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録音の準備

Audacityでノイズを除去する方法。録音の声を残して確認する

Audacity(オーダシティ)の「ノイズを低減」で、エアコンやファンのような一定の雑音を減らす手順です。ノイズプロファイルの取り方、3つの設定値の意味、声まで削っていないかの確かめ方をまとめました。

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メニューの表示名は、Audacity 3.7の日本語表示に合わせています。2026年9月に公開されたAudacity 4は画面が新しくなっているため、表示名が異なる場合があります。

  1. 元ファイルを保管し、別名のコピーをAudacityで開きます。まず前後を含めて聞きます。
  2. 声や音楽を含まず、低減したい雑音だけがある区間を数秒選びます。短すぎると「ノイズプロファイルを取得」でエラーになります。
  3. 「エフェクト」>「ノイズ除去と修復」>「ノイズを低減」を開き、「ノイズプロファイルを取得」を押します。
  4. 雑音を減らしたい範囲(通常は全体)を選び、もう一度「ノイズを低減」を開きます。小さい声・語尾・子音を含む部分を「プレビュー」で聞きます。
  5. 「ノイズ」の項目を「残差」に切り替えてプレビューし、取り除かれる音に声が混ざっていないか確かめます。確認が終わったら「低減」に戻します。
  6. 「OK」で適用し、別名で書き出します。全体の時刻と複数箇所の発言を原本に照合します。同じ設定をほかの範囲にも使うときは、Ctrl+R(Macは⌘+R)で再適用できます。
「ノイズを低減」の3つの設定値(初期値はAudacity公式マニュアルによる)
設定初期値何を決めるか調整の目安
ノイズ低減(dB)6見本と同じ雑音をどれだけ小さくするか雑音が気にならなくなる最小の値にする。上げすぎると声も傷む
感度6.00どこまでを雑音とみなすか(0〜24)残差に声が聞こえたら下げる。下げすぎると「キラキラ」した短い音が残る
周波数平滑化(バンド)6低減を隣の周波数帯にどれだけ広げるか公式マニュアルでは、初期値より低いと音楽向き、高いと話し声向きとされる

雑音の性質が途中で変わる録音では、1つのプロファイルが全体を代表しない場合があります。種類の違う雑音は、プロファイルを取り直して1つずつ処理します。プロファイルはAudacityを閉じると消えるため、次回は取り直します。無音部分を消して長さを詰める操作と、雑音を低減する操作を混同しないでください。

出典:Audacity Manual:Noise Reduction、Audacity Support:Noise reduction & removal。2026年10月15日確認。

雑音だけが続く区間があるか確認します。代表的なプロファイルを取り、短い発言区間で低減と残差を試します。

音声の自動診断ではなく、利用者の観察に基づく案内です。原本は残し、処理のたびに同じ区間で比較します。

架空の録音。0〜2秒はエアコンだけ、2〜5秒は小声で「それは未定です」、5〜8秒は机を動かす音です。一定のエアコン音のプロファイルには、どこを選びますか。

架空の試聴記録:候補Aは少しファン音が残り、残差にはファン音だけが聞こえます。候補Bは静かですが、残差から発言の「し」「す」が聞こえ、処理後の言葉も不自然です。次にどうしますか。

一定の倍率を掛ける架空の振幅例
条件声の振幅雑音の振幅声と雑音の比
元の信号0.100.025:1
両方を2倍0.200.045:1

この例では音量が上がっても、声と雑音の相対的な大きさは変わりません。実録音の聞き取りやすさをこの数値だけで評価するものではありません。

Audacityのノーマライズはピーク振幅やチャンネルのバランスを調整できます。左だけ小さい場合は左右を別々に確認し、独立に調整する必要があるか判断します。ピークをそろえることは、知覚上の音量や声の明瞭さをそろえることとは異なります。

架空の録音で「15日」の子音が強く割れていたとします。音量を下げると再生は静かになりますが、切れた波形の元の形は戻りません。

AudacityのClip Fixは軽いクリッピングを補間する機能です。処理後に「50日」のように聞こえたとしても、補間が元の発言を証明するわけではありません。原本・別マイク・確認できる資料に戻り、未確認なら時刻付きで残します。

必要な情報が取れない場合は、別録音や発言者への確認を優先します。AIに欠けた単語を埋めさせた文章を、録音にあった言葉として扱わないでください。

処理名と設定だけでなく、同じ時刻に何が残り、何が失われたかを書きます。テンプレートには架空の候補A・Bと空欄があります。自動の品質判定ではありません。

受け渡すときは元ファイルと処理後の版を区別します。時刻を動かした場合は対応する区間も追記し、原本を上書きしないでください。

原音・処理後の試聴記録を保存

声が小さい録音は音量を上げたくなりますが、増幅は声と雑音を同じだけ大きくします。声と雑音の差(SN比)は変わりません。下は架空の録音の例です。

増幅とノイズ除去で、声と雑音の差がどう変わるか(架空の例)
処理声の大きさ雑音の大きさ声と雑音の差
元の録音−30dBFS−50dBFS20dB
全体を+12dB増幅−18dBFS−38dBFS20dB(変わらない)
ノイズ除去で雑音を6dB下げる−30dBFS−56dBFS26dB

増幅すると聞こえやすくはなりますが、エアコンやパソコンのファンの音も同じだけ大きくなります。雑音と声の差を広げるのはノイズ除去で、Audacityの「ノイズを低減」では、公式マニュアル上の初期値がノイズ低減6dB・感度6.00・周波数平滑化6バンドです。低減量を上げすぎると、声までこもったり、金属的な響きが残ったりするため、短い区間で試してから全体に適用します。

ノイズ除去は、やりすぎると声そのものを削ります。次の失敗に当てはまる場合は、原本に戻ってやり直します。

ノイズ除去の失敗と対処法
よくある失敗起きること対処法
声が入っている区間をノイズの見本にした声の成分まで雑音として削られる誰も話していない1〜2秒を見本に選ぶ
低減量を大きくしすぎた声がこもる、水中のような響きが残る初期値から少しずつ上げ、同じ区間で聞き比べる
処理後のファイルだけを残した削った発言を後から確かめられない原本と処理後を別名で保存する
人の話し声の雑音を消そうとした他の人の声と話者の声を区別できない録音の段階でマイクの位置や部屋を見直す
音割れした箇所を直そうとした補間した音は元の言葉の証明にならない音割れの区間は文字起こしで確認箇所として残す
Audacityのノイズ除去はどこにありますか?

Audacity 3.7の日本語表示では、「エフェクト」>「ノイズ除去と修復」>「ノイズを低減」にあります。雑音だけの区間を選んで「ノイズプロファイルを取得」を押し、次に処理したい範囲を選んでもう一度開き、「OK」で適用します。

Audacityでノイズ除去をすると声がこもるのはなぜですか?

ノイズ低減(dB)や感度が高すぎるか、声の入った区間をノイズプロファイルにした可能性があります。「残差」に切り替えてプレビューし、取り除かれる音に声が聞こえたら、値を下げるか、誰も話していない区間でプロファイルを取り直します。

録音のノイズは無料で除去できますか?

無料の音声編集ソフトAudacityには「ノイズを低減」の機能があり、エアコンやファンのような一定の雑音を減らせます。誰も話していない区間を見本に選び、短い区間で試してから全体に適用します。

ノイズを除去してから文字起こしした方がよいですか?

一定の雑音が大きい録音では、聞き取りやすくなることがあります。ただし除去しすぎると声まで削られるため、まず原本のまま文字起こしし、聞き取れない区間が多い場合に処理したコピーで試す方法が安全です。

声が小さい録音は、音量を上げれば聞き取れますか?

音量を上げると声も雑音も同じだけ大きくなるため、声と雑音の差は変わりません。声が雑音に埋もれている場合は、ノイズ除去や、次回の録音でマイクを話者に近づけることを検討します。