会議を開いた場合:特別決議の記載例
架空の株主総会。決議の種類に合った賛成の割合が分かるように書きます。
第2号議案 定款一部変更の件 議長は、事業目的に「経営コンサルティング業務」を追加するため、 定款第2条を別紙のとおり変更したい旨を説明し、その賛否を議場に諮った。 出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を得たので、 本議案は原案どおり承認可決された。
決議
決議とは、株主総会・取締役会・理事会などの会議体が、議案について多数決などで正式に意思を決めることです。株式会社では、決議の種類ごとに必要な出席と賛成の割合が会社法で定められています。決議・議決・採決の違い、株主総会の普通決議・特別決議・特殊決議、取締役会決議、書面決議(みなし決議)、議事録への書き方を、2026年10月時点の会社法の条文に沿って説明します。
公開日:更新日:執筆・運営:Klang AI AB
どれも「決める」ことに関わる言葉ですが、指すのが手続きなのか、結果なのかが違います。
流れで言うと、議長が議案を「採決」にかけ、要件を満たす賛成があれば「可決」となり、それが会議体の「決議」になります。会社法は株主総会と取締役会について「決議」という言葉を使い、1人の取締役が決める場合は「取締役の決定」と書き分けています(第447条第3項など)。
| 言葉 | 意味 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 決議 | 会議体が正式な手続きで意思を決めること、またその決めた内容 | 「株主総会の特別決議」 |
| 議決 | 会議で議案について決めること。法令では「議決権」「議決に加わる」と使う | 「議決権の過半数」 |
| 採決 | 議案の賛否を問い、票を数える手続き | 「挙手により採決する」 |
| 可決・否決 | 採決の結果、議案が認められた/認められなかったこと | 「原案どおり可決された」 |
| 決定 | 組織や個人が物事を決めること全般 | 「取締役の決定」「部長が決定する」 |
株主総会の決議は、必要な出席(定足数)と賛成の割合によって3種類に分かれます。会社法第309条が基本のルールです。
普通決議の定足数は定款で変えられるため、実務では「出席株主の議決権の過半数」だけで決める定款にしている会社が多くあります。ただし役員の選任・解任の定足数は、定款で定めても議決権の3分の1を下回ることはできません(第341条)。
特殊決議は、株主の頭数と議決権の両方を要件にしている点が特徴です。第309条第4項の決議は、非公開会社が株主ごとに異なる取扱い(属人的定め、第109条第2項)を定款に設ける場合に使われます。
| 種類 | 定足数(出席) | 賛成の要件 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 普通決議 | 議決権を行使できる株主の議決権の過半数(定款で排除・変更できる) | 出席株主の議決権の過半数 | 第309条第1項 |
| 役員の選任・解任 | 議決権の過半数。定款で下げても3分の1以上 | 出席株主の議決権の過半数 | 第341条 |
| 特別決議 | 議決権の過半数。定款で下げても3分の1以上 | 出席株主の議決権の3分の2以上 | 第309条第2項 |
| 特殊決議(第3項) | 議決権を行使できる株主の半数以上(頭数) | その株主の議決権の3分の2以上 | 第309条第3項 |
| 特殊決議(第4項) | 総株主の半数以上(頭数) | 総株主の議決権の4分の3以上 | 第309条第4項 |
議案を見て「どの決議が必要か」がすぐ分かるように、株主総会でよく出る議案を並べました。条文はいずれも会社法です。
第309条第2項第11号は「第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を要する場合」を特別決議としています。第6章は定款の変更、第7章は事業の譲渡等、第8章は解散で、定款変更・事業譲渡・解散がまとめて特別決議になるのはこのためです。
| 議案 | 必要な決議 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 取締役・監査役の選任 | 普通決議(定足数は3分の1以上) | 第329条、第341条 |
| 取締役の解任 | 普通決議(定足数は3分の1以上)。累積投票で選任された取締役と監査等委員である取締役は特別決議 | 第339条、第341条、第309条第2項第7号 |
| 監査役の解任 | 特別決議 | 第309条第2項第7号 |
| 取締役の報酬等(定款に定めがない場合) | 普通決議 | 第361条、第309条第1項 |
| 剰余金の配当 | 普通決議(金銭以外で配当し金銭分配請求権を与えない場合は特別決議) | 第454条、第309条第2項第10号 |
| 資本金の額の減少 | 特別決議(定時総会で欠損填補の範囲なら普通決議) | 第447条、第309条第2項第9号 |
| 定款の変更 | 特別決議 | 第466条、第309条第2項第11号 |
| 事業の全部の譲渡 | 特別決議 | 第467条、第309条第2項第11号 |
| 解散 | 特別決議 | 第471条第3号、第309条第2項第11号 |
| 発行する全株式に譲渡制限を設ける定款変更 | 特殊決議 | 第309条第3項第1号 |
| 株主ごとに異なる取扱いを定める定款変更 | 特殊決議(4分の3以上) | 第309条第4項、第109条第2項 |
取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、出席した取締役の過半数で行います(会社法第369条第1項)。株主総会と違い、議決権の数ではなく取締役の人数で数えます。
第369条第5項があるため、反対した取締役は議事録に反対の旨を残しておくことが重要です。たとえば取締役5人の会社で、1人が特別利害関係人に当たる議案なら、議決に加わることができる4人のうち3人以上が出席し、その過半数が賛成すれば可決です。
書面決議(みなし決議)とは、会議を開かずに、提案に対して議決権者の全員が書面または電磁的記録(メールや電子署名など)で同意したとき、決議があったものとみなす制度です。株主総会は第319条、取締役会は第370条に定められています。
定時株主総会の目的事項すべてを書面決議で可決した場合は、その時点で定時株主総会が終結したものとみなされます(第319条第5項)。報告事項についても、全員の同意で報告を省略できる制度があります(株主総会は第320条、取締役会は第372条)。ただし、代表取締役などが3か月に1回以上行う職務執行の状況の報告(第363条第2項)は、取締役会への報告の省略の対象外です(第372条第2項)。
「書面決議」は、株主が総会に出席せずに議決権行使書で賛否を送る「書面による議決権の行使」(第311条、「書面議決」「書面投票」とも呼ばれます)と混同されがちです。書面による議決権の行使は株主総会を実際に開く前提の制度で、書面で行使した議決権は出席した株主の議決権に数えられます(第311条第2項)。全員の同意を要件とするみなし決議とは別のものです。
| 株主総会(第319条) | 取締役会(第370条) | |
|---|---|---|
| 提案できる人 | 取締役または株主 | 取締役 |
| 必要な同意 | その事項について議決権を行使できる株主の全員 | その事項について議決に加わることができる取締役の全員 |
| 定款の定め | 不要 | 必要(定款に定めがある場合のみ使える) |
| 監査役の異議 | 関係しない | 監査役設置会社で監査役が異議を述べたら使えない |
| 同意書面の保存 | 決議があったとみなされた日から10年間、本店 | 同日から10年間、本店(第371条) |
株主総会と取締役会の議事録には「議事の経過の要領及びその結果」を書きます(会社法施行規則第72条第3項、第101条第3項)。みなし決議の場合も議事録を作り、決められた4項目を書きます(同第72条第4項、第101条第4項)。
架空の株主総会。決議の種類に合った賛成の割合が分かるように書きます。
第2号議案 定款一部変更の件 議長は、事業目的に「経営コンサルティング業務」を追加するため、 定款第2条を別紙のとおり変更したい旨を説明し、その賛否を議場に諮った。 出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を得たので、 本議案は原案どおり承認可決された。
施行規則第101条第4項第1号の4項目を、そのまま見出しにしています。
取締役会議事録(会社法第370条による決議の省略) 1. 取締役会の決議があったものとみなされた事項の内容 当社本店を東京都港区○○一丁目2番3号に移転する件 2. 前号の事項の提案をした取締役の氏名 代表取締役 山田 太郎 3. 取締役会の決議があったものとみなされた日 2026年10月9日 4. 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名 代表取締役 山田 太郎 取締役全員から書面により同意の意思表示があり、 監査役から異議は述べられなかった。
Klangは会議の録音から文字起こし・要約・決定事項の下書きを作成し、フリープランでも文字起こしは無制限です。取締役会や総会の議事録を書くとき、質疑の要旨や賛否の発言を、元の発言の時刻に戻って音声で確かめられます。会話データはAIの学習に使いません。
決議とは、株主総会や取締役会などの会議体が、議案について定められた要件を満たす賛成で正式に意思を決めることです。結果は可決か否決になり、法定の会議では議事録に記載します。
決議は、株主総会や取締役会などの会議体が正式な手続きで意思を決めること、またその決めた内容を指します。議決は会議で議案について決めることを指し、法令では「議決権」「議決に加わる」のように、決める側の権利や行為を表すときに使われます。
書面議決(書面による議決権の行使)は、株主総会を開いたうえで、出席しない株主が議決権行使書面で賛否を送る制度です(会社法第298条第1項第3号・第311条)。書面決議(みなし決議)は総会を開かず、議決権を持つ株主全員が提案に書面または電磁的記録で同意したときに、可決の決議があったものとみなす制度です(第319条)。
普通決議は出席株主の議決権の過半数の賛成で成立し、特別決議は出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。特別決議は定款変更・事業譲渡・解散など会社の基礎に関わる議案に求められ、定足数も定款で3分の1未満には下げられません(会社法第309条)。
書面決議(みなし決議)とは、会議を開かずに、提案に議決権者の全員が書面または電磁的記録で同意したとき、可決の決議があったものとみなす制度です。株主総会は会社法第319条、取締役会は第370条に定めがあり、取締役会で使うには定款の定めが必要です。
はい、取締役会の書面決議には定款の定めが必要です。会社法第370条は、全取締役の同意によって決議があったものとみなす旨を「定款で定めることができる」としており、監査役設置会社では監査役が異議を述べた場合には使えません。
書面決議でも議事録は必要です。決議があったものとみなされた事項の内容、提案者の氏名、みなされた日、議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名を記載します(会社法施行規則第72条第4項、第101条第4項)。