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ペルソナの作り方

ペルソナの作り方。インタビューの発言を根拠にする手順

想像で書いた年齢や趣味ではなく、インタビューで聞いた行動とゴールからペルソナを作る方法です。行動の変数で参加者を並べる手順、各項目に根拠の発言を添えるテンプレート、架空の記入例をまとめました。Excelのテンプレートは無料でダウンロードできます。

更新日:執筆・運営:

「35歳、既婚、趣味はカフェ巡り」のようなペルソナは、作った直後は分かりやすく見えます。しかし設計の判断に使おうとすると、役に立たないことがよくあります。

インタビューの発言を根拠にすると、「なぜこのペルソナはこう行動するのか」を元の言葉で説明できます。意見が割れたときも、根拠の発言に戻って確かめられます。

  • 判断の材料にならない

    年齢や趣味からは、「この画面で何に困るか」は分かりません。設計の判断に効くのは、何をしようとして、実際にどう行動しているかです。

  • 反論できない

    根拠がないと、「このペルソナは違うと思う」という意見に答えられません。結局、声の大きい人の想像で決まります。

  • 思い込みが固定される

    作り手の思い込みが人物像として形になり、それに合わない利用者の声が「例外」として扱われるようになります。

ここで紹介するのは、クーパーらが示した「行動の変数」で参加者を並べ、パターンを見つける方法をもとにした手順です。

  1. 01

    使い道を決める

    誰が、どの判断に使うのかを決めます。例:「問い合わせ対応の機能で、何から作るかを決める」。使い道が決まると、聞くべきことと書くべき項目が決まります。

  2. 02

    行動の違いが出る人に聞く

    属性ではなく、行動が違いそうな条件で対象者を選び、デプスインタビューで具体的な出来事を聞きます。録音して、話者と時刻つきの逐語録にします。

  3. 03

    根拠表を作る

    逐語録から、状況・ゴール・行動・困りごとに関わる発言を原文のまま抜き出し、参加者IDと時刻を添えて一覧にします。

  4. 04

    行動の変数に並べる

    人によって違いが出た軸(例:「回答を記録に残すか」)を変数とし、参加者を1〜5の位置に置きます。複数の変数で同じ側に集まる人たちが、行動のパターンです。

  5. 05

    パターンごとに記述する

    パターンごとに、状況、ゴール、行動、困りごと、本人の言葉、設計への示唆を書きます。各項目に根拠の発言を添えます。根拠のないことは書きません。

  6. 06

    共有して、更新する

    根拠の範囲(何人中何人か)と、まだ分からないことを明記して共有します。新しい調査で違う行動が見つかったら、ペルソナを直します。

架空の調査(中小企業の総務担当者6人への聞き取り)を使った例です。行動の変数に並べてパターンを見つけ、そのうち一つをペルソナとして書きました。

ステップ1:行動の変数に、参加者を並べる(架空の例)

6人の逐語録から、行動の違いが表れる軸を3つ選び、1〜5の位置に置きました。複数の軸で同じ側に集まる人たちが、ひとつの行動パターンです。

回答の残し方

A-01A-05
A-02A-04
A-03A-06
口頭・チャットで答えるだけ文書やFAQに残す

問い合わせ量の把握

A-01A-02A-04
A-05
A-06
A-03
数えていない記録して数えている

引き継ぎの経験

A-01A-05
A-02A-03
A-04A-06
自分で始めた前任者から引き継いだ
  • パターンA:その場で答える(A-01・A-02・A-05)
  • パターンB:文書に残そうとしている(A-03・A-06)
  • どちらにも入れない(A-04、総務歴1年)

A-04は無理にどちらかへ入れず、「経験の浅い担当者」が別のパターンになるかを、次の調査で確かめる問いとして残します。

ステップ2・ペルソナ(架空)

パターンA「その場で答える一人総務」

根拠:6人中3人(A-01・A-02・A-05)。全員が従業員100人未満の会社。

状況
従業員数十人の会社で、総務を一人で担当している。問い合わせはチャットと口頭で、社内の誰からでも届く。
A-01 12:05A-05 02:30
ゴール
問い合わせに追われず、給与計算や採用手続きなど本来の仕事の時間を確保したい。自分が休んでも手続きが止まらないようにしたい。
A-01 09:15A-05 07:48
行動
質問が来たらその場で答える。答えた内容は記録しておらず、件数も数えていない。
A-05 15:12A-01 18:20
困りごと
口頭で答えた内容が後で食い違う。同じ質問が月初に集中する。
A-02 14:22A-01 08:12
本人の言葉
「聞かれたら答えたほうが早いんですよ。書いている暇があったら」
A-01 10:32
設計への示唆
回答を書く手間を増やさずに、答えた内容が残る仕組みが要る。FAQを作るだけでは、このパターンの人は使わない可能性がある。
A-03 16:02(パターンBの経験)

まだ分からないこと:問い合わせの実際の件数(誰も数えていないため)。100人以上の会社でも同じパターンになるか。 ペルソナに書けないことは、次の調査で確かめる問いとして残します。

テンプレートは、根拠表、行動の変数、ペルソナ記入シートの3つで構成しています。ペルソナの各項目は、根拠表のIDとつながるようにしています。

ペルソナテンプレートの項目
項目書くこと避けること
パターン名行動を表す名前(「その場で答える一人総務」)実在しそうな氏名と顔写真
根拠の範囲何人中何人か、共通する条件割合(「60%の人が」)
ゴール本人が達成したいこと作り手が達成してほしいこと
行動具体的な出来事から分かる行動「ふだんは〜している」という本人の自己申告だけ
本人の言葉印象的な発言を原文のまま言い換えて分かりやすくした文
まだ分からないこと根拠がなく書けないこと空欄のまま隠す

属性を書くと、読み手はその属性に引っ張られて人物像を想像します。設計に関係がないなら、書かないほうが誤解を防げます。

  • 行動の違いを生んでいる条件(会社の規模、経験年数など)は書きます。根拠表で確かめられる条件に限ります。
  • 年齢や性別は、行動の違いと関係していることが調査で分かった場合にだけ書きます。
  • 実在しそうな氏名や顔写真は、特定の人物像への思い込みを強めます。パターン名で呼ぶほうが、根拠に戻りやすくなります。
  • 少人数の組織で調査した場合は、条件の組み合わせで参加者が特定されないよう、書き方を確かめます。

生成AIは、根拠表から候補となる発言を探したり、記述の下書きを作ったりするのに役立ちます。ただし、根拠のない人物像を「それらしく」作るのも得意です。

  • 「ペルソナを作って」とだけ頼むと、調査にない属性や趣味が補われます。根拠表のIDを付けて書くように指示し、IDのない記述は削ります。
  • AIが示した発言は、必ず逐語録の原文と時刻で確かめます。
  • 行動の変数の選び方とパターンの判断は、調査した人が行います。

Klangでインタビューを文字起こしすると、発言が話者と時刻つきで残ります(話者の自動識別はプロプラン)。ノートブックに対象のインタビューだけを入れて質問すると、回答の根拠になったファイルとタイムコードが示されるため、根拠表を作る作業が速くなります。

  • インタビューごとの逐語録を、Excel・CSVで根拠表に書き出せます。
  • ノートブックで「記録を残さない理由を話している発言」などを探し、タイムコードで原文を確かめられます。
  • フリープランでも文字起こしは無制限。まずは数件のインタビューで試せます。
無料で試す
ペルソナを作るには、何人にインタビューすればよいですか。

決まった人数はありません。行動の違いがありそうな条件ごとに数人ずつ聞き、新しいパターンが出てこなくなるかを見ながら判断します。根拠の範囲(何人中何人か)をペルソナに明記してください。

アンケートの結果からペルソナを作れますか。

アンケートは、行動パターンがどのくらいの割合でいるかを確かめるのに向いています。一方で、ゴールや行動の理由はインタビューのほうが分かります。インタビューでパターンを見つけ、アンケートで割合を確かめる組み合わせがよく使われます。

ペルソナは何人分作ればよいですか。

見つかった行動パターンの数によります。設計の判断に使う場合は、どのパターンを優先するかを決めることも必要です。パターンが多すぎる場合は、変数の選び方を見直します。

カスタマージャーニーマップとの違いは何ですか。

ペルソナは「誰か」を、カスタマージャーニーマップは「その人がどんな順番で何を経験するか」を表します。ペルソナを作った後に、そのパターンの人の経験を時系列でまとめる使い方が一般的です。

聞く・記録する・分析する・使うの4段階で、関連するガイドをまとめました。各ページの架空の例は、同じ架空の調査(中小企業の総務担当者への聞き取り)を使っています。

  1. 1. 聞く

  2. 2. 記録する

  3. 3. 分析する

  4. 4. 使う

    • インタビューからペルソナを作る(このページ)

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