SPIN話法・営業ヒアリング
SPIN話法の質問例。顧客の課題を、発言の根拠と整理する
状況・問題・影響・解決の価値を、初回商談でどう聞くか。架空の会話例、誘導を避ける聞き換え、編集できる確認メモを用意しました。録音から発言を確かめ、未確認事項を次回の質問に変えます。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
SPINの4種類の質問と、残す根拠
例は拠点からの依頼を承認する業務を想定した、独自の架空例です。自社の機能説明へ急がず、直近の出来事から確かめます。
| 種類 | 質問例 | 記録すること |
|---|---|---|
| S:状況 | 依頼を受け取ってから承認するまで、誰が何をしていますか。 | 担当、順序、使うもの。調べて分かる情報を繰り返し聞かない。 |
| P:問題 | 直近で、その手順がうまく進まなかった場面はありましたか。 | いつ、何が起きたか。「困っていない」も回答として残す。 |
| I:影響 | その出来事の後、どの作業や関係者に影響がありましたか。 | 影響の範囲と頻度。未計測の損失額を作らない。 |
| N:解決の価値 | その問題が解消したら、どの仕事がどう変わると役立ちますか。 | 顧客が述べた変化、確かめる指標、優先する理由。 |
初回のディスカバリーコールを、確認の場にする
ディスカバリーコールは、初期の対話で課題や検討状況を確かめる商談です。以下は30分の構成例です。すべての問いを消化することより、次に確かめることを合意することを優先します。
- 01
最初の5分:目的と扱いを合わせる
何を話し、終わりに何を決めたいかを共有します。録音する場合は目的と共有先を説明し、相手の同意を確かめます。時間が足りなければ扱う範囲を減らします。
- 02
次の15分:最近の具体的な出来事を聞く
事前調査で分からなかった状況から、問題のあった場面へ進みます。影響が不明なら「どこを見れば分かるか」を聞きます。問題がないという回答を変えようとしません。
- 03
次の5分:理解を返して訂正してもらう
「承認のやり直しが発生し、影響時間は未集計という理解で合っていますか」と、分かった点と不明点を分けて返します。顧客の訂正を記録します。
- 04
最後の5分:次の一歩を確認する
誰が、何を、いつまでに行うかを相談します。資料送付や次回面談がまだ合意されていなければ、提案案として残します。
回答が曖昧なときは、損失を推測せず具体例に戻る
「月に何十万円も損していますよね」と先回りすると、営業側の仮説が顧客の回答へ混ざります。「どの作業に影響がありましたか」「記録はありますか」と聞き、分からない部分を残してください。
顧客の問題が製品で解決できない場合もあります。課題を理解したことと、製品が適合することは別に確かめます。
| 場面 | 顧客の発言 | 記録と次の問い |
|---|---|---|
| 状況と問題 | 「メールを一覧へ転記しています。先週、訂正版を見落としました」 | 最新版の取り違えという具体例。過去すべての案件で起きているとは書かない。 |
| 影響 | 「承認はやり直しました。何分かかったかは分かりません」 | やり直しは発生。損失額・作業時間は未確認。対象の依頼と記録期間を相談する。 |
| 価値 | 「承認前に最新版が分かると助かります。ただ、今期の優先度はまだ決めていません」 | 望む変化は確認。導入の優先順位は未確認。次回、他の取り組みとの関係を聞く。 |
SPINの質問と根拠を、商談メモにする
質問・顧客の発言・営業担当者の解釈を分けて記入します。照合後に内容を編集すると確認は解除されます。空欄や根拠のない項目は、出力でも未確認のままです。
このフォームは入力内容をブラウザ内で整理します。Klangへの送信やAI分析は行いません。再読み込みで消えるため、必要な内容をコピーまたは保存してください。
記録票を持ち帰る
SPIN商談の確認メモ 入力した内容の整理です。AIによる判定や受注確率ではありません。 S:状況 質問:現在、依頼から承認まで、どのような手順で進めていますか。 確認状態:未確認 顧客の発言:言及なし/未記入 根拠(録音・日時・時刻):未記入 営業担当者の解釈(顧客の発言と区別):未記入 次に確かめる質問:未記入 P:問題 質問:直近で、その手順がうまく進まなかった場面を教えてください。 確認状態:未確認 顧客の発言:言及なし/未記入 根拠(録音・日時・時刻):未記入 営業担当者の解釈(顧客の発言と区別):未記入 次に確かめる質問:未記入 I:影響 質問:そのとき、後の作業や関係者にどのような影響がありましたか。 確認状態:未確認 顧客の発言:言及なし/未記入 根拠(録音・日時・時刻):未記入 営業担当者の解釈(顧客の発言と区別):未記入 次に確かめる質問:未記入 N:解決の価値 質問:その問題が解消したら、どの仕事がどう変わると役立ちますか。 確認状態:未確認 顧客の発言:言及なし/未記入 根拠(録音・日時・時刻):未記入 営業担当者の解釈(顧客の発言と区別):未記入 次に確かめる質問:未記入 次の一歩【提案案・合意未確認】 内容:未記入 合意の根拠:未記入 金額・期間・固有名詞は原文で確認してください。顧客へ共有する前に、担当者の解釈と社内情報を見直してください。
誘導や尋問になりやすい聞き方を直す
| 避けたい聞き方 | 聞き換え例 | 意図 |
|---|---|---|
| それは大きな損失ですよね。 | 影響があった点と、特に影響がなかった点を教えてください。 | 影響が小さい可能性も確かめる。 |
| この機能があれば便利ですよね。 | 今のやり方を変えるなら、何がどう変わる必要がありますか。 | 自社機能への同意を価値と取り違えない。 |
| なぜ改善していないのですか。 | これまで試したことや、変えにくかった事情はありますか。 | 相手を責めず、制約と既存の工夫を知る。 |
| 誰が決裁者ですか。 | 次へ進める場合、どなたと、どんな確認が必要になりますか。 | 肩書から決裁権を推測しない。 |
SPIN・BANT・MEDDIC・MEDDPICCの使い分け
SPINは対話の問いを考える枠組みです。案件で何が確認できているかを整理する枠組みと組み合わせられます。略語を埋めることを商談の目的にしないでください。
例えば「部長へ紹介できます」は協力の発言ですが、予算を承認できる証拠ではありません。担当者名、どの判断を担うか、確認した日時、未確認事項を残します。競争相手は他社製品だけでなく、現状維持や別の取り組みの場合もあります。
| 枠組み | 主な役割 | 混同しないこと |
|---|---|---|
| SPIN | 状況・問題・影響・解決の価値を聞く。 | 質問への回答があっても、予算や契約の合意とは限らない。 |
| BANT | 予算・決裁・必要性・時期を整理する。 | 初回で全部を聞き切る必要はない。 |
| MEDDIC | 指標、経済的決裁者、判断基準、決定過程、課題、社内推進者を確かめる。 | 肩書や好意的な反応だけで、決裁者・推進者を確定しない。 |
| MEDDPICC | 上の観点に契約手続きと競争の観点を加え、複数関係者の検討を確認する。 | 口頭の採用意向と、審査・署名が完了した状態を分ける。 |
録音した商談から、根拠つきの確認メモを作る
- 01
録音をアップロードし、発言を確認する
同意を得た商談の録音をKlangへ追加します。金額・人名・否定表現は音声で確認し、必要に応じて文字起こしを修正します。
- 02
商談をソースに指定して分析する
分析に対象の文字起こしを追加し、下のプロンプトで発言と未確認事項を整理します。別案件の資料を不用意に混ぜず、回答のソースと時刻をたどります。
- 03
レビューして共有する
回答をドキュメントとして保存し、営業側の仮説、顧客の発言、次回の合意を見直します。CRMへ転記する場合も、未確認の決裁者や期日を確定情報に変えないでください。
商談からSPINの根拠と次の質問を整理する
対象の商談だけを分析のソースに追加した後で使います。
この商談に実際に含まれる、状況・問題・影響・解決の価値に関する顧客の発言を整理してください。各項目に発言者、引用元、時刻を付けてください。営業側の説明や推測は顧客の発言と分けてください。 言及がない点や、訂正・矛盾がある点はそのまま示し、未計測の時間や金額を推定しないでください。未確認事項について、相手が否定・訂正できる次の質問を作ってください。次の一歩は、提案だけか、顧客との合意があるかを根拠とともに分けてください。
商談の振り返りを、実際の発言から始める
Klangに商談の録音を追加すると、文字起こしと分析のソースを行き来して確認できます。SPINの回答を埋めるためではなく、顧客が何を話し、何がまだ分からないかを確かめるために使ってください。
- フリープランは文字起こし無制限。まずは録音1件で確認できます。
- 話者の自動識別は有料プランの機能です。話者名と担当者の役割は別に確認します。
- 共通の分析テンプレートはTeamプラン。録音の同意、閲覧権限、保存期間は運用で決めます。
よくある質問
SPIN話法は必ずS・P・I・Nの順番で聞きますか。
固定の順番ではありません。顧客がすでに課題を説明しているなら、状況の質問を長く続ける必要はありません。理解に足りない情報へ戻りながら、相手の回答に合わせて進めます。
顧客が問題を感じていないときはどうしますか。
問題がないという回答を残します。具体的な経験や運用を確認しても課題が見つからなければ、影響を大きく見せたり、自社製品が必要だと誘導したりしないでください。
SPIN営業で受注確率を計算できますか。
このページの確認メモは、発言と根拠を整理するものです。質問に答えた数から受注確率を算出しません。予算、製品適合、社内の検討や契約手続きは別に確認が必要です。
ワークシートの入力はKlangへ送信されますか。
このページのフォームはブラウザ内で入力内容を整理し、コピーやテキスト保存ができます。Klangへの送信やAI分析は行いません。録音を分析したい場合は、Klangへログインして録音を追加してください。