Final Cut Proの字幕と文字起こし
Final Cut Proで字幕を自動で付ける方法。日本語の音声はSRTを読み込む
Final Cut Proの「キャプションを生成」は、2026年10月時点で米国英語の音声にだけ対応しています。日本語の音声に自動で字幕を付ける標準機能はないため、日本語の字幕は別のサービスで作ったSRTを「クローズドキャプション」として読み込みます。読み込みの設定、英語の自動字幕、SRTでの書き出しを、AppleのFinal Cut Pro 12.4ユーザガイドに沿って整理します。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
Final Cut Proの字幕機能でできること・できないこと
Final Cut Proの字幕まわりには、音声から字幕を作る「キャプションを生成」と、字幕ファイルの読み込み・書き出しがあります。日本語の音声で使えるのは、読み込みと書き出しの方です。
Appleのユーザガイドには、「キャプションを生成」機能にはAppleシリコンを搭載したMacが必要で、米国英語でのみ利用できると書かれています。Final Cut Proを日本語のメニューで使っていても、日本語の音声は対象外です。
| 知りたいこと | 答え | 補足 |
|---|---|---|
| 日本語の音声から自動で字幕を作れるか | 作れない | 「キャプションを生成」は米国英語のみ |
| 英語の音声なら自動で作れるか | 作れる | Appleシリコン搭載のMacが必要。初回は言語モデルのダウンロードにインターネット接続が要る |
| 日本語のSRTを読み込めるか | 読み込める | SRT、iTT、CEA-608に対応。VTTは対象外 |
| 字幕をSRTで書き出せるか | 書き出せる | 言語のサブロールごとに別のファイルになる |
| 音声の中の言葉を検索できるか | 英語のみ | 「文字起こし検索」は米国英語で利用できる |
| Final Cut Proの価格 | 買い切り50,000円(税込) | Apple Creator Studioにも含まれる。月額1,780円または年間17,800円、新規登録は30日間無料 |
日本語のSRTをFinal Cut Proに読み込む手順
日本語の字幕は、プロジェクトを開いた状態で「ファイル」>「読み込む」>「クローズドキャプション」からSRTを読み込みます。字幕はタイムライン上部のキャプションレーンに並びます。
「Absolute」を選ぶと、プロジェクトの開始時刻にかかわらず、字幕ファイルの時刻そのままの位置に置かれます。Klangで書き出したSRTは動画の先頭を00:00:00として時刻が付くため、動画をプロジェクトの先頭に置いているなら「タイムラインに相対」が合います。
- 01
KlangでSRTを書き出す
動画か、Final Cut Proから書き出した音声をKlangにアップロードし、出力形式を「字幕」にして文字起こしします。原音で直したら、「ダウンロード」アイコンから「SRT字幕」を選びます。
- 02
「クローズドキャプション」の読み込みを開く
字幕を付けるプロジェクトをタイムラインに開き、「ファイル」>「読み込む」>「クローズドキャプション」を選んで、SRTファイルを指定します。
- 03
「ロールとして読み込む」でロールと言語を選ぶ
左のポップアップメニューでキャプションロールを、右のポップアップメニューで言語のサブロールを選びます。日本語の字幕なら「日本語」です。
- 04
「挿入時間」を選んで「読み込む」をクリックする
「タイムラインに相対」を選びます。各字幕の開始時刻が、プロジェクトの開始時刻に足されて配置されます。
採用動画の社長インタビューで見る、読み込むSRTと設定
町工場の採用動画に、社長のインタビューの日本語字幕を付ける例です。読み込むSRTの各字幕と、Final Cut Proで気をつける点を並べます。
字幕全体が数秒ずれている場合は、読み込む前にSRTの時刻をまとめてずらしておくと、タイムライン上で一つずつ動かさずに済みます。
約14秒。Klangの「字幕」モードで文字起こしし、原音で直してから「SRT字幕」で書き出したもの
100:00:01,000 --> 00:00:05,000うちの工場では0.01ミリを削ります1行最大9字・4.0秒・毎秒4.0字
「ロールとして読み込む」で言語のサブロールを「日本語」にしておくと、あとで英語の字幕を足しても、言語ごとに分けて書き出せます。
200:00:05,400 --> 00:00:09,900機械が止まる音で不調が分かるんです1行最大9字・4.5秒・毎秒3.8字
「タイムラインに相対」なら、この字幕はプロジェクトの開始時刻から5.4秒の位置に置かれます。動画クリップがプロジェクトの先頭にあれば、話し始めと合います。
300:00:10,200 --> 00:00:13,600その感覚を若い人に伝えたい1行最大8字・3.4秒・毎秒3.8字
どの字幕も1行13字・毎秒4字(Netflixの日本語字幕ガイドの目安)以内です。読み込んだ後はクローズドキャプションとして並び、Appleのガイドに沿って「字幕」に変換すると、アニメーション付きのテロップにもできます。
英語の音声には「キャプションを生成」で自動で字幕を付ける
英語の音声なら、タイムラインでクリップを選び、「編集」>「キャプションを生成」から「字幕」か「クローズドキャプション」を選ぶだけで字幕が付きます。2つは作られる字幕の種類が違います。
- 選択したクリップをControlキーを押しながらクリックしても、同じ「キャプションを生成」のメニューが出ます。
- 初めて使うときは言語モデルがダウンロードされます。インターネット接続が必要で、ダウンロードは1回だけです。
- 選んだクリップごとに文字起こしされ、字幕は元のクリップにつながった状態で並びます。
| 選ぶ項目 | 作られるもの | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 「字幕」 | 「字幕」ロールのタイトルクリップ。発話に合わせて表示され、アニメーションのスタイルを選べる | 映像に入れるテロップ、縦型のSNS動画 |
| 「クローズドキャプション」 | iTT形式のクローズドキャプション。キャプションレーンに並ぶ | 視聴者が表示を切り替える字幕、SRTなどで書き出す字幕 |
Final Cut Proだけで済む場面、KlangのSRTが要る場面
Final Cut Proで字幕の作業が完結するかどうかは、ほぼ音声の言語で決まります。米国英語なら標準機能で足り、日本語なら文字起こしを外で行う必要があります。
| 場面 | Final Cut Proだけ | KlangでSRTを作って読み込む |
|---|---|---|
| 日本語のインタビュー・会議の動画 | 自動ではできない。字幕を1つずつ入力する | 向いている。日本語で時刻付きに文字起こしできる |
| 米国英語の短い素材 | 向いている。「キャプションを生成」で足りる | 手間が増える。ファイルの往復が必要 |
| 日本語と英語の2言語の字幕 | 言語のサブロールで分けて管理・書き出しできる | 日本語・英語の音声はそれぞれ文字起こしできる。翻訳機能はないため、日本語の音声から英語の字幕は作れない |
| IntelのMacを使っている | 「キャプションを生成」はAppleシリコンが必要 | ブラウザで使うため、Macの種類を問わない |
| 日本語の発言を探す、要点をまとめる | 「文字起こし検索」は米国英語のみ | 向いている。全文検索、AI要約、AIチャット |
| 素材を社外に出せない | 向いている。Final Cut Proの中で完結する | 向かない。音声をクラウドにアップロードする |
Final Cut Proの字幕をSRTで書き出す
字幕は「ファイル」>「クローズドキャプションを書き出す」で、動画とは別のファイルとして書き出せます。言語のサブロールごとに別のファイルになります。
- 「ロール」で、書き出す言語のサブロールにチェックを入れます。
- 「開始位置」で、タイムラインを基準にするか「Absolute」にするかを選びます。
- SRTの「フォーマットを含める」は、通常は外します。SRTには書式の仕様がほとんどなく、Appleも書式を取り除くことを勧めています。
- SRTは動画ファイルには埋め込めません。動画に埋め込むならCEA-608を使います。
「キャプションを生成」が使えない日本語の音声を、SRTに
Klangは日本語を含む17言語の音声をブラウザで文字起こしし、SRTの字幕ファイルとして書き出します。Final Cut Proのプラグインではないため、字幕のデザインや焼き込みはFinal Cut Proで行います。
- フリープランで文字起こし無制限、1ファイル10GBまで
- 「字幕」モードで時刻付きに文字起こしし、「SRT字幕」で書き出し
- IntelのMacでも、ブラウザから使える
よくある質問
Final Cut Proで日本語の字幕を自動で作れますか。
作れません。AppleのFinal Cut Pro 12.4ユーザガイドでは、「キャプションを生成」はAppleシリコンを搭載したMacで、米国英語でのみ利用できるとされています。日本語の字幕は、別のサービスで作ったSRTを「ファイル」>「読み込む」>「クローズドキャプション」で読み込みます。
Final Cut Proの「キャプションを生成」はどこにありますか。
タイムラインでクリップを選び、「編集」>「キャプションを生成」から「字幕」か「クローズドキャプション」を選びます。選択したクリップをControlキーを押しながらクリックしても選べます。
Final Cut ProにVTTの字幕を読み込めますか。
読み込めません。Final Cut Proが読み込めるクローズドキャプションは、CEA-608(.scc)、iTT(.itt)、SRT(.srt)の3形式です。VTTしかない場合はSRTに変換するか、文字起こしサービスからSRTで書き出します。
読み込んだ字幕が動画とずれるときはどうすればよいですか。
読み込むときの「挿入時間」を確かめます。動画がプロジェクトの先頭にあり、SRTが動画の先頭を00:00:00としている場合は「タイムラインに相対」で合います。全体が数秒ずれているなら、読み込む前にSRTの時刻をまとめてずらします。