訪問看護記録書Ⅰと記録書Ⅱは、何が違いますか?
記録書Ⅰは、初回訪問時などに把握した利用者の基本情報と主治医の情報を書く記録です。主たる傷病名、現病歴、既往歴、療養状況、介護状況、依頼目的、緊急時の連絡先などを記入します。記録書Ⅱは訪問ごとに書く記録で、訪問年月日、実際の開始・終了時刻、訪問職種、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容を記入します(厚生労働省 保医発0327第10号)。
訪問看護記録をAIで下書き
訪問を終えたら、車内で2分ほど音声メモを残します。Klangが文字に起こし、記録書Ⅱに貼れるS・O・A・Pの下書きまで作ります。数値と薬剤名を確かめて記録ソフトに貼れば、ステーションに戻ってから一から書く必要はありません。
10月15日 Yさん 訪問後メモ.m4a
2分10秒 ・ 訪問先を出た車内で録音 ・ 文字起こし完了
※ 画面はイメージです。利用者・看護師は架空の例です。
訪問の合間に使う前提の手順です。録音から下書きまで、看護師の作業は話す2分と確かめる2〜3分です。
ステップ1
KlangのiPhone・Androidアプリで録音を始め、時刻、バイタル、本人と家族の言葉、観察、実施したケア、見立て、次回の予定の順に話します。氏名は言わず「Yさん」のように呼ぶと、録音に残る個人情報が減ります。
ステップ2
録音を止めるとアップロードされ、文字起こしが始まります。電波の弱い場所で録った分は、オンラインに戻ると自動でアップロードされます。次の訪問先に着くころには読める状態です。
ステップ3
録音を開き、チャットに「記録書Ⅱ用に、この音声メモをS・O・A・Pに分けて下書きして。話していない項目は【看護師が記入】と空けて」と入力します。指示文はスマホのメモに保存しておくと、毎回貼り付けるだけです。
ステップ4
下の「記録にする前に確認すること」で数値と薬剤名を照らし、記録ソフトの記録書Ⅱに貼り付けます。Klangは訪問看護の記録ソフト(電子カルテ)とは連携していないため、コピーして貼る運用です。
2026年10月15日(木)14時〜14時30分、訪問看護師が慢性心不全で要介護2のYさん(86歳)宅を訪問し、長男の妻が主に介護している、という架空の例です。訪問中は録音せず、訪問先を出た車内で2分10秒の音声メモを残しました。
音声メモの文字起こし
一人で話したメモなので、話者の自動識別は使っていません(フリープランのまま)。
Klangが作った記録書Ⅱの下書き(SOAP)
チャットに「記録書Ⅱ用に、この音声メモをS・O・A・Pに分けて下書きして」と入力した結果です。
記録書Ⅱの参考様式は「利用者の状態(病状)」「バイタルサイン」「実施した看護・リハビリテーションの内容」などの欄で構成されています(厚生労働省 保医発0327第10号)。SOAPの下書きは「利用者の状態」欄に、「実施した看護」は同名の欄に貼り分けます。
下書きの文章は整っていても、数字や薬の名前を1つ聞き違えれば記録として使えません。貼り付ける前に、次の6点を順に見てください。Yさんの例なら2〜3分で終わります。
1.数値
体温・脈拍・血圧・SpO2・体重を、測定機器の表示や手元のメモと1つずつ照らします。「138の76」が「136の76」になるような聞き違いは、文字起こしでも起こります。
2.薬剤名と量
薬剤名と規格(例:フロセミド20mg)は、お薬手帳や処方の内容と照らします。似た名前の薬への変換や、mgの桁の誤りがないかを見ます。
3.主観と客観の区別
本人・家族の言葉はSに「」で、看護師が測ったこと・見たことはOに入っているかを確かめます。看護師の推測がOに混ざっていたら、Aに移します。
4.医師への報告要否
Klangは報告が要るかどうかを判断しません。指示書の連絡基準と照らして看護師が判断し、報告した時刻・内容・受けた指示を記録に加えます。
5.訪問時刻
開始・終了時刻は、実際の時刻を記録します。メモで言い間違えると算定にも関わるため、訪問予定表や記録ソフトの打刻と照らします。
6.余計な個人情報
法事の参列者の名前など、記録に要らない第三者の情報が下書きに入っていたら消します。
訪問看護で書く4つの書類を、厚生労働省の記載要領と運営基準に沿って並べました。右端の列は、Klangの下書きをどこまで使えるかの目安です。
書類
記録書Ⅰ
書類
記録書Ⅱ
書類
計画書
書類
報告書
| 書類 | いつ | 誰が | 何を書くか | Klangの下書き |
|---|---|---|---|---|
| 記録書Ⅰ | 初回訪問時など | 訪問した看護師等 | 初回訪問年月日、訪問職種、主たる傷病名、現病歴、既往歴、療養状況、介護状況、訪問看護の依頼目的、緊急時の主治医・家族等の連絡先、居宅介護支援事業所等の連絡先 | 一部使える。初回の聞き取りを録音すれば、現病歴・療養状況・介護状況の下書きになります。傷病名と連絡先は指示書や情報提供書から転記します |
| 記録書Ⅱ | 訪問ごと | 訪問した看護師等 | 訪問年月日、実際の開始・終了時刻、訪問職種、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容。評価の内容もここに記録します | いちばん向いています。車内で話した音声メモから、S・O・A・Pに分けた下書きを作れます。時刻とバイタルは実測値で確かめます |
| 計画書 | 作成時と見直し時 | 看護師等(准看護師を除く)。管理者が指導・管理 | 看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容、評価、衛生材料等が必要な処置。主治医に提出します | 補助まで。1か月分の文字起こしをチャットで振り返り、課題の候補を挙げてもらう使い方です。目標と支援内容は看護師が決めます |
| 報告書 | 様式の訪問日欄は1か月単位 | 看護師等(准看護師を除く)。管理者が指導・管理 | 訪問日、病状の経過、看護・リハビリテーションの内容、家庭での介護の状況、衛生材料等、情報提供、特記すべき事項。主治医に提出します | 一部使える。その月の記録から「病状の経過」の要約を下書きできます。月1回の訪問なら、記録書Ⅱの複写を報告書にしても差し支えありません |
記載内容は「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号、令和8年6月1日から適用)と、介護保険の運営基準第70条(e-Gov法令検索)に基づきます。記録書は、各ステーションが参考様式1〜5に準じて利用者ごとに作成します。用紙が必要な場合は、同じ通知のPDFに参考様式が載っています。
精神科の記録書Ⅱには、食生活・清潔・排泄・睡眠・生活リズム・部屋の整頓等、精神状態、服薬等の状況、作業・対人関係、実施した看護内容を記入します。月の初日の訪問では、GAF尺度で判定した値も書きます。この場合はSOAPではなく、チャットで「精神科訪問看護記録書Ⅱの欄に沿って分けて」と頼むと、様式の順に下書きできます。GAFの値は看護師が判定して記入します。
病歴や心身の状態は、個人情報保護法の「要配慮個人情報」にあたります。取得するにはあらかじめ本人の同意が必要です(第2条第3項、第20条第2項)。個人情報保護委員会と厚生労働省のガイダンスも、介護関係記録に書かれた病歴などを要配慮個人情報の例に挙げています。
利用者の声が残らない方法
訪問後に看護師が一人で話す音声メモなら、利用者の声は録音に残りません。このページの記録例もこの方法です。ただし音声メモにも病状や服薬が入るため、要配慮個人情報として事業所の規程に沿って扱います。
訪問中に録る場合の説明
録音する目的、保存する場所、記録にした後に録音をどう扱うかを伝え、利用者と家族の同意を得てから始めます。同意の取り方は事業所の規程に合わせます。
クラウドに預ける前に
外部のサービスに個人データの取扱いを任せる場合、事業所には委託先を監督する義務があります(個人情報保護法第25条)。導入前に保存場所と管理体制を確かめてください。
Klangは、音声と文字起こしをAIモデルの学習に使いません。データはISO 27001認証のデータセンターで保管しています。管理の詳細はセキュリティページ、事業所で決めておく項目は医療機関で文字起こしAIを使う前の確認項目にまとめています。法令の原文は個人情報保護法(e-Gov)と医療・介護関係事業者向けガイダンスで確認できます。
介護保険の運営指導は、都道府県や市町村が事業所ごとに行う指導で、2022年に「実地指導」から名称が改められました(厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」)。医療保険側でも、記録書への記載が訪問看護療養費の算定要件になっている項目があります。
出典:保医発0327第10号、近畿厚生局「訪問看護記録書等の記録に関する規定」(保発0305第19号の抜粋)、運営指導マニュアル
国の基準では、記録の完結の日から2年間の保存が義務です(医療保険の運営基準第30条、介護保険の運営基準第73条の2)。自治体によっては条例で5年としています(尼崎市の例)。保存の対象は記録ソフトの正式な記録で、Klangの録音を残すかどうかは事業所の規程で決めます。
令和8年3月5日の留意事項通知(保発0305第19号)は、24時間対応体制加算の業務負担軽減の取り組みの例として「看護記録の音声入力」を挙げています。加算の要件を満たすかどうかは、通知の全文と事業所の体制で判断してください。
導入の前に、できないことをはっきりさせておきます。
記録ソフトとの連携
訪問看護の記録ソフトや電子カルテとは連携していません。下書きはコピーして貼るか、Word・TXTで書き出します。
医学的な判断
Klangは医療機器ではありません。アセスメント、医師への報告の要否、計画の変更は看護師が決めます。
話していないことの補完
音声メモにない数値や観察を、正しく補うことはできません。話していない項目は【看護師が記入】と空けるよう指示し、AIが書き足した箇所がないかも確認で見てください。
電話の通話録音
Klangは現在、日本では電話の通話録音に対応していません。録音済みの通話ファイルはアップロードして文字起こしできます。
訪問後の音声メモを文字にしてチャットで下書きを作るところまでは、フリープランで使えます。利用者や家族の同意を得て訪問中の会話を録り、誰が話したかを自動で分けたい場合は、プロプラン(月払い¥1,180、年払いなら月あたり¥980・税込)が必要です。
無料で記録の下書きを試す| 機能 | フリー | プロ |
|---|---|---|
| 音声メモ・録音の文字起こし | 無制限 | 無制限 |
| 1ファイルの上限 | 10GB | 10GB |
| AI要約・チャットでの下書き | ◯ | ◯ |
| iPhone・Androidアプリでの録音 | ◯ | ◯ |
| 話者の自動識別(訪問中の会話) | — | ◯ |
| Word・TXTなどの書き出し | ◯ | ◯ |
音声・動画・文字起こしは、AIモデルの学習に利用しません。ISO 27001認証のデータセンターで保管し、管理の詳細はセキュリティページで公開しています。
記録書Ⅰは、初回訪問時などに把握した利用者の基本情報と主治医の情報を書く記録です。主たる傷病名、現病歴、既往歴、療養状況、介護状況、依頼目的、緊急時の連絡先などを記入します。記録書Ⅱは訪問ごとに書く記録で、訪問年月日、実際の開始・終了時刻、訪問職種、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容を記入します(厚生労働省 保医発0327第10号)。
厚生労働省の記載要領は、記録書Ⅱに書く項目を定めていますが、SOAPという書き方は指定していません。参考様式の記録書Ⅱは「利用者の状態(病状)」「バイタルサイン」「実施した看護・リハビリテーションの内容」などの欄で構成されています。SOAPは、本人の訴えと観察、看護師の見立てを分けて書けるため、「利用者の状態」欄を整理する書き方の一つとして使えます。事業所の記録の決まりがあれば、そちらに合わせてください。
国の基準では、記録の完結の日から2年間です。医療保険の訪問看護は「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」第30条が、訪問看護記録書・指示書・計画書・報告書などの2年間の保存を定めています。介護保険は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第73条の2です。自治体の条例で5年としている例もあるため、事業所を指定した自治体の条例を確認してください。
病歴などの健康に関する情報は、個人情報保護法の「要配慮個人情報」にあたり、取得するにはあらかじめ本人の同意が必要です(第20条第2項)。訪問中に録音するなら、録音の目的、保存先、記録にした後の扱いを利用者と家族に説明し、同意を得てから始めてください。同意がない場合や迷う場合は、訪問後に看護師が一人で話す音声メモだけを録音します。
厚生労働省の通知「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)のPDFに、計画書・報告書の別紙様式と、記録書Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの参考様式が載っています。記録書は、各ステーションが参考様式に準じて利用者ごとに作成するものとされています。
連携していません。Klangで作った下書きは、確認したうえで記録ソフトにコピーして貼り付けるか、Word・TXTなどで書き出して使います。Klangは医療機器ではなく、医学的な判断もしません。記録の内容を確定するのは、訪問した看護師です。
プランの最新情報は料金ページでご確認ください。