採用の記録
リファレンスチェックの質問と記録方法。職務の事実を確かめる面談ガイド
候補者と働いた経験のある人に、職務上の具体的な出来事を聞くためのガイドです。依頼前の確認、質問例、回答の整理、不一致への対応を、コピー・保存できる確認メモとともに紹介します。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
面接で分からなかった点を、職務の事実に戻して確認する
「評判がよいか」ではなく、「採用する職務に必要な行動を、どの場面でどう行ったか」を聞きます。候補者に不利な情報を探すための身辺調査とは分けて考えます。
米国人事管理庁(OPM)は、質問を職務に結び付け、手順を構造化する方法を紹介しています。本ページはその方法論を参考にした実務用の整理です。米国の制度や法的保護が日本でも適用されることを意味しません。
| 情報源 | 確認できること | 残る限界 |
|---|---|---|
| 候補者本人の面接 | 本人の説明、担当範囲、判断の理由 | 記憶や本人の見方に基づく |
| 推薦者への面談 | 一緒に働いた場面で観察した行動 | 観察期間・役割が限られ、評価には主観も入る |
| 職務に関する記録 | 確認できる期間・役割・成果の記録 | 持ち出しや第三者への開示が認められているか別途確認が必要 |
候補者と推薦者、それぞれに確認すること
候補者が推薦者を挙げたことと、その推薦者への録音やAI処理が認められたことは別です。社内の採用・個人情報の運用に沿って、実施範囲を先に決めます。
- 01
目的と質問範囲を候補者に説明する
どの職務について、誰に、何を、どの方法で確認するかを伝えます。現職への連絡が不利益につながる可能性もあるため、連絡先と時期を推測で決めません。
- 02
推薦者に回答できる範囲を確認する
所属先の規程や守秘義務のため答えられないこともあります。「分からない」「直接見ていない」「回答できない」を区別して受け止めます。
- 03
記録・AI処理・閲覧者・保管を決める
録音するか、文字起こしやAI分析に使うか、誰が閲覧し、いつ見直すかを説明して確認します。認められない場合は録音せず、許された方法で必要な範囲のメモを残します。
- 04
不一致の確認手順を用意する
情報が食い違ったときに候補者へ確認する担当と方法を決めます。推薦者の機密情報を、そのまま別の相手に渡さないよう共有範囲も確認します。
リファレンスチェックで聞く質問:出来事と観察範囲をセットにする
以下はKlangが作成した質問の例です。同じ職務では共通の軸を使い、追加質問は回答の意味や根拠を明らかにするために使います。
「問題のある人ではありませんよね」のように答えを誘導しません。「優秀です」という回答には、「どの仕事の、どの行動からそう感じましたか」と具体化を求めます。直接観察した例がないことを、能力がない証拠として扱いません。
| 確認の軸 | 最初の質問 | 追加で確かめること |
|---|---|---|
| 関係・期間 | いつ、どのような立場で一緒に働きましたか。 | 直接見ていた業務と、見ていない業務は何ですか。 |
| 担当範囲 | その案件で、候補者が担当した部分を教えてください。 | チームの成果と、本人が行ったことを分けるとどうなりますか。 |
| 問題への対応 | 仕事が予定どおり進まなかった具体的な場面はありますか。 | 本人は何を行い、その後どうなりましたか。どこまで確認できていますか。 |
| 協働 | 関係者の意見が分かれた場面で、どのように調整しましたか。 | 推薦者ご自身が見聞きした場面ですか。 |
| 学習・改善 | フィードバックを受けた後、仕事の進め方はどう変わりましたか。 | 変化が見られた時期や具体例はありますか。 |
| 補足・限界 | 今回の質問で、十分には答えられなかった点はありますか。 | 記憶が曖昧な点、他の人から聞いた点を分けてください。 |
職務と関係のない情報を集めない
厚生労働省は、本人の適性・能力に関係しない事項の把握や身元調査が、就職差別につながるおそれを示しています。本人への面接だけでなく、第三者から聞く内容にも注意が必要です。
このガイドや記入票は、個別の実施方法の適法性を判断するものではありません。目的、対象情報、委託先、保存・共有の範囲は、自社の人事・個人情報管理の担当者と確認してください。
- 本籍・出生地、家族、住宅・生活環境について聞かない。
- 宗教、思想・信条、支持政党、労働組合などについて聞かない。
- 私生活や健康に関する話題が出ても、採用メモへ無条件に転記しない。必要性と取扱いを担当者に確認する。
- 同意があることだけで、あらゆる質問・収集が適切になるとは考えない。
「見た事実」と「評価」を一つの文章に混ぜない
質問と回答の要約だけでは、推薦者が何を根拠に答えたかが抜け落ちます。記録ID、質問番号、録音している場合は時刻も残します。候補者の説明を後から追記するときは、元の回答を上書きせず、確認日と情報源を分けてください。
| 種類 | 記録例 | 扱い |
|---|---|---|
| 直接観察 | 会議で候補者が3つの選択肢を整理した。推薦者は同席。 | 状況と本人の行動として残す |
| 評価 | 「調整が丁寧だった」と推薦者が述べた。 | 誰の評価かを明記する |
| 伝聞 | 別部署でも評判がよいと聞いた。 | 直接観察と区別し、事実の裏付けと混同しない |
| 不一致 | 本人は主導と説明。推薦者は部長が決裁したと説明。 | 主導と決裁の意味・担当範囲を候補者に確認する |
| 未確認 | 他の案件での行動は推薦者が見ていない。 | 空白を推測で埋めない |
リファレンスチェックの確認メモを作る
1つの職務テーマについて、質問・回答の根拠・未確認事項をまとめます。架空例には、録音しない場合の記録方法も含めています。
1枚につき、1つの確認テーマを整理します。空欄は「未記入」のまま出力されます。分からないことは推測で埋めず、未確認と書いてください。
入力内容はこのページ内だけで処理し、送信・保存しません。ページを閉じると消えます。実名や機密情報は避け、管理用IDを使ってください。これは文章を整理する記入票で、AI処理やKlangへの登録は行いません。
氏名ではなく管理用IDを使い、募集職務に必要な行動を1つ選びます。
候補者との合意、推薦者への説明、録音・AI処理の可否を分ける。未確認は未確認と書きます。
直接見ていた仕事の範囲と、見ていない範囲を残します。
具体的な出来事を尋ね、誘導する前提や職務と無関係な質問を入れません。
状況・本人の行動・確認できた結果。観察していなければ「直接観察なし」。
記録ID・日付・音声の時刻、または手書きメモの場所。存在しない録音時刻は作りません。
「調整力がある」は推薦者の評価として分離。第三者からの伝聞も明示します。
不一致を虚偽と決めつけず、確認する具体的な点と担当を残します。
社内で認められた範囲を記載。未定なら未定とし、共有前に確認します。
共有前に、根拠と扱いを確認する
採否・適性の判定ではありません。記入やチェックは、本人の同意や社内承認を取得する手続きの代わりにはなりません。
未記入:9項目。空欄のままでも下書きとして保存できます。
入力を編集すると、確認項目はすべて未確認に戻ります。
Klangを使う場合も、選考の判断は人が行う
候補者の人格、適性、採否をAIに判定させるための手順ではありません。記録の整理結果を、人が他の選考情報と照らして確認します。
- 01
許された取材だけを取り込む
録音・AI処理の扱いを確認した音声を文字起こしします。話者、固有名詞、否定表現、担当範囲は元音声で確かめます。
- 02
選んだ記録から事実を探す
分析に対象の音声や資料を追加し、「職務上の出来事、推薦者の評価、未確認事項を分け、出典を示して整理」と指示します。回答が原文の意味を保っているか照合します。
- 03
共有先を確認する
Klangではトップレベルのプロジェクトでアクセスを管理し、サブフォルダは権限を継承します。選考記録を既存の共有プロジェクトへ入れる前に、閲覧できる人を確認してください。
推薦者の言葉を、確認できる記録に
録音が認められた面談は、Klangで文字起こしして読み返せます。選んだ資料を使った分析と出典の確認で、職務上の事実を探す作業を支援します。採否の判断や同意の取得は代行しません。
- 話された内容を元音声と照合する
- 分析の対象にする音声・資料を選ぶ
- 共有前にプロジェクトの閲覧者を確認する
よくある質問
リファレンスチェックと採用面接は何が違いますか?
採用面接では候補者本人に聞きます。リファレンスチェックでは、一緒に働いたことのある人に職務上の経験を確認します。情報源と観察範囲が違うため、一方をそのまま正解として他方を否定するのではなく、不一致の意味を確かめます。
推薦者が回答できないときはどう記録しますか?
直接見ていない、覚えていない、所属先の規程で答えられないなど、分かる範囲で理由を区別します。回答がないことを、候補者についての否定的な事実に置き換えません。
リファレンスチェックを録音してもよいですか?
実施の了承と録音の了承は分けて確認してください。目的、録音・文字起こし・AI処理、閲覧者、保管の扱いを事前に説明し、自社の運用に沿って確認します。録音が認められなければ、許された方法でメモを残します。
この記入票は採否や候補者の点数を出しますか?
出しません。入力した文章を確認メモの形に並べるだけです。すべての確認項目をチェックしても下書きのままで、適法性、同意の有効性、採用の適否は判断しません。