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異動の引き継ぎ

引き継ぎ資料の作り方。引継書に載らない「会議の経緯」まで、後任に渡す。

人事異動の内示が出てから異動日までの短い期間で、後任が迷わない引き継ぎ資料を作る手順です。引継書に載るものと載らないものを分け、過去3か月の定例会議の録音から後任向けの引き継ぎ記録を作る例を載せました。

過去の定例から引き継ぎ一覧を作るフリープランは文字起こし無制限・月額¥0・クレジットカード不要。

更新日:執筆・運営:

異動の引き継ぎは、退職と違って前任者も後任も社内に残ります。その代わり、2人とも自分の異動の準備を同時に抱えます。架空の例として、9月14日(月)に内示が出て10月1日(木)に異動するケースで日程を組みました。2026年は9月19日から23日が連休のため、使える営業日は10日です。

後任も別の部署から異動してくることが多く、内示から着任まで前任者と同じ部屋で過ごせる日はほとんどありません。対面で説明する時間が取れない分、資料と会議の記録に説明を任せる部分が大きくなります。

  1. 01

    内示から2日以内:業務と会議体を書き出す

    担当業務の一覧に加えて、自分が出ている定例会議・取引先との打ち合わせを全部書き出します。会議ごとに「後任も出るか」「議事録や録音はどこにあるか」を横に書きます。

  2. 02

    1週目:引継書の骨組みと、会議記録の置き場所を作る

    引継書は業務一覧と進行中の案件だけを先に埋めます。並行して、引き継ぐ会議の記録を1つのフォルダに集めます。手元に録音ファイルしかない会議は、この週にアップロードしておきます。

  3. 03

    2週目:後任と読み合わせ、質問を記録する

    後任と引継書を読み合わせる打ち合わせを録音します。後任の質問と前任者の答えがそのまま補足資料になり、引継書に書き足す手間が減ります。

  4. 04

    異動日の前日:権限を付け替え、問い合わせ期間を決める

    システムとフォルダの権限を後任に移し、前任者は閲覧だけに切り替えます。「異動後1か月は、毎週金曜の午後に質問を受ける」のように、問い合わせの期間と時間を引継書の末尾に書きます。

引継書の欄は、業務の「今」を書くようにできています。後任が着任後に困るのは、たいてい「なぜそうなっているのか」と「誰に何を約束したのか」で、これは引継書の欄の外にあります。

下の4行は、引継書の欄を増やしても埋まりません。前任者が書こうとしても、3か月前の会議で何を話したかは正確に思い出せないからです。会議を録音して文字起こししておけば、ここは「書く」作業から「抜き出して確かめる」作業に変わります。

引き継ぐ情報と、それが残っている場所
情報引継書に載るかふだん残っている場所後任への渡し方
業務一覧・頻度・手順載る手順書、業務一覧引継書と手順書
関係者と連絡先載る名刺、メール引継書の関係者欄
進行中の案件の状況1行だけ載る前任者の記憶、メール引継書+会議の記録
取引先と口頭で約束したことほぼ載らない定例会議や商談の会話会議の記録から抜き出す
保留にした案件と再開の条件ほぼ載らない定例会議の会話会議の記録から抜き出す
決定の理由・見送った案載らない会議の会話、前任者の記憶会議の日付とタイムコードを添える
年に1回しか出てこない取り決め漏れやすい前年の同じ時期の会議前年分の記録をフォルダに入れる

後任は、引き継ぎ資料を頭から順に読みません。着任した日に開き、困ったときに検索します。その使われ方に合わせて書きます。

  • 1ページ目は「最初の2週間」

    着任から2週間で必ず起きること(締め日、定例会議、取引先への回答期限)を日付つきで並べます。業務一覧はその後ろに置きます。

  • 案件に状態を1つだけ付ける

    「完了」「進行中」「保留」の3つから1つを選びます。「対応中」「調整中」のような幅のある言葉は、状態がわからないので使いません。

  • 決定には会議の日付を添える

    「A社の値上げは条件付きで受諾(7月14日 定例)」のように書きます。後任は日付から元の会話にたどり着けます。

  • 人の名前に役割を添える

    「山口さん」ではなく「品質保証課の山口さん(試作品の合否を判断)」と書きます。後任は名前だけでは誰に聞けばよいかわかりません。

  • 「聞く相手」まで書く

    前任者が答えられない事柄は、誰に聞けばよいかを書きます。異動後の前任者への問い合わせ期間も、ここに書いておきます。

本社調達部の主任が10月1日付で工場へ異動し、営業管理課から来る後任に、樹脂部品の調達を引き継ぐ例です(架空)。7月7日から9月15日まで毎週火曜に開いた「樹脂部品 調達 週次定例」の10回分を、会議ボットで録音していました(8月11日は山の日で休会)。

右側の下書きは、10回分の会議を1つの分析に追加し、下のプロンプトで質問した結果の例です。前任者は下書きの各項目を元の発言と照らし合わせ、引継書の「進行中の案件」と「関係者」の欄に転記します。下書きのままでは、引継書の代わりにはなりません。

樹脂部品 調達 週次定例(2026年7月7日〜9月15日・10回)出席:調達課長、主任(前任者)、品質保証課。下の文字起こしは5回分からの抜粋です。左の時刻は各回の録音のタイムコードです。

文字起こし(抜粋)

  1. 22:107月14日の定例・主任A社の10月からの5%値上げは受けます。条件として、来年度の発注量の見込みを9月末までに出すと約束しました。確認1
  2. 18:308月4日の定例・課長B社への切り替えは、金型の移管費用の見積が出るまで保留にしよう。見積が来たら再開。
  3. 07:458月25日の定例・品質保証課B社の試作品、寸法は全数合格です。ただ色ムラが2個ありました。量産の判断は追加の20個を見てからにしてください。確認2
  4. 31:209月8日の定例・主任C社は単価を据え置きます。去年の不良のとき、選別の費用を向こうが持ってくれたので。来年度の交渉で見直します。
  5. 12:059月15日の定例・課長A社への発注見込みは、主任が作って、30日に中村さんの名前で送ろう。確認3

Klangが作る下書き

取引先と約束したこと
  • A社:値上げ受諾の条件として、来年度の発注量見込みを9月30日までに提出(7/14 22:10、9/15 12:05)
保留中の項目と再開の条件
  • B社への切り替え:金型の移管費用の見積が届いたら再開(8/4 18:30)
  • B社の量産判断:追加の試作品20個の検査結果を待つ(8/25 07:45)
決めたことと理由
  • C社の単価は据え置き。昨年の不良対応で選別費用を負担してもらった経緯のため。来年度の交渉で見直す(9/8 31:20)
前任者に確認すること
  • B社の金型移管費用の見積の依頼日と、届く予定日(会議では話に出ていない)

記録にする前に確認すること

  1. 確認122:10 A社との約束は口頭です。メールや議事録で相手に伝えた記録があるか、異動前に前任者と確かめます。
  2. 確認207:45 「色ムラ2個」は数量の発言です。品質保証課の検査記録と照らし合わせてから、引き継ぎ記録に残します。
  3. 確認312:05 9月30日は異動日の前日です。送付を前任者と後任のどちらが行うか、引継書の「最初の2週間」にも書きます。

分析には、会議、ファイル、Webページ、フォルダ全体を追加できます。追加した材料にチャットで質問すると、回答の根拠になったファイルやタイムコードが表示されます。

  • 会議の名前と期間を指定すると、別の案件の会議が混ざりにくくなります
  • 「話に出ていないことは補わない」と書くと、推測で埋めた期限や金額が混ざりにくくなります
  • 同じ分析に、後任が着任後に質問を続けられます。「C社の単価の話はいつ出た?」のような質問にも、会議の日付とタイムコードで答えます

後任向けの引き継ぎ記録を作る質問文

このフォルダの「樹脂部品 調達 週次定例」7月7日〜9月15日の10回分をもとに、後任の中村さん向けの引き継ぎ記録を作ってください。
1. 取引先と約束したこと(相手、内容、期限)
2. 保留にしていることと、再開の条件
3. 結論が出ていない論点
4. 前任者が決めたことと、その理由
- 各項目の末尾に、会議の日付とタイムコードを付ける
- 会議で話に出ていない期限や金額は補わず、「前任者に確認」と書く

Klangでは、会議の記録をフォルダに分けて保管し、フォルダごとにメンバーの役割を「管理者」「編集」「読み取り」から選べます。サブフォルダは親フォルダの設定を引き継ぎます。

Klangは引継書を書きません。カレンダーを読み取って会議体を一覧にする機能もありません。文字起こしと要約は日本語を含む17言語に対応していますが、翻訳の機能はありません。

  1. 01

    担当業務ごとにフォルダを作る

    「樹脂部品 調達」のように、引き継ぐ単位でフォルダを分けます。人事評価や個人の相談に触れた会議は入れません。

  2. 02

    定例会議を自動で記録する

    Zoom・Microsoft Teams・Google Meetの会議には会議ボットを参加させて録音します。対面の会議はスマートフォンのアプリか、ブラウザで録音します。

  3. 03

    後任に「編集」、前任者を「読み取り」に

    異動日の前日に、後任をフォルダのメンバーに加えます。前任者は異動後の問い合わせに答えられるよう、しばらく「読み取り」で残します。

  4. 04

    後任が分析に質問する

    着任後、後任はフォルダ全体を分析に追加し、「保留中の案件は?」のように質問します。前任者に聞く前に、記録で確かめられることが増えます。

引き継ぎされていない業務を受け取ったときは、まず上長を通して、前任者が質問に応じる期間を決めてもらいます。異動では前任者が社内に残るため、聞けるうちに聞くのが近道です。そのうえで、前任者が出ていた会議の議事録や録音を探し、取引先との約束と保留中の案件から確かめます。

  • 引継書が「業務名の一覧」で終わる

    時間が足りないと、業務名だけが並んだ引継書になります。進行中の案件から順に、状態と次の期限だけでも書きます。

  • 後任が最初の会議で話についていけない

    着任直後の定例会議では、前回までの経緯を前提に話が進みます。着任前に、直近3回分の要約を後任に読んでもらいます。

  • 取引先から「前の担当の方と約束した」と言われる

    口頭の約束は引継書に載りません。約束が出てきた会議を記録から探し、日付と発言を確かめてから回答します。

Klangは、会議を録音して文字起こしし、要約と決定事項・タスクを作ります。記録はフォルダごとに保管され、異動のときはメンバーの役割を付け替えるだけで後任に渡せます。後任は分析で過去の会議にまとめて質問し、根拠の会議とタイムコードを確かめられます。

  • フリープランは月額¥0、文字起こし無制限、クレジットカード不要です
  • 話者の自動識別は、プロプラン(月払い¥1,180・年払いで月あたり¥980、税込)の機能です
  • 会話データをAIの学習に使いません。ISO/IEC 27001:2022の認証を取得しています
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引き継ぎ資料と引継書は何が違いますか。

引継書は、業務一覧、手順、関係者、進行中の案件をまとめた1つの文書です。引き継ぎ資料は、引継書に手順書や関係資料、会議の記録などを加えた一式を指します。後任が「なぜそうなっているのか」を確かめられるのは、引継書よりも、その業務を話し合った会議の記録です。

わかりやすい引き継ぎ資料にするコツは何ですか。

1ページ目に「着任から2週間でやること」を期限つきで書き、各案件に「完了・進行中・保留」のどれかを付けます。決定や約束には、それが決まった会議の日付を添えます。後任は日付を手がかりに、元の会話を確かめられます。

異動の内示から着任まで、引き継ぎにはどのくらいの期間がありますか。

内示の時期は会社によって違い、異動日まで数週間しかないこともあります。連休をはさむと、実際に使える営業日はさらに減ります。期間が短いときは、引継書は業務一覧と進行中の案件に絞り、経緯の説明は会議の記録に任せると間に合います。

前任者から引き継ぎされていないときは、どうすればよいですか。

異動の場合、前任者は社内にいます。まず上長を通して、質問に応じてもらえる期間と時間を決めます。そのうえで、前任者が出ていた定例会議の議事録や録音を探し、取引先との約束と保留中の案件から確かめます。

定例会議の録音を、そのまま後任に渡してもよいですか。

渡す前に、会議の参加者に録音の目的と、後任が閲覧することを伝えておきます。人事評価や個人の事情に触れた会議は、引き継ぎ用のフォルダに入れず、別に管理します。Klangでは、フォルダごとに閲覧できるメンバーを設定できます。

Klangは引継書を自動で作ってくれますか。

Klangが引継書を完成させることはありません。会議の文字起こしと要約を残し、分析でまとめて質問すると、決定事項や保留中の項目を根拠のタイムコードつきで一覧にします。それを材料に、前任者が引継書を書き、内容を確かめます。

クレジットカードは不要です。数分でお使いいただけます。