プロンプト
プロンプトとは。AIへの指示の意味と、伝わる書き方の5要素
プロンプトとは、ChatGPTなどの生成AIに入力する指示や質問の文章のことです。役割・指示・文脈・出力形式・例の5つの要素をそろえると、AIの出力は目的に合ったものになります。改善前と改善後の例で、書き方の違いを確かめられます。
更新日:執筆・運営:Klang AI AB
プロンプトの構成要素は?5つの要素と書く内容
すべての要素が毎回必要なわけではありません。出力が期待と違ったときに、どの要素が足りなかったかを確かめる点検表として使えます。
例を数個見せて作業のやり方を伝える方法は「few-shot(フューショット)プロンプト」と呼ばれます。2020年に発表されたGPT-3の論文で、例を見せるだけで新しい作業をこなせることが示されてから広く使われるようになりました。
| 要素 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 役割 | AIにどの立場で答えてほしいか | あなたは営業部の議事録担当です。 |
| 指示 | やってほしい作業と、やってはいけないこと | 決定事項を抜き出してください。推測で補わないでください。 |
| 文脈 | 目的、読み手、前提となる事情 | 読み手は会議に出ていない部長です。 |
| 出力形式 | 見出し、箇条書き、表、文字数、文体 | 表で、列は「内容・担当・期限」。300字以内。 |
| 例 | 望ましい出力の見本(1〜3個) | 例:見積書の再送/佐藤/10月15日 |
良いプロンプトと悪いプロンプトの違いは?会議の要約での実例
採用サイトのリニューアルを話し合った40分の会議の文字起こしを、2つのプロンプトで要約した例です。AIも文字起こしも同じで、変えたのはプロンプトだけです。
改善前
プロンプト
この会議をまとめて。
出力
本日の会議では、新しい採用サイトについて活発な議論が行われました。
デザインやスケジュールについてさまざまな意見が出され、今後も検討を続けることになりました。
参加者からは前向きな意見が多く、有意義な会議となりました。
問題点:公開日も担当者も出てこず、欠席者は何も判断できません。「活発な議論」「有意義」は文字起こしにない評価です。
改善後
プロンプト(5つの要素)
- [役割]
- あなたは人事部の議事録担当です。
- [指示]
- 次の会議の文字起こしから、決定事項・未決事項・タスクを抜き出してください。文字起こしにないことは書かず、分からない箇所は「不明」と書いてください。
- [文脈]
- 会議は採用サイトのリニューアルの定例で、読み手は欠席した部長です。
- [出力形式]
- 見出しは「決定事項」「未決事項」「タスク」。タスクは「内容/担当/期限」の形で1行ずつ。
- [例]
- 例:トップ画像の差し替え/山本/10月20日
出力
- 決定事項
- 公開日は11月15日。社員インタビューは3名分を掲載する。
- 未決事項
- エントリーフォームを外部サービスにするか自社で作るか(次回決定)
- タスク
- 社員インタビューの日程調整/山本/10月18日 外部フォームの見積もり取得/佐々木/不明
期限が会議で決まっていないタスクは「不明」と出ました。推測で日付を埋めさせないための指示が効いています。
改善前のプロンプトは「まとめて」としか伝えていないため、AIは誰が読むのか、何が必要なのかを推測するしかありません。その結果、どの会議にも当てはまる感想のような文章になりました。改善後は、読み手(欠席した部長)と必要な項目(決定事項・未決事項・タスク)を指定し、「文字起こしにないことは書かない」と制限したことで、判断に使える出力になっています。
伝わるプロンプトの書き方:7つのコツ
- 01
目的と読み手を書く
「何のために」「誰が読むのか」を最初に書きます。同じ会議でも、上司への報告と社外への共有では残す内容が違います。
- 02
作業を1つずつ分ける
要約・抽出・メール作成を一度に頼まず、1回のプロンプトで1つの作業を頼みます。複雑な作業は段階に分けて順に頼むほうが安定します。
- 03
「しないこと」も書く
「推測で補わない」「文字起こしにない数字を書かない」のように、禁止事項を明示します。誤った出力(ハルシネーション)を減らす効果があります。
- 04
出力の形を指定する
見出し、箇条書き、表の列、文字数を指定します。形が決まっていると、確認や転記がしやすくなります。
- 05
資料と指示を区切る
「以下の文字起こし」「###」などで、指示と資料の境目をはっきりさせます。長い資料を渡すときほど重要です。
- 06
例を1つ見せる
望ましい出力の見本を1つ添えるだけで、形式のぶれが減ります。
- 07
結果を見て直す
一度で完璧を目指さず、出力のどこが違ったかを見て、足りなかった要素を書き足します。うまくいったプロンプトは保存して使い回します。
プロンプトエンジニアリングとは?代表的な手法
プロンプトエンジニアリングは、目的の出力を安定して得るためにプロンプトを設計・検証する技術です。業務でよく使われる手法を整理します。
段階的に考えさせる手法は、2022年にWeiらが論文で示したもので、答えの前に途中の考えを書かせると、推論が必要な問題で正答率が上がると報告されています。ただし、会議の要約のように入力の中に答えがある作業では、手法より「何を出力してほしいか」を具体的に書くことのほうが効果は大きくなります。
| 手法 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ゼロショット | 例を見せずに指示だけで頼む | 簡単な要約や言い換え |
| フューショット | 望ましい入出力の例を数個見せる | 形式をそろえたい抽出・分類 |
| 段階的に考えさせる(Chain-of-Thought) | 答えの前に考える過程を書かせる | 条件の多い判断、計算を含む質問 |
| 役割の指定 | AIに立場や専門性を与える | 文体や観点をそろえたいとき |
| プロンプトの連結 | 作業を複数のプロンプトに分けて順に実行する | 要約→タスク抽出→メール作成のような流れ |
議事録づくりに使うプロンプトの考え方
会議の文字起こしをAIに渡すときは、5つの要素のうち特に「指示(しないこと)」と「出力形式」が出来を左右します。
要約・決定事項・タスク抽出・メール作成など、議事録の用途ごとにそのまま使えるプロンプトは、議事録プロンプト集にまとめています。ChatGPTで文字起こしから議事録を作る手順は、別のガイドで扱っています。
- 「文字起こしにないことは書かない」「分からない箇所は不明と書く」を必ず入れます。
- 決定事項と、提案や意見を分けるよう指示します。会議では「〜はどうでしょう」という提案が決定と混ざりやすいためです。
- タスクは「内容・担当・期限」の3項目で出させ、空欄を許します。
- 個人名や顧客名を含む文字起こしを外部のAIサービスに貼る前に、社内のルールで入力してよい情報かを確かめます。
プロンプトを書かずに会議を要約するには
Klangは、会議の録音から文字起こし・要約・決定事項・タスクを自動で作成するため、会議のたびにプロンプトを書く必要はありません。追加で知りたいことがあれば、AIチャットで「この会議で保留になった点は?」のように質問でき、回答から根拠の発言に戻って確かめられます。
フリープランでも文字起こしは無制限で、AI要約とAIチャットを使えます。お客様の会話データはAIモデルの学習に利用しません。
要約・決定事項・タスクは、会議が終われば揃っている
Klangは会議を文字起こしし、要約・決定事項・タスクを作成します。プロンプトを書くのは、追加で質問したいときだけです。
- AIチャットで過去の会議に質問できます。
- 回答から根拠の発言に戻って確かめられます。
- お客様の会話データをAIモデルの学習に利用しません。
よくある質問
プロンプトとは何ですか。
プロンプトとは、ChatGPTなどの生成AIに入力する指示・質問・資料の文章です。AIに何をどう出力してほしいかを伝える役割を持ち、書き方によって出力の質が大きく変わります。
良いプロンプトの条件は何ですか。
目的・読み手・出力の形が具体的に書かれていることです。役割・指示・文脈・出力形式・例の5要素をそろえ、「推測で補わない」などしてほしくないことも書くと、出力が安定します。
プロンプトエンジニアリングとは何ですか。
プロンプトエンジニアリングとは、目的の出力を安定して得るためにプロンプトを設計し、結果を見て改善する技術です。例を見せるフューショットや、考える過程を書かせるChain-of-Thoughtなどの手法があります。
プロンプトは長いほど良いのですか。
長さより、必要な情報が入っているかが大切です。目的・読み手・出力形式が書かれていれば短くても十分で、関係のない情報を足すとかえって出力がぶれることがあります。
議事録を作るときのプロンプトの例はありますか。
あります。要約・決定事項の抽出・タスクの抽出・確認メールの作成など、用途別にそのまま使えるプロンプトを議事録プロンプト集にまとめています。どの例も「文字起こしにないことは書かない」という指示を含めています。