ナレッジマネジメント
ナレッジマネジメントツール比較。社内wiki・Q&A・FAQ検索・議事録AIを、知識の入り方で選ぶ。
ナレッジマネジメントツール(ナレッジ管理ツール・ナレッジ共有ツール)は、知識がどう入るかで4つのタイプに分かれます。NotePM・Kibela・Confluence・Notion・Qast・Helpfeel・Klangの料金とAI機能を、2026年10月17日に各社の公式サイトで確かめて並べました。会議で生まれる知識をどこに残すかまで含めた選び方です。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
ナレッジマネジメントツールの4タイプ:知識の入り方で比べる
機能の一覧で比べると、どの製品も「検索」「AI」「権限」を備えていて違いが見えません。違いが出るのは、知識が誰の手で、どの経路から入るかです。
社内wikiとQ&A型は、人が書くことを前提にしています。書く文化が根付いた部門では強く働き、書く人が限られる部門では更新が止まります。
FAQ・検索型は、問い合わせを減らすための道具です。社員や顧客が自分で答えを見つけられるように、FAQの記事を整えて検索の精度を上げます。
議事録AIは、書く作業そのものをなくします。会議を録音すれば、文字起こし、要約、決定事項、タスクが自動で作られます。知識の入り口が、キーボードから会議室に移るのが他の3タイプとの違いです。
| タイプ | 知識の入り方 | 誰が書くか | 会議で生まれた知識 | 探し方とAI | 主な製品 |
|---|---|---|---|---|---|
| 社内wiki | 人がページや記事を書く。既存のWord・PDFを取り込める製品もある | 担当者、またはメンバー全員 | 誰かが議事録をページに書いた分だけ残る | 全文検索。AIが記事をもとに答える製品が増えている | NotePM、Kibela、Confluence、Notion |
| Q&A型 | 質問が投稿され、詳しい人が答える。答えがそのまま蓄積される | 質問する人と、答える人 | 会議で出た疑問は、誰かが質問として投稿した分だけ残る。Qastは会議の音声をナレッジに変換する機能を案内している | 似た質問の提示。チャットで質問するとAIが答える製品もある | Qast |
| FAQ・検索型 | 管理者がFAQの記事を作り、利用者は検索で自己解決する | FAQを担当する部門 | 問い合わせの自己解決が目的で、会議の記録は主な対象ではない | 言い回しの揺れに強い検索。チャットで答えるAI | Helpfeel |
| 議事録AI(会議の記録) | 会議を録音すると、文字起こし・要約・決定事項・タスクが自動で作られる | 書く人はいない。内容を確かめる人は必要 | 会議の発言そのものが、日時とタイムコード付きで残る | 発言の検索。複数の会議をまたいで質問し、根拠の発言を示して答える | Klang |
主なツールの料金・AI機能・会議の扱い(2026年10月17日時点)
各社の公式サイトで確かめた内容だけを載せています。確かめられなかった項目は書いていません。料金は改定されることがあるため、契約の前に公式サイトで確認してください。
料金の単位は製品ごとに違います。NotePMは編集者と閲覧者の枠を組み合わせたプラン制、Kibelaは1人あたりの月額で閲覧者の無料枠があり、Helpfeelは記事の数で決まります。読む人が多く書く人が少ない組織では、閲覧者の扱いで総額が大きく変わります。
Notionは公式の料金ページで円建ての価格を確認できなかったため、金額を載せていません。Confluenceの有料プランも、ユーザー数で単価が変わるため金額を省きました。
Klangの料金は税込で、プロプランは1ユーザーあたりの月額です。話者の自動識別、オートメーション、スケジュール分析はプロプランの機能です。
| ツール | タイプ | 料金(公式サイトの表示) | AI機能 | 会議の扱い |
|---|---|---|---|---|
| NotePM | 社内wiki | プラン10(編集10人・閲覧30人)で月額5,400円から(税抜)。30日間の無料トライアルあり | NotePM AIは全プランで追加料金なし。AIチャットボットは回答の根拠となったページも表示する | 活用例に議事録があり、人がページに書く。音声の取り込みの案内はない |
| Kibela | 社内wiki | コミュニティ(5人まで)は0円。ライト1人500円、スタンダード800円、エンタープライズ1,500円(月額・税別) | AI検索とAIエディタはスタンダードプラン以上 | 公式サイトに会議の取り込みの案内はない。PDF・Word・パワポを記事として取り込める |
| Confluence | 社内wiki | Freeは最大10ユーザーまで無料。有料プランはユーザー数に応じた月額 | AIの「Rovo」がある。プランごとの範囲は公式の料金ページで確認が必要 | 人がページに書く |
| Notion | 社内wiki・ドキュメント | フリープランあり。有料はプラス、ビジネス、エンタープライズ | ビジネスプラン以上でNotionエージェントとエンタープライズサーチ(ベータ) | ビジネスプラン以上の「AIミーティングノート」で、ボットを使わずに議事録を作る |
| Qast | Q&A型 | 10名以下はフリープラン(AI機能なし)。有料の3プランは人数で変わり、問い合わせ | チャットで質問すると生成AIが答える。AIナレッジインタビュー | 「プロフェッショナル Plus & ミーティング to ナレッジ」プランがあり、会議などの音声をAIで構造化して投稿する |
| Helpfeel | FAQ・検索型 | Helpfeel FAQの料金例:ライト月額1,200円〜/記事、スタンダード950円〜/記事、エンタープライズ867円〜/記事。初期費用は問い合わせ | 意図予測検索(1つの記事に対して複数の質問を生成する特許技術)。チャットで答えるAgent Mode | 社内の問い合わせ対応が中心。会議の取り込みの案内はない |
| Klang | 議事録AI | フリープラン¥0(文字起こし無制限)。プロプラン月払い¥1,180、年払いは月あたり¥980(税込) | 分析:複数の会議・ファイル・Webページに質問し、根拠の発言をタイムコードで示す。スケジュール分析はプロプラン以上 | Zoom・Teams・Google Meetの会議ボット、ブラウザ録音、スマートフォンのアプリ、ファイルのアップロード |
会議の知識は、なぜwikiに入らないのか
組織の判断の多くは会議で生まれます。ところが、会議の内容をwikiに残すには、誰かが議事録を書き、要点を整え、ページに貼る必要があります。
2023年の社内会議白書では、議事録を残す会議が「ほとんどない」「1〜3割程度」と答えた人が合わせて39.8%でした。2025年の調査では、会議のあとに要約を書く作業に30分以上かけている人が46.1%、会議の要約を「一元管理できている」と答えた人は12.6%でした。書く手間が大きいほど、会議の知識はwikiに届きません。
同じ2025年の調査では、会議の内容を組織の資産として管理できていないことで「問題が発生している」と答えた人が73.3%でした。どれほど良いwikiを入れても、入口が「人が書くこと」だけなら、会議で話された判断の理由はこぼれ続けます。
Klangが受け持つのは、この会議の層です。会議を録音すると、文字起こしと要約、決定事項・タスクが作られ、権限付きのフォルダに残ります。分析では、複数の会議やファイルをまとめて読み、根拠になった発言のタイムコードを示して答えます。wikiに載せる価値のある結論は、オートメーションでNotionへ送るか、書き出してwikiに転記します。
KlangはNotePM・Kibela・Confluence・Qast・Helpfeelと直接は連携していません。Klangは会議の記録を作るツールで、規程やマニュアルを書く場所ではありません。また、カレンダーの分析や翻訳の機能はありません。電話の通話録音には、現在、日本では対応していません。
例:3か月の定例会議から、wikiに載せる決定事項の一覧を作る
情報システム部が、7月から9月の週次定例で生成AIの社内利用ルールを決めていきました。誰も議事録をwikiに書いていなかったため、10月6日(火)に担当者がフォルダごと分析に入れて質問した結果です。
文字起こし(抜粋)
- 12:30情シス定例(7月7日・火)森生成AIへの入力ですが、顧客名と個人名は入れない、を最初のルールにしましょう。
- 25:04情シス定例(7月21日・火)石井法務からも、契約書の本文はだめだと言われています。要約したものならいいそうです。確認1
- 08:47情シス定例(8月4日・火)森利用は会社契約のアカウントだけにします。個人のアカウントは、入力が学習に使われる設定のものがあるので。
- 31:15情シス定例(8月25日・火)石井例外の申請は、部長の承認で通すことにしました。情シスの承認は要りません。確認2
- 17:52情シス定例(9月29日・火)森ガイドラインは10月1日から適用です。全社への周知は総務経由で出します。確認3
Klangが作る下書き
- 決まったルール
- 顧客名と個人名は生成AIに入力しない(7月7日 12:30)
- 契約書は本文ではなく、要約したものだけ入力できる(7月21日 25:04)
- 利用は会社契約のアカウントに限る(8月4日 08:47)
- 例外の申請は部長の承認で可。情シスの承認は不要(8月25日 31:15)
- それぞれの理由
- 契約書の扱いは、法務からの指摘による(7月21日 25:04)
- 個人のアカウントには、入力が学習に使われる設定のものがある(8月4日 08:47)
- 適用と周知
- 10月1日から適用。周知は総務経由(9月29日 17:52)
記録にする前に確認すること
- 確認125:04 法務の見解は会議での伝聞です。wikiに載せる前に、法務の担当者に文面を確かめます。
- 確認231:15 「部長の承認」がどの職位までを指すかは、会議では話されていません。規程の書き方は担当者が決めます。
- 確認317:52 wikiのページには結論と理由だけを書き、もとになった会議への参照を添えます。全文はKlangのフォルダに残ります。
6回の会議に散らばっていた決定が、日付と時刻つきの一覧になりました。決定の理由も、話された会議の位置から拾われています。担当者は確認の3点を済ませてから、wikiのページに結論と理由を書きます。
wikiのページを読んだ人が「なぜ契約書の本文はだめなのか」と疑問に思ったら、参照先の会議の25分04秒から、その場の発言を聞き直せます。書かれた知識と話された知識が、こうしてつながります。
状況別の選び方:困りごとから、合うタイプを選ぶ
製品名から選ぶ前に、いま困っていることを選んでください。困りごとごとに、合うタイプとその理由を表示します。
大きな組織では、1つのタイプで全部をまかなうことはまずありません。複数の困りごとを選ぶと、軸にするタイプと、組み合わせるタイプが表示されます。
ナレッジマネジメントツールのタイプ診断
困りごとを選ぶと、合うツールのタイプと、その理由が表示されます。
結果はタイプの目安です。製品ごとの機能と料金は、上の比較表と各社の公式サイトで確かめてください。
大きな組織での組み合わせ方:4つの層に分ける
社員数百人以上の会社で、タイプを組み合わせるときの分担の例です。この分担にすると、wikiに書く量が減ります。会議の全文はKlangに残り、wikiには結論と、そのもとになった会議への参照だけを書けば足ります。
- 01
変わりにくい知識は社内wikiに
規程、手順書、入社時の案内のように、一度書けばしばらく変わらない知識をまとめます。版の管理と承認の流れが要る文書です。
- 02
繰り返される質問はQ&A型かFAQに
同じ質問が何度も来る部門は、質問と回答をためるか、FAQの記事にして検索で自己解決してもらいます。
- 03
会議は議事録AIで自動で残す
部門の定例やプロジェクトの会議を録音し、部門ごとのフォルダに置きます。関係する部門の責任者には「読み取り」の権限で共有します。
- 04
結論だけをwikiとチャットへ
会議レポートは、オートメーションでSlackやNotionへ届けます。wikiに残す価値のある結論は、担当者が要点を転記します。
選ぶときに確かめる5つの点
比較表の機能の有無より、運用が始まってから効いてくる点です。
試用では、実際に起きた困りごとを1つ選び、その答えにたどり着けるかを確かめます。会議の知識が関わる困りごとなら、過去の会議の録音を議事録AIに入れて、同じ問いを投げてみると差がはっきりします。
| 確かめる点 | 問い | 見るポイント |
|---|---|---|
| 知識はどう入るか | 書く人の手間が続くか。会議や口頭の知識が入る経路があるか | wikiは書く文化がある部門で強い。書かれない知識は入らない |
| 権限 | 部門・プロジェクト単位で見せる範囲を決められるか。AIの回答が権限を守るか | NotePMは閲覧できないノートを検索の対象にしないと明記している |
| 答えの根拠 | AIの回答に、元の記事や発言へのリンクが付くか | 根拠を開けない回答は、組織の判断には使いにくい |
| 料金の単位 | ユーザー数、閲覧者の扱い、記事数のどれで決まるか | Kibela・NotePMは閲覧者の枠がある。Helpfeelは記事数で決まる |
| 人が替わったあと | 退職や異動のあとも、記録と権限を後任に引き継げるか | アカウントに記録がひもづくツールは、退職時の扱いを先に確かめる |
会議で生まれる知識を、組織に残す層
Klangは会議を録音して文字起こしし、要約と決定事項・タスクをまとめます。記録は「管理者」「編集」「読み取り」の権限を付けたフォルダに残り、異動や退職のときは権限を後任に付け替えられます。分析では複数の会議やファイル、Webページに質問し、根拠の発言をタイムコードで確かめられます。
- Zoom・Teams・Google Meetの会議ボット、ブラウザ録音、スマートフォンのアプリ、ファイルのアップロードに対応
- オートメーションで会議レポートをNotion・Slack・HubSpot・Google Driveなどへ(プロプラン)
- 会話データはAIの学習に使いません。17言語の文字起こしに対応し、翻訳機能はありません
よくある質問
ナレッジマネジメントツールとは何ですか。
ナレッジマネジメントツールとは、社員の知識やノウハウを集めて、組織の誰もが探して使えるようにするためのツールです。知識の入り方で、人が書く社内wiki、質問と回答を蓄積するQ&A型、FAQを検索させるFAQ・検索型、会議を録音して記録する議事録AIの4タイプに分けられます。ナレッジ管理ツール、ナレッジ共有ツール、ナレッジマネジメントシステムとも呼ばれます。
ナレッジ管理ツールとナレッジ共有ツールは違うものですか。
製品の分類としては、ほぼ同じものを指します。「管理」は知識を整理して保管する面、「共有」は社内で見られるようにする面を強調した呼び方です。選ぶときは呼び名より、知識がどう入るか、誰が書くか、AIの回答に根拠が付くかを比べてください。
無料で使えるナレッジマネジメントツールはありますか。
2026年10月17日に公式サイトで確認した範囲では、Kibelaのコミュニティプランが5人まで0円、Confluenceのフリープランが最大10ユーザーまで無料、Qastのフリープランが10名以下で利用できます(AI機能なし)。Notionにもフリープランがあります。Klangのフリープランは月額¥0で、会議の文字起こしが無制限です。
社内wikiがあれば、議事録AIは要りませんか。
社内wikiに残るのは、誰かが書いた知識だけです。会議で話されただけの決定や経緯は、議事録を書く人がいなければwikiに入りません。2025年の調査では、会議の要約を「一元管理できている」と答えた人は12.6%でした。会議の記録は議事録AIに任せ、要点だけをwikiに転記する組み合わせが現実的です。
KlangはNotePMやConfluenceと連携できますか。
KlangにはNotePM・Kibela・Confluence・Qast・Helpfeelとの直接の連携はありません。オートメーション(プロプラン)で会議レポートを送れるのは、Notion、Slack、HubSpot、Pipedrive、Google Drive、OneDrive、Dropbox、Microsoft Teams、Webhookです。そのほかのツールには、会議の記録をWord・HTML・TXTなどで書き出して転記します。
Klangは社内wikiの代わりになりますか。
なりません。Klangは会議を記録し、あとから探して質問できるようにするツールです。規程やマニュアルを部門で書いて全社に公開する社内wikiとしての使い方は想定していません。wikiは書かれた知識、Klangは話された知識を受け持つ、という分担で組み合わせて使います。