話・ビデオ通話(本人確認が必要)。郵送やメールだけは不可対面のほか、質問に答えられる体制があれば映像教材も可
時間の目安3時間程度(同じ機関で引き続き働く場合でも1時間未満は不十分)8時間以上(生活状況が変わらない技能実習修了者などでも4時間未満は不十分)
確認書参考様式第5-9号(本人が署名)参考様式第5-8号(本人が署名)

面談で法令違反や問題を知ったときは、報告書の「基準不適合等への対応」欄に経過を残し、内容に応じた先へ通報・届出をします。

  • 長時間労働・賃金の不払い・最低賃金違反など労働関係法令の違反:労働基準監督署などに通報
  • 入管法違反や、旅券・在留カードの取り上げ:地方出入国在留管理局に通報
  • 自社支援で基準不適合を知った場合:基準不適合に係る届出(参考様式第3-5号)
  • 自社支援で支援の実施が難しくなった場合:支援実施困難に係る届出(参考様式第3-7号)を14日以内に
  • 登録支援機関:特異事案があった場合の報告(参考様式第4-3号)を14日以内に

Klangは、面談の録音ファイルをアップロードするか、オンライン面談に会議ボットを参加させるだけで、日本語の文字起こしと要約を作ります。報告書の5つの事項ごとに聞き取った内容をまとめるよう指示して下書きを作り、Wordで書き出せます。

  • フリープランは文字起こしの時間に上限なし。Word書き出しも無料
  • 話者の自動識別(支援担当者・通訳・本人の区別)はプロプラン
  • 日本語・英語・ポルトガル語・スペイン語など17言語に対応(ベトナム語・インドネシア語などは未対応)
面談の録音から記録を作る方法を見る
特定技能の定期面談は、2025年4月から年1回になったのですか?

いいえ。年1回になったのは入管への定期届出で、定期面談は従来どおり3か月に1回以上です。2025年4月以降の定期届出は、参考様式第3-6号「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」で、4月1日から翌年3月31日までの分を、翌年度の4月1日〜5月31日に届け出ます。

定期面談報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)は入管に提出しますか?

ふだんは提出しません。面談のたびに作成し、支援の状況に係る文書として特定技能雇用契約の終了日から1年以上保存して、地方出入国在留管理局から求められたときに見せます。面談で問題が認められ、支援実施困難の届出や特異事案の報告をするときは、その報告書の写しを添付します。

定期面談はオンラインでもできますか?

2025年4月から、面談を受ける本人の同意があればオンラインでもできます。ただし、面談の様子を録画して特定技能雇用契約の終了日から1年以上保管すること、本人が対面を希望したら対面で行うこと、問題や第三者の介入が疑われたら改めて対面で面談することが必要です。最初の面談と、年1回以上は対面で行うことが望まれるとされています。

面談は何語で行えばよいですか?

外国人本人との面談は、本人が十分に理解できる言語で行います。母国語でなくても構いませんが、本人が内容を余すことなく理解できる言語である必要があります。通訳を補助として同席させることもできます。監督者との面談は日本語で構いません。

定期面談を録音してもよいですか?

対面の面談の録音について、省令にも運用要領にも定めはありません。録音する場合は、報告書を正確に書くためなど目的を本人が理解できる言語で説明し、了承を得てから始め、支援の記録として適切に保管します。オンライン面談の録画は、録音とは別に、条件として必要です。

Klangでベトナム語やインドネシア語の面談を文字起こしできますか?

できません。Klangが対応しているのは日本語・英語・ポルトガル語・スペイン語など17言語で、ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語・タガログ語・ネパール語・中国語は対象外です。通訳が同席する面談では、日本語の質問と通訳の日本語訳が文字になります。監督者との日本語の面談は、そのまま文字にできます。

自社支援でも定期面談は必要ですか?

必要です。支援を登録支援機関に全部委託せず自社で行う場合は、受入れ機関の支援責任者または支援担当者が面談します。全部を委託している場合は、登録支援機関が面談します。どちらの場合も、本人と、本人を監督する立場の人(同じ部署の上司など、指揮命令をする人)の両方と面談します。

クレジットカードは不要です。数分でお使いいただけます。