長い録音を整理する
音声ファイルを分割する方法。元の時刻を残す分割計画
長いMP3・WAVなどを作業用に分けても、引用した発言へ戻れるように。分割の計画表とAudacity用ラベルを作り、音声を聞いて境界を確かめます。
公開日:更新日:執筆・運営:Klang AI AB
音声ファイルの分割が必要な場面
利用する文字起こしサービスが元ファイルを扱えるなら、分割は必須ではありません。容量や長さの制限がある、複数人で確認を分担する、といった理由がある場合に作業用コピーを分けます。
音声の原本はそのまま残し、作業用の区間名・元音声の開始と終了を記録します。発言をまたいで切ると意味が追いにくくなるため、区切りの前後を聞きます。無音を自動的に消す操作は、元の時刻を変えるので分割と分けて管理します。
分けたい理由が容量の制限だけなら、1本のまま容量を小さくするMP3圧縮ツールを先に試す方法もあります。分割しないので、元の時刻はそのまま使えます。
分割表とAudacity用ラベルを作る
このサイトで音声を切断することはありません。ダウンロードするのは計画表とラベル用テキストです。
音声を送信・加工するツールではありません。元の音声の長さから作業計画を作ります。実際の区切りは発言を聞いて調整し、変更した時刻を記録してください。
| 名前 | 開始 | 終了 | 長さ(秒) |
|---|---|---|---|
| part_001 | 00:00:00.000 | 00:30:00.000 | 1800.000 |
| part_002 | 00:29:50.000 | 00:59:50.000 | 1800.000 |
| part_003 | 00:59:40.000 | 01:15:00.000 | 920.000 |
ラベルはタブ区切りの「開始秒・終了秒・名前」です。Audacityで元音声とラベルを読み込み、各区間を確認してからラベルを基準に書き出します。作成済みの分割音声へ読み込むための時刻ではありません。
Audacityで音声ファイルを分割する手順
- Audacityで元音声のコピーを開きます。まず全体の長さと必要な声を確認します。
- 上のラベルTXTをラベルの読み込み操作で取り込むか、区切りたい位置に手動でラベルを作ります。ラベルは元音声の先頭を0秒としています。
- 境界の前後を再生し、言葉の途中で切れていればラベルを移動します。変更した開始・終了を分割表にも反映します。
- 「オーディオをエクスポート」で複数ファイルとラベルを基準にした書き出しを選びます。表示名はバージョンによって異なります。
- 別の保存先に書き出し、順番・長さ・冒頭と末尾を確認します。プロジェクトの保存と、音声ファイルへの書き出しは別の操作です。
重複する範囲ラベルを使う場合は、同じ音声が複数の出力に含まれます。原本のチャンネルを混合する必要があるかも確認してください。ラベルだけでは、出力形式や音声の選択状態までは指定されません。
分割後の時刻を元の録音の時刻に戻す方法
| 分割ファイル | 元音声の開始 | 分割後の発言位置 | 元音声の位置 |
|---|---|---|---|
| part_002 | 00:30:00.000 | 00:02:15.000 | 00:32:15.000 |
| part_003 | 00:59:50.000 | 00:00:08.500 | 00:59:58.500 |
式は「元音声での区間開始+分割ファイル内の時刻」です。冒頭を削除した、無音を詰めた、速度を変えた場合はこの単純な加算だけでは戻せません。編集していない作業用コピーを使うか、変更区間の対応表を別に作ります。
分割ファイルごとに字幕を作った場合は、元の録音での開始位置を指定して字幕を結合するツールで、SRT・VTTを1つにまとめられます。
分割の境界を重ねるときの確認方法
| 下書き | 分割後の位置 | 元音声の位置 | 判断 |
|---|---|---|---|
| part_001:来週再確認します | 00:29:55 | 00:29:55 | 確認の上で本文に1回残す |
| part_002:来週再確認します | 00:00:05(開始29:50) | 00:29:55 | 同じ原音なら重複候補として記録 |
| part_002:来週再確認します | 00:00:25 | 00:30:15 | 別の原音位置。単に文字が同じだけでは消さない |
文字列が同じでも、繰り返して強調した発言かもしれません。元音声の時刻と実際の声を照合してから整理します。片方の認識が違う場合も、AIの文が自然な方を選ぶのではなく原音で確認してください。
3時間の録音を45分ずつ分割する例:元の時刻への戻し方
3時間(180分)の録音を4つに分け、境界の前後10秒を重ねる例です。分割後のファイルの時刻に、そのファイルの開始時刻を足すと、元の録音の時刻に戻せます。
| ファイル | 元の録音での開始 | 元の録音での終了 | 長さ |
|---|---|---|---|
| part1 | 00:00:00 | 00:45:10 | 45分10秒 |
| part2 | 00:44:50 | 01:30:10 | 45分20秒 |
| part3 | 01:29:50 | 02:15:10 | 45分20秒 |
| part4 | 02:14:50 | 03:00:00 | 45分10秒 |
part3の12:34にある発言は、元の録音では 01:29:50+12:34=01:42:24 です。重なりの10秒には同じ発言が二つのファイルに入るため、文字起こしをつなぐときは重複した文を一度だけ残します。
Klangには1ファイル10GBまでアップロードできるため、長い会議でも分割せずに文字起こしできることがあります。分割は、受け渡し先の容量や時間の上限がある場合や、担当者ごとに確認範囲を分けたい場合に行います。
音声ファイルの分割でよくある失敗
分割した後で「どの発言が元の何分か」が分からなくなるのが、最も多い失敗です。
| よくある失敗 | 起きること | 対処法 |
|---|---|---|
| 発言の途中で区切った | 境界の言葉が両方のファイルで欠ける | 無音の位置で区切るか、前後を数秒重ねる |
| ファイル名に開始時刻を入れなかった | 分割後の時刻を元の時刻に戻せない | 分割表を作り、ファイル名に番号と開始時刻を入れる |
| 重なりの区間を二重に文字起こしした | 同じ発言が議事録に2回出る | つなぐときに重複箇所を確認して一方を消す |
| 書き出しでMP3に再圧縮した | 分割のたびに音質が下がる | 原本と同じ形式で書き出す |
分割後も、原本へ戻れる文字起こしに
- 準備した音声を文字起こしする
- 未確認の箇所を修正シートに残す
- 次の会議はパソコンで録音し、形式と容量を先に決める
- 分割せずに容量を減らしたい場合:MP3・WAV・M4Aを圧縮する方法
- ICレコーダーが自動分割した録音を整理する
参照:Audacity公式:録音の分割、ラベルファイルの形式。2026年10月6日確認。
よくある質問
長い録音は分割しないと文字起こしできませんか?
Klangには1ファイル10GBまでの音声・動画をアップロードできるため、数時間の会議でも分割せずに文字起こしできることがあります。分割は、受け渡し先に容量や時間の上限がある場合や、確認作業を分担したい場合に行います。
分割した後のファイルの時刻を、元の録音の時刻に戻すには?
分割後のファイルの時刻に、そのファイルの元の録音での開始時刻を足します。たとえば01:29:50から始まるファイルの12:34は、元の録音の01:42:24です。分割表に各ファイルの開始時刻を残しておきます。
分割の境界は重ねたほうがよいですか?
発言の途中で切れるのを防ぐため、前後を数秒から10秒ほど重ねる方法があります。重ねた区間は二つのファイルに同じ発言が入るため、文字起こしをつなぐときに重複を一度だけ残します。