ブレインストーミング(ブレスト)
ブレインストーミングのやり方4つのルールと進め方、アイデアのまとめ方
ブレインストーミング(ブレスト)の意味と、オズボーンの4つのルール、準備から収束までの進め方を解説します。ブレインライティング(635法)などの種類、研究で分かっている弱点と対策、出た案を漏らさず記録する方法まで。進行表メーカー&タイマーと、投票つきのアイデア記録ボードつきです。
公開日:更新日:執筆・運営:Klang AI AB
ブレインストーミングの4つのルール
オズボーンが示した4つのルールは、日本では四字熟語で呼ばれることが多く、会議室に貼り出して使われます。ルールは参加者を縛るためではなく、「言っても否定されない」安心感をつくるためのものです。
ルール1
批判厳禁
Defer judgment
出た案をその場で評価・否定しない。良し悪しを決めるのは、出し切った後の収束の段階です。
進行役の一言:「評価は後でまとめてやります。今は数を出しましょう」
ルール2
自由奔放
Welcome wild ideas
突飛な案、実現が難しそうな案も歓迎する。現実的な案は、突飛な案を手直しする中から生まれます。
進行役の一言:「予算も前例も一度忘れて、極端な案もください」
ルール3
質より量
Go for quantity
まずは数を目標にする。数が多いほど、使える案が含まれる可能性が上がるという考え方です。
進行役の一言:「残り10分で、あと20案を目標にしましょう」
ルール4
結合改善
Combine and improve
他人の案に乗る、組み合わせる、言い換える。誰の案かにこだわらず、案を育てます。
進行役の一言:「今の案に乗っかるとしたら、どう広げられますか」
ブレストのやり方:準備から収束までの7ステップ
- 01
テーマを「問い」の形にする
「売上アップ」ではなく「どうすれば既存顧客からの紹介を増やせるか」のように、具体的で答えやすい問いにします。範囲が広すぎると案が散らばり、狭すぎると数が出ません。
- 02
参加者と役割を決める
人数は5〜8人ほどが進めやすく、立場や専門の違う人を混ぜると視点が広がります。進行役(ファシリテーター)と、案を書き留める書記役を決めておきます。
- 03
時間と段階を決めて共有する
「個人で書く10分、出し合う15分、まとめる10分」のように段階ごとに時間を区切ります。終わりが見えていると集中が続きます。
- 04
最初に個人で書き出す
いきなり話し合わず、まず数分間、各自が黙って案を書きます。声の大きい人や上司の案に引っ張られるのを防げます。
- 05
出し合い、乗っかる
1人ずつ順番に1案ずつ出し、出尽くしたら自由に出します。他人の案への「乗っかり」を歓迎し、評価はしません。
- 06
グループにまとめて、評価する
似た案を集めて見出しを付け、ドット投票や評価軸で絞り込みます。ここで初めて「実現できるか」を議論します。
- 07
次のアクションと記録を残す
採用・検証する案に担当と期限を付けます。採用しなかった案も一覧で残しておくと、次のブレストや別の企画の材料になります。
ブレスト進行表メーカー&タイマー
テーマと時間、やり方を選ぶと、上の7ステップを時間配分つきの進行表にします。会議中はそのままタイマーとして使えます。
ブレスト進行表メーカー&タイマー
テーマ・時間・やり方を選ぶと、段階ごとの時間配分と進め方を作ります。そのままタイマーとして使え、進行表はコピーしてアジェンダに貼れます。
6〜8人:多様な案が出やすく、まだ1つの輪で回せる規模です。ブレインライティングなら6人で635法がそのまま使えます。
1. 導入:テーマと4つのルールを確認5分
テーマを「どうすれば〜できるか」の形で読み上げ、4つのルールを貼り出します。
2. 個人で書き出す(話さない)7分
全員が黙って付箋やメモに案を書きます。1枚に1案。
3. 発散:アイデアを出し合う14分
1人ずつ順に案を出し、出尽くしたら自由に。他人の案に乗る(結合改善)を歓迎します。
4. 整理:似た案をまとめる7分
付箋を似たもの同士で集め、グループに短い見出しを付けます。
5. 収束:評価して絞り込む7分
1人3票のドット投票をしてから、上位を効果×実現しやすさで比べます。
6. まとめ:次のアクションを決める5分
採用する案・検証する案と、担当・期限を読み上げて確認します。
段階 1 / 6
導入:テーマと4つのルールを確認
5:00
ブレストの弱点:研究で分かっていることと対策
ブレインストーミングは広く使われていますが、心理学の研究では弱点も指摘されています。ディールとシュトレーベ(1987年)は、集団でブレストをしたグループと、同じ人数が個別に考えた案を後から合わせたグループ(名目集団)を比べた先行研究を整理し、自らも実験を行いました。その結果、個別に考えて合わせたほうが案の数が多いことが多く、主な原因は「一度に1人しか話せないため、順番を待つ間に案を忘れたり、言うのをやめたりする」ことだと示しています。
ほかにも、評価されることへの不安で独創的な案を出しにくくなること、ほかの人に任せて手を抜くことも原因の候補として検討されました。これは「ブレストは無意味」という意味ではなく、進め方で弱点を補えるということです。
| 起きやすい問題 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 話す順番を待つ間に案を忘れる | 一度に1人しか話せない(発言のブロッキング) | 最初に個人で書き出す時間をとる。ブレインライティングや同時書き込みを使う |
| 突飛な案や反対意見が出ない | 評価される不安、上下関係 | 上司は最後に発言する。匿名の付箋やオンラインの匿名投稿を使う |
| 一部の人だけが話す | 話しやすい人に頼る、手を抜く人が出る | 1人ずつ順番に1案ずつ出す。個人のノルマ(各自5案など)を決める |
| 最初の案に議論が集中する | 途中で評価が始まる | 発散と収束の時間をはっきり分け、進行役が「評価は後で」と戻す |
| たくさん出たが何も決まらない | 収束と次のアクションの時間がない | 全体の3分の1以上を整理・収束・まとめに確保する |
ブレストの種類:ブレインライティングほか
目的や人数、話しやすさに合わせて、やり方を変えられます。
| 手法 | やり方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ブレインライティング(635法) | 6人が3案ずつ5分で書き、シートを隣に回して前の案を発展させる。6ラウンドで最大108案。1968年にドイツのベルント・ロールバッハが発表した方法 | 発言しにくい人が多い、上下関係がある、人数が決まっている |
| ラウンドロビン | 1人ずつ順番に1案ずつ言い、思いつかなければパスする | 発言の偏りを防ぎたい、少人数の定例 |
| 逆ブレインストーミング | 「どうすれば失敗するか」「どうすれば顧客が離れるか」を出し、裏返して対策を考える | 改善策を考えたい、リスクを洗い出したい |
| スターバースティング | 答えではなく問いを出す。5W1H(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように)ごとに質問を挙げる | 新しい企画の検討の初期、論点の洗い出し |
| SCAMPER(スキャンパー) | 置き換える・組み合わせる・応用する・修正する・転用する・取り除く・並べ替える、の7つの問いで既存の案を変形する | 既存の商品やサービスの改善 |
| オンラインでの同時書き込み | オンラインホワイトボードや共有ドキュメントに、全員が同時に書き込む | リモート参加者がいる、短時間で数を出したい |
記入例(架空)
635法のシート:テーマ「どうすれば新規の問い合わせを増やせるか」
1行目を書いた人からシートが回ってきたら、上の行の案を発展させて次の行に書きます。6人×3案×6ラウンドで、最大108案になります。
| ラウンド | 案A | 案B | 案C |
|---|---|---|---|
| 1(0〜5分) | 紹介キャンペーン | FAQを記事化 | 事例ウェビナー |
| 2(5〜10分) | 紹介者にも特典 | 記事から資料請求へ | ウェビナー録画を配信 |
| 3(10〜15分) | 紹介しやすい1枚資料 | 業界別のFAQ | 録画を短く切って共有 |
| 4(15〜20分) | … | … | … |
| 5(20〜25分) | … | … | … |
| 6(25〜30分) | … | … | … |
ファシリテーターの進め方と、言い換えたい一言
進行役の仕事は、案を出すことではなく、全員が案を出せる状態を保つことです。特に、評価の言葉が出たときにすぐ戻すのが大切です。
| 出がちな一言 | 進行役の返し方 |
|---|---|
| それは予算的に無理だよね | 実現性は後で見ます。その案のいいところを残すとしたら? |
| 前にやってダメだった | 前回と何を変えればうまくいきそうか、案として出してみましょう |
| それ、さっきの案と同じでは | 似ていてもOKです。違いを一言足して書いておきましょう |
| (沈黙が続く) | 逆に、どうすれば絶対に失敗するかを出してみましょう |
| (上司が自分の案を推し始める) | 一度全員の案を出し切ってから、まとめて比べましょう |
出たアイデアのまとめ方:グルーピングと評価
グルーピング(親和図法)
似た案を近くに集め、グループごとに短い見出しを付けます。文化人類学者の川喜田二郎が考案したKJ法の考え方で、案の全体像が見えるようになります。
ドット投票
1人3票などと決め、良いと思う案にシールや印を付けます。短時間で全員の意見を見える形にでき、声の大きさに左右されにくくなります。
効果×実現しやすさで比べる
縦軸に効果、横軸に実現しやすさをとった4つの枠に上位の案を置きます。「効果が大きく、すぐできる」案から試します。
決め方を先に決める
最後に誰がどう決めるか(投票の結果で決める、責任者が決める、など)を最初に伝えておくと、収束の段階で揉めにくくなります。
アイデア記録ボード(投票つき)
書記役が出た案をその場で入力し、収束の段階で票を数えます。最初の3件は記入例です。データはこのページの中だけで扱われ、どこにも送信されません。ページを閉じると消えるので、終わったらCSVで保存してください。
3件のアイデア・合計 0票
既存顧客に紹介キャンペーンを案内する
0よくある質問を記事にして検索から集客する
0導入事例のウェビナーを月1回開く
0
ブレストの案を漏らさず記録する方法
ブレストでは、勢いよく出た案ほど書き留められずに消えていきます。書記役が追いつかなかった案、付箋に書かれずに口頭だけで出た補足、「それなら〇〇も」という乗っかりの一言は、後から思い出せません。
参加者の同意を得て録音し、文字起こししておけば、全員が書記の心配をせずに発散に集中できます。終わった後は、文字起こしをAIに渡して案の一覧とグループを作り、付箋やボードの内容と照らし合わせて漏れを確認します。
対面のブレスト
Klangのスマホアプリを机に置いて録音します。終わると文字起こしされ、AI要約とチャットで案を整理できます。
オンラインのブレスト
Zoom・Teams・Google Meetの会議に、Klangの会議ボットが参加して録音・文字起こしします。
案の一覧をチームへ
整理した一覧はWord・Excelなどで書き出せるほか、Slack・Notion・Teamsなどへの連携で共有できます。
ブレストの録音を整理するAIへの指示文
この会議はブレインストーミングの録音の文字起こしです。次の形式で整理してください。 1. 出たアイデアの一覧(重複はまとめ、発言者が分かる場合は名前を添える) 2. 似たアイデアのグループと、それぞれの見出し 3. 投票や評価で上位になった案と、その理由として話されたこと 4. 採用・検証することになった案と、担当・期限 5. 結論が出ずに保留になった論点 推測で補わず、文字起こしにない内容は書かないでください。
出た案を、ひとつも消さない
Klangはブレストの会話を録音して文字起こしし、AIで案の一覧やグループ、決まったことの下書きまで作ります。書記役に頼らず、全員が発想に集中できます。
- 文字起こしはフリープランでも無制限。対面はスマホアプリ、オンラインは会議ボットで録音
- AIチャットに「出た案を一覧に」と頼むだけで整理。過去のブレストを横断して探すこともできます
- 会話データをAIの学習に使いません。ISO/IEC 27001:2022認証を取得しています
よくある質問
ブレインストーミングとは何ですか。
複数人で1つのテーマについて、批判をせずに自由にアイデアを出し合う発想法です。略してブレストとも呼ばれます。広告会社BBDOのアレックス・F・オズボーンが社内で用いた方法で、1953年の著書『Applied Imagination』で広まりました。
ブレストの4つのルールは何ですか。
批判厳禁(出た案をその場で評価しない)、自由奔放(突飛な案を歓迎する)、質より量(まず数を出す)、結合改善(他人の案に乗る・組み合わせる)の4つです。
ブレストは何人くらいで、どれくらいの時間やればよいですか。
5〜8人ほどが進めやすく、9人以上なら小グループに分けるのがおすすめです。時間は30〜60分が目安で、個人で書く時間、出し合う時間、まとめる時間を区切って進めます。
ブレインライティング(635法)とは何ですか。
6人が3つずつ案を5分で書き、シートを隣に回して前の人の案を発展させる方法です。6ラウンドで最大108案が出ます。話さずに書くので、発言しにくい人がいる場でも案が集まります。
ブレストで意見が出ないときはどうすればよいですか。
先に個人で黙って書き出す時間をとる、1人ずつ順番に1案ずつ出す、「どうすれば失敗するか」を考える逆ブレストに切り替える、などの方法があります。上司や進行役は自分の案を最後に出します。
ブレストの内容はどう記録すればよいですか。
付箋やボードの写真に加え、参加者の同意を得て録音・文字起こししておくと、口頭だけで出た案も残せます。文字起こしをAIで整理すれば、案の一覧とグループ、採用した案と担当を短時間でまとめられます。