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いじめの記録の残し方

いじめの録音を証拠に残す方法:文字起こしして、学校に伝わる記録にする

子どもから聞いた話、担任との面談、学校からの電話。いじめの相談では、録音そのものより「いつ・どこで・誰が・何をしたか」を整理した記録が役に立ちます。録音してよいかの考え方、録音の保存、文字起こしから日付順の記録を作る方法、学校や教育委員会への伝え方と相談先を、文部科学省のガイドラインと法律で確かめて説明します。

更新日:執筆・運営:

お子さんに危険が迫っているときは、記録よりも安全を優先してください。24時間こどもSOSダイヤル(0120-0-78310・通話無料)は、夜間・休日も相談できます。

自分が参加している会話を録音すること(当事者録音)は、相手に伝えずに行っても、それだけで罪になる法律はありません。最高裁判所は、詐欺の被害を受けたと考えた人が後日の証拠とするために相手との会話を録音した事件で、このような場合の録音は相手の同意がなくても違法ではないとして、証拠能力を認めました(刑事事件の決定)。どんな場合でも同じ判断になるとは限りません。

録音が禁止されている場での録音は、裁判で証拠として扱われなかった例が報じられています。迷ったときや、裁判で使うことを考えているときは、弁護士に相談してください。本ページは一般的な情報で、法的助言ではありません。

いじめの相談で録音する場面ごとの考え方(一般的な情報。法的助言ではありません)
場面考え方
子どもから家で話を聞く保護者自身が聞き手の会話。子どもに「忘れないように録音するね」と伝えると、子どもも安心して話せます。
担任・学校との面談保護者自身が参加する会話。初めに「記録のために録音させてください」と伝える方法があります。文部科学省のガイドラインも、学校が保護者に説明する場で、同意を得て録音することに触れています。
学校からの電話スマートフォンの通話録音機能を使う場合、機種によっては相手に録音が知らされます。録音しない場合も、電話の直後に日時と内容をメモに残します。
録音を人に聞かせる・公開する録音すること自体とは別の問題です。SNSへの公開や、関係のない人に聞かせることは、相手のプライバシーや名誉を傷つけるおそれがあります。渡す相手は学校・教育委員会・弁護士などに限ります。

録音は、あとから「いつの、誰との会話か」がすぐわかる形で保存しておきます。数か月後に学校や教育委員会に説明するときに、探す手間がなくなります。

  1. 01

    ファイル名に日付と場面を入れる

    「2026-10-14_担任面談.m4a」のように、日付と場面がわかる名前に変えます。スマートフォンのボイスメモなら、録音の名前を変えられます。

  2. 02

    元のファイルは編集しない

    不要な部分を切り取ったり、音量を上げたりした録音は、元の録音と区別がつかなくなります。編集が必要なら、コピーを作って作業します。

  3. 03

    2か所に保存する

    スマートフォンの故障や機種変更で消えないよう、パソコンやクラウドにも保存します。家族で共有する場合も、保存先は限られた人だけにします。

  4. 04

    録音しなかった出来事はメモで残す

    電話や立ち話など録音がない出来事も、その日のうちに日時・相手・内容をメモに書きます。記録の中で「メモ(録音なし)」と区別します。

1時間の面談を聞き直すのは大変ですが、文字にすれば数分で読み返せます。文字起こしから、学校に渡せる短い記録を作るまでの流れです。

  1. 01

    録音を文字起こしする

    文字起こしには時刻が付くので、気になる発言の場所がすぐわかります。名前や学年など聞き違えやすい言葉は、元の音声で確かめて直します。

  2. 02

    出来事を1行ずつ抜き出す

    「いつ・どこで・誰が・誰に・何をした」がわかる発言を探し、1つの出来事を1行にします。出典として「②面談 18:46」のように録音の回と時刻を書きます。

  3. 03

    確認できたかどうかを書き分ける

    子どもの話だけでわかったことと、学校も確認したことを分けます。文部科学省のガイドラインも、学校の記録で確認できた事項とできなかった事項を分けて残すことが望ましいとしています。

  4. 04

    日付順に並べ、気持ちは別に書く

    話した順ではなく、出来事が起きた順に並べます。「わざとだと思う」といった気持ちや推測は、記録とは別のメモに残します。

子どもの話(録音①)、担任との面談(録音②)、担任からの電話(メモ③)の3つから作った記録です。面談の文字起こしの一部と、そこから作った日付順の記録を並べています。

小学5年生の子どもの持ち物が続けて隠され、母親が子どもの話と担任との面談を録音した、という架空の例です。人物・学校・日付はすべて架空です。

②担任との面談(10月14日・25分)の文字起こしから

面談の初めに「記録のために録音させてください」と伝え、了承を得て録音した例です。

  1. 18:20話者1 → 母

    先週の木曜に、体操服がまたなくなったと本人から聞いています。学校ではどう把握されていますか。

  2. 18:31話者2 → 担任

    はい、木曜の5時間目のあとですね。本人から申し出があって、教室を探して、ロッカーの裏で見つかりました。

  3. 18:42話者1 → 母

    誰がやったかは、まだわからないということですか。

  4. 18:46話者2 → 担任

    そうですね、今の時点では確認できていません。学年の先生方と共有して、明日、学級で話をするつもりです。

3つの録音から作った記録

架空の保護者が、子どもの話・面談・電話から作った日付順の記録
日時何があったか(いつ・どこで・誰が・何を)出典確認
10月1日(木)昼休み筆箱が隠され、同じ班の2人が「知らない」と笑っていた(子どもの話)①子どもの話 05:42学校は未確認
10月8日(木)5時間目のあと体操服がなくなり、教室のロッカーの裏で見つかった。誰がしたかは不明①子どもの話 03:10/②面談 18:31学校も確認済み
10月14日(水)面談担任:学年の先生と共有し、10月15日に学級で話をする②面談 18:46担任の発言
10月20日(火)電話担任から、学級で話をしたと連絡。持ち物の件は以後なし③電話のメモ(録音なし)学校の説明

記録は日付順に並べ替えています。10月1日の件は、10月8日のあとに子どもが話して初めてわかったため、録音①の後半に出てきます。

  • 子どもの話と学校の確認を分ける

    「学校も確認済み」「学校は未確認」を書き分けると、どこを学校に調べてもらうかがはっきりします。

  • 出典は録音の時刻で

    「②面談 18:46」のように、何回目の録音の何分かを残します。学校や教育委員会に聞かれたら、その部分をすぐ再生できます。

  • 気持ちや推測は別の欄に

    「わざとだと思う」などの気持ちは大事ですが、記録の欄には入れず、別のメモに書きます。事実の記録が読みやすくなります。

いじめ防止対策推進法は、いじめを「一定の人的関係にある児童等が行う、心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じた行為を含む)で、対象の児童等が心身の苦痛を感じているもの」と定めています(第2条)。子どもが苦痛を感じていれば、法律上のいじめに当たり得ます。

学校に記録を渡すときは、日付順の記録と、関係する部分の文字起こしをまず渡し、録音そのものは求められたら提供できるよう準備しておく方法があります。ガイドラインは、重大事態の調査は民事・刑事上の責任を追及することを直接の目的とするものではないとしています。損害賠償などを考える場合は、弁護士に相談します。

いじめの重大事態と、保護者ができること(いじめ防止対策推進法と、文部科学省の令和6年8月改訂ガイドライン)
項目内容
重大事態(第28条第1項)1号:いじめで生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑い。2号:いじめで相当の期間、欠席を余儀なくされている疑い(年間30日が目安。連続して休んでいる場合は目安にかかわらず調査に着手)
保護者からの申立て子どもや保護者から「いじめで重大な被害が生じた」と申立てがあったときは、学校が「いじめの結果ではない」と考えていても、重大事態が発生したものとして報告・調査にあたる。電話や口頭の相談でもよく、書面がないことを理由に対応を遅らせない
申立ての様式ガイドラインの別添資料に申立様式があり、時期・場所・関係する児童生徒・いじめの内容・欠席の状況・聴き取りしてほしい人などを書ける
学校の記録学校は会議や支援・指導の記録を作って保存する。調査で集めたアンケートや聴取の記録、調査報告書は5年の保存が望ましいとされている
調査結果の説明学校の設置者または学校は、調査をしたときは、いじめを受けた子どもと保護者に事実関係などの必要な情報を適切に提供する(第28条第2項)

学校に相談しにくいときや、学校の対応に納得できないときは、学校の外の窓口にも相談できます。

いじめの相談先(各公式ページ、2026年11月2日確認)
窓口電話受付
24時間こどもSOSダイヤル(文部科学省)0120-0-78310(通話無料)24時間
こどもの人権110番(法務省)0120-007-110(通話無料)平日8:30〜17:15。法務局の職員か人権擁護委員が対応。メールやLINEでの相談窓口もある

Klangは会話データをAIモデルの学習に使いません。記録を作り終えた録音は、Klangの中から削除できます。Klangは現在、日本では電話の通話を録音できません。スマートフォンで録音した通話のファイルは、アップロードして文字起こしできます。

  1. 01

    録音をアップロードする

    スマートフォンのボイスメモやICレコーダーの録音を、ブラウザから「新規アップロード」で追加します(mp3・m4a・wavなど、1ファイル10GBまで)。

  2. 02

    時刻付きの文字起こしを読む

    文字起こしの文をクリックすると、その時刻から元の音声が再生されます。記録の出典に書く時刻も、ここで確かめます。

  3. 03

    話者を分ける(プロプラン)

    話者の自動識別を使うと、面談の発言が保護者と先生に分かれ、誰の発言かがわかりやすくなります。

  4. 04

    Wordで書き出す

    文字起こしはWordで書き出せます(フリープラン可)。記録の表に必要な部分を書き写し、学校に渡す資料を作ります。

Klangはフリープランでも文字起こしの時間に上限がなく、時刻付きの文字起こしをWordで書き出せます。会話データはAIモデルの学習に使いません。

  • フリープラン0円(税込)・クレジットカード不要
  • 話者の自動識別はプロプラン(7日間の無料トライアルあり)
  • 日本語・英語を含む17言語(翻訳はしません)
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いじめの会話を相手に言わずに録音するのは違法ですか?

自分が参加している会話を録音すること自体を罪とする法律はありません。最高裁判所も、証拠を残すために当事者が相手の同意なく録音した事件で、違法ではないとしています。ただし、録音の経緯によって裁判での扱いは変わり得るほか、録音を公開したり関係のない人に聞かせたりすると、プライバシーや名誉の問題になり得ます。本ページは一般的な情報で、法的助言ではありません。

学校の先生との面談を録音してもいいですか?

保護者が参加する面談を録音することを罪とする法律はありません。トラブルを避けるには、初めに「記録のために録音させてください」と伝える方法があります。文部科学省のガイドラインも、学校が保護者へ説明する場で、同意を得て録音することに触れています。

子どもにボイスレコーダーを持たせてもいいですか?

学校には持ち物の決まりがあり、見つかったときに子どもがさらに困る場合もあります。持たせる前に、子どもの安全と気持ち、学校の決まりを考え、まずは家で子どもの話を聞いて記録し、学校に相談するところから始めるのが一般的です。迷うときは相談窓口に相談してください。

録音は、そのまま学校に渡すべきですか?

1時間の録音をそのまま渡しても、全部は聞いてもらえないことがあります。日付順の記録と、関係する部分の文字起こしをまず渡し、録音そのものは求められたら提供できるようにしておくと伝わりやすくなります。元のファイルは編集せずに保存しておきます。

いじめの重大事態とは何ですか?

いじめ防止対策推進法第28条第1項の、いじめで生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いがある場合(1号)と、いじめで相当の期間欠席を余儀なくされている疑いがある場合(2号)です。2号の相当の期間は年間30日が目安です。子どもや保護者から申立てがあれば、学校は重大事態として調査にあたります。

裁判で使う場合は、どうすればいいですか?

裁判に録音を出すときは、録音の内容を文字にした書面(反訳書)を付けることがあります。どの録音をどう使うかは、弁護士に相談してください。反訳書の作り方は、反訳のガイドで説明しています。

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