メモ
書き手が会議中に使う断片的な記録。略語や未確認の内容を含みます。
議事録の書き方・取り方
会議前の準備から、会議中のメモ、結論から並べる清書、共有前の確認まで。メモを完成形にする書き方の例、5W1H、よくある間違い、苦手な人・新人向けのコツをまとめました。下書きを貼るだけの議事録チェッカーも使えます。
IN SHORT
議事録は、会議の目的、決定事項、次に誰が何をいつまでにするかを、欠席した人にも伝えるための文書です。書き方の要点は、①会議前にフォーマットを埋める、②会議中は決定・ToDo・数字だけを確実に取る、③結論から並べ替えて清書する、の三つです。メモ・文字起こし・議事録は、次のように役割が違います。
書き手が会議中に使う断片的な記録。略語や未確認の内容を含みます。
発言を時系列でテキスト化した記録。事実確認の根拠になります。
要点、決定、担当者、期限を読み手のために整理した共有文書です。
議事録の意味や議事メモ・会議録との違い、署名・保存期間のルールは議事録とは(意味・署名・保存期間)で詳しく説明しています。
REQUIRED FIELDS
すべての会議に同じ詳しさは要りません。ただし、決定事項とToDoを後から確認できる情報は省かないようにします。
何を決める会議かを一文で書きます。
オンラインの場合は会議方法も残します。
必要なら所属や役割も添えます。
話した順番ではなく、論点ごとに整理します。
判断に必要だった事実、意見、選択肢を残します。
合意した内容を曖昧な表現にせず書きます。
内容・担当者・期限・完了条件をそろえます。
何が未定か、次にいつ・誰が判断するかを記録します。
日時が未定なら、決める期限だけでも残します。
WORKFLOW
議事録の取り方と書き方は、会議の前・中・終わり・後・共有の5段階に分けると迷いません。
「この会議で何を決めるか」を一文で書き、会議名・日時・参加者・議題をフォーマットに先に入れておきます。定例なら前回のToDoを転記します。録音する場合は、開始前に参加者へ伝えて了承を得ます。
発言を一語ずつ追う必要はありません。議題ごとに「決まったこと」「次の行動(誰が・いつまでに)」「数字と固有名詞」を優先して書き、聞き取れなかったらその場で確認します。
終了5分前に「決まったのは◯◯、ToDoは◯◯さんが◯日まで、で合っていますか」と読み上げます。認識のずれはこの場で直すのが一番速く、後からの訂正も減ります。
話した順番ではなく、決定事項→ToDo→未決事項→議論の要点の順に並べ替えます。一文一事実、主語と期限を入れ、5W1Hで抜けを確認します。
数字・固有名詞・担当・期限を元の録音やメモと照合してから、参加者と関係者に送ります。「訂正があれば◯日までに」と添えて、確定版として保存します。
WORKED EXAMPLE
左は会議中のメモ、右は手順4・5を経た共有用の完成例です(日付と人名は説明用の架空の例です)。会話の順番を、決定事項→ToDo→未決事項→次回の順に並べ替え、「英語も同時?」のような未確定の話を決定事項に入れていない点に注目してください。
会議:問い合わせフォーム公開判定 日時:2026年8月25日 10:00–10:30 参加者:佐藤、田中、鈴木 目的:新フォームの公開日と公開前作業を決める 新フォーム 日本語版は9/2公開で決定 佐藤:確認URL 8/26 田中:個人情報の説明 8/28まで 公開前に法務とサポートが文面確認 英語も同時? 翻訳工数を見て8/29判断 次 8/30 10時
会議名:問い合わせフォーム公開判定 日時:2026年8月25日 10:00–10:30 参加者:佐藤、田中、鈴木 目的:新フォームの公開日と公開前作業を決める ■ 決定事項 ・日本語版の問い合わせフォームを9月2日に公開する ・公開前に法務とサポートが文面を確認する ■ ToDo ・確認用URLを共有する/担当:佐藤/期限:8月26日 ・個人情報の説明文を確認する/担当:田中/期限:8月28日 ■ 未決事項 ・英語版の同時公開。翻訳工数を8月29日までに確認して判断する ■ 次回 8月30日 10:00/公開判定と未決事項の確認
同じ項目を使えるファイルは、議事録のフォーマット・テンプレート(Word・Excel)からダウンロードできます。会議の種類ごとの完成例は議事録の例文・サンプル集にあります。
BEFORE / AFTER
議事録の質は、一文ごとの具体性で決まります。よくある曖昧な書き方と、共有できる書き方を並べました(内容はすべて架空の例です)。
改善前:料金改定は前向きに検討する方向で。
改善後:料金改定は未決。10月15日の経営会議で伊藤部長が判断する。
改善前:資料を早めに作る。
改善後:展示会資料の初稿を作成/担当:井上/期限:10月9日
改善前:田中さんから色々意見があった。
改善後:田中:導入時期を4月から6月に遅らせる案を提示。理由は繁忙期との重複。
改善前:A社の件、OKとのこと。
改善後:A社:見積(税込118万円)で発注の内諾。正式な発注書は10月10日までに届く予定。
改善前:問題なし。
改善後:動作確認は完了(テスト30件、不具合0件)。公開判定を進める。
改善前:次回また話す。
改善後:次回(10月12日 10:00)の議題:問い合わせフォームの項目数
5W1H
清書の前に、決定事項とToDoの一行ずつを5W1Hで見直します。特にWho(担当)とWhen(期限)が欠けたToDoは実行されません。Why(理由)は決定事項にだけ一文添えれば十分です。
開催日時、ToDoの期限、次回日程
例:期限:10月9日(木)
会議室・オンラインツール、資料の保存場所
例:オンライン(Teams)/資料:共有フォルダ
参加者、決定者、ToDoの担当
例:担当:松本
議題、決定事項、ToDoの内容
例:重点顧客を5社に絞る
決定の理由、判断の前提
例:理由:10月は訪問できる件数が限られるため
進め方、完了条件
例:完了条件:訪問日程が5社とも確定
5W1Hがそろった決定事項とToDoの例(架空の例)
■ 決定事項 ・10月の重点顧客を5社に絞り、訪問を優先する(理由:10月は訪問できる件数が限られるため) ■ ToDo ・重点5社の訪問日程を確定する/担当:松本/期限:10月9日(木)/完了条件:5社とも日程確定
TIPS
上手な人の議事録は、文章力より並べ方と書き分けで差がつきます。
冒頭3行で「何が決まり、誰が何をするか」が分かる並びにします。経緯は後ろで構いません。
「〜で、〜のため、〜となり」とつなげず、事実ごとに文を切ります。読み手が箇条書きで拾えます。
合意した内容だけを決定事項に書き、案や反対意見は「議論の要点」に分けます。
「資料作成」ではなく「初稿をSlackに共有/担当:井上/期限:10月9日」と書きます。
金額、日付、社名、製品名は聞き返して確定します。後から推測で埋めるのが一番危険です。
誰の意見かが判断に関わる場合だけ名前を付けます。全文に名前を付けると読みにくくなります。
「白熱した」「よい議論だった」は不要です。事実と決定だけを残します。
社内向けは常体(〜する)か体言止め、社外向けは敬体(〜します)にそろえ、混在させません。
■は見出し、・は箇条、→は理由や結果、【未決】は保留、のように記号の意味を固定します。
記憶が新しいうちに共有し、訂正を受けてから確定版にします。完璧な清書より早い共有が正確さにつながります。
COMMON MISTAKES
| よくある間違い | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 発言を時系列で全部書く | 読み手が結論を探せない | 決定事項とToDoを冒頭に、経緯は要点だけ |
| 「検討する」を決定事項に書く | 何も決まっていないのに決まったように見える | 未決事項に移し、判断する人と日付を書く |
| ToDoに期限がない | 誰も着手しない | 期限が決まらなければ「期限:◯日に決める」と書く |
| 担当が「全員」「営業部」 | 責任者が曖昧になる | 個人名を一人入れる。協力者は別に書く |
| 会議で出ていない内容を補う | 参加者の認識と食い違う | 不明点は「要確認」と書き、推測で埋めない |
| 略語・社内用語のまま | 欠席者や他部署が読めない | 初出で正式名称を書く |
| 共有が数日後 | 記憶が薄れて訂正できない | 当日中、遅くとも翌営業日に送る |
| 個人情報や雑談まで残す | 共有範囲で問題になる | 業務に必要な事実だけを書く |
FOR BEGINNERS
議事録が苦手な理由の多くは、文章力ではなく「会議中に全部書こうとすること」にあります。つまずく理由と、その対処を整理しました。
苦手の理由:書きながら聞けない
メモと理解を同時にしようとして、どちらも中途半端になります。
苦手の理由:何が決まったか分からない
会議の進行役が結論を言葉にしないまま次の議題に移ることがあります。
苦手の理由:専門用語や略語が分からない
新人や異動直後は、聞き取れても意味が分からない言葉が続きます。
苦手の理由:清書に時間がかかる
メモを会話の順に並べ直そうとして、全体を書き直すことになります。
過去の議事録を3回分読む
同じ会議の過去分を読むと、その会議で何を残すべきか、社内の書き方の型が分かります。
フォーマットを先に埋めておく
会議名・日時・参加者・議題は会議前に書けます。会議中は決定とToDoに集中します。
分からない言葉はカタカナでメモして後で調べる
その場で止まらず、印を付けて会議後に先輩や資料で確認します。
結論が出たか確認するのは記録係の仕事
「今の件は◯◯で決定、という理解でよいですか」と聞くのは失礼ではありません。
録音で聞き直せる状態にしておく
参加者の了承を得て録音しておけば、聞き逃しを恐れずにメモを決定とToDoだけに絞れます。
送る前に一人に見てもらう
最初の数回は、上司や会議の主催者に確認してもらってから全体に送ります。
【会議中・終了前に使える確認フレーズ】 ・「今の件は、◯◯で決定という理解でよろしいでしょうか。」 ・「この対応は、どなたがいつまでに進めますか。」 ・「金額は◯◯円(税込)で合っていますか。」 ・「この件は今日は決めず、◯日の会議で判断するということですね。」 ・「最後に、決定事項とToDoを読み上げて確認させてください。」
MINUTES CHECKER
書いた議事録やメモを貼り付けると、日時・出席者・決定事項・担当・期限など10項目の有無と、曖昧な表現を判定します。入力した文章は送信されず、このブラウザの中だけで判定します。
判定する10項目
会議名・件名/日時/出席者・参加者/目的・議題/決定事項/ToDo(次の行動)/担当者/期限/未決事項・保留/次回予定
キーワードで有無を見る簡易チェックです。内容が正しいか、会議で本当に合意したかは、参加者や録音で確認してください。
会議を録音しておけば、Klangが文字起こしから決定事項・ToDoの下書きを作るので、チェッカーで抜けを確かめるところから始められます。無料で試す
FINAL CHECK
速さより、決定と責任の取り違えを防ぐことが大切です。チェック後、次の行動が始まる前に共有します。
AFTER SHARING
議事録の誤記を直すことと、会議後に決定を変えることは別です。元の発言と確認者を記録し、どの項目を直したか、受け取った人の作業に影響するかを伝えます。
上の完成例を共有するとき、説明文の確認期限を誤って「8月27日」と転記した場合を考えます。次の録音時刻・確認者・日付は、手順を説明するための架空例です。
| 見つかったこと | 確認する根拠 | 記録と連絡のしかた |
|---|---|---|
| 期限を8月27日と誤記した。録音では8月28日と確認されている。 | 録音00:12:40と担当の田中に照合する。 | 誤記を8月28日へ訂正。変更前後・根拠・確認者・修正日を履歴へ残し、転記先の予定も直すよう連絡する。 |
| 英語版も9月2日公開だったはずだ、という指摘が来た。 | 記録では翻訳工数を確認して8月29日に判断する予定。指摘だけでは合意を確認できない。 | 未決の状態を保ち、判断する人に確認する。返事がないことを承認と扱わない。 |
| 会議後、公開日を変更したいという依頼が来た。 | 変更の決定者・決定日・対象範囲を確認する。依頼だけでは変更を確定しない。 | 新たに決定された場合は、元の会議の決定と区別して追記し、変更の記録へ案内する。過去の議事録を黙って書き換えない。 |
件名:【訂正】8月25日 問い合わせフォーム公開判定の議事録 共有済みの議事録に、期限の転記誤りがありました。 対象:ToDo「個人情報の説明文を確認する」(担当:田中) 訂正前:8月27日 → 訂正後:8月28日 根拠:会議録音00:12:40の期限確認と、田中さんによる照合 確認・修正日:2026年8月26日 修正版:v02[閲覧先のURL] これは会議で決めた期限の変更ではなく、議事録の転記誤りの訂正です。 予定表やタスク表に8月27日と転記した方は、8月28日へ修正してください。 日本語版の公開日(9月2日)と、英語版の公開日が未決である点は変わりません。
例文の氏名・根拠・日付・URLを、実際に確認した内容へ置き換えてください。修正版の共有範囲を確認し、録音そのものを送付する必要があるかは別に判断します。
訂正の履歴には、議事録テンプレートの確認・修正履歴表(CSV)を使えます。「修正内容」欄に対象項目・変更前後・影響する転記先を、「原文の参照先」欄に録音時刻や資料の場所を残します。確認担当・確定日も記入し、組織の承認手順に従って版を管理してください。
参考:University of Bathの議事録作成・承認ガイド(英語)。事実の照合と修正内容の記録という考え方を参照しています。同大学の委員会手続を日本の会議全般の決まりとして示すものではなく、上の表と例文はKlangが作成した運用例です。
FROM RECORDING
メモを取りながら清書の構成まで考えるのは大変です。会議を録音しておけば、会議中は議論に参加し、議事録は文字起こしとAIの下書きを確認して仕上げる、という分担にできます。確認と判断は人が行います。
Zoom・Microsoft Teams・Google Meetには会議アシスタントが参加して録音します。対面の会議はスマホアプリやブラウザで録音し、既存の録音ファイルはアップロードできます。
会議が終わると文字起こしが作られ、AI要約で決定事項とToDoの下書きをまとめられます。話者の自動識別はプロプランの機能です。フリープランでも文字起こしは無制限です。
下書きの数字・固有名詞・担当・期限を、文をクリックして元の音声で確認します。上の議事録チェッカーに貼り付けて、抜けがないかも確かめられます。
Word・テキストなどで書き出し、社内のフォーマットに貼り付けて送ります。会議の録音から清書までを、ゼロから書くより短い時間で終えられます。
フリープランはクレジットカード不要。録音の前には参加者の了承を得てください。
EXAMPLES & FORMATS
手順が分かったら、自分の会議に近い完成例を見るのが一番の近道です。記入済みの例文は例文集に、空欄のひな形はテンプレートのページにまとめています。
会議名・日時・参加者・目的を書いたうえで、決定事項、ToDo(担当・期限)、未決事項、次回予定を結論から順に並べることです。発言をすべて書くのではなく、読んだ人が次に何をすべきか分かる形にします。
まず会議中に書く範囲を「決まったこと」「誰がいつまでに何をするか」「数字と固有名詞」の三つに絞ってください。会議の終わりに決定事項とToDoを読み上げて確認する習慣をつけると、清書の時間も大きく減ります。
同じ会議の過去の議事録を読み、社内のフォーマットと書き方の型を確認します。会議名・日時・参加者・議題は会議前に埋め、分からない言葉は印を付けて会議後に確認します。了承を得て録音しておくと、聞き逃しの不安が減ります。
発言者ごとの経緯が重要な会議では発言録型(会話形式)が役立ちます。通常の社内会議では、論点ごとに要約し、決定事項とToDoを独立させた方が読みやすくなります。
次の行動が始まる前に共有します。可能なら会議当日、遅くとも翌営業日を目安にし、急ぐ場合でも数字、担当者、期限の確認は省きません。
下書きとして使い、固有名詞、数字、決定事項、担当者、期限を人が元音声と照合してから共有してください。AIが会議で合意していない内容を補っていないかも確認します。
文責とは、書かれた文章の内容についての責任のことです。議事録では、記録の書き方や要約の仕方に責任を持つ人を示すために、末尾に「文責:山田」のように書きます。議事録を書いた「作成者」と同じ人であることが多いですが、内容を確認して正式なものと認める「承認者」とは役割が違います。発言の要約に誤りがあったときの問い合わせ先にもなります。
会議中のメモを、決定事項・ToDo・保留・社外向けの完成形に直す例文。
読む追いつかない原因ごとの対策、略記号、確認のひと言、時間をかけすぎない手順。
読む見やすい書式の6条件と、社内向け・社外向けの書き分け。
読む社内用・社外用・承認欄つきの3種類。A4縦1枚で記入例つき。
読む議事録シートに、期限切れが赤くなるToDo台帳と決定事項ログつき。
読む発言録と議事録の違い、会議中に書くことと書かないこと、書記チェックリスト。
読む誰が・何を・いつまでに・完了条件の4要素と、抜けを見つけるチェッカー。
読む議事録の出席者欄での書き方と、出席者欄フォーマッター。
読む決定事項の確認と、会議後に送る確認メールのテンプレート。
読む議題・時間配分・決定者を準備する7種類の形式と、時間配分の自動計算。
読む見やすい4つの型と、定例会議・取締役会を含むWord・Excelの無料ひな形8種類。
読む打ち合わせ・定例会議・1on1・商談など、記入済みの議事録の例8つ。
読む意味と目的、議事メモ・会議録との違い、署名・押印と保存期間のルール。
読む会議の録音から文字起こしまでの流れと、精度を上げる準備のしかた。
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読む結論から書く構成と5W1Hのチェック、種類別の項目、録音から下書きを作る方法。
読む要約・要旨・要点の違いと、長い話を短くまとめる手順と例文。
読む文末をそろえる、1項目1内容にするなど、読みやすい箇条書きのルールと改善例。
読む決定事項・ToDo・未決事項など、目的別にコピーできるプロンプトと出力例。
読む判断の理由・条件・選ばなかった案まで残す決定記録の書き方。
読む担当者・期限・未決事項を日本語で確定してから、英文の表現と書式を確認すると抜けを防げます。
Meeting minutes の用法、決定事項・ToDoの英語表現を確認できます。
今回の未決事項を、次回の議題・担当者・時間配分につなげます。